EOS R5 Mark IIのバッテリー持ちは?LP-E6P・LP-E6NHの違いと長時間撮影の電源対策
EOS R5 Mark IIのバッテリーについて調べると、「何枚撮れるのか」「LP-E6NHは使えるのか」「LP-E6Pを追加購入する必要があるのか」「動画では何時間持つのか」といった疑問が出てきます。
EOS R5 Mark IIは約4500万画素の高解像度撮影、高速連写、高性能AF、8K動画などを扱う高性能なフルサイズミラーレスです。その性能を支えるため、従来のEOS R5で使われていたLP-E6NHに加えて、新しいLP-E6Pが標準バッテリーとして採用されています。
LP-E6PとLP-E6NHは容量だけを見ると同じ2130mAhですが、EOS R5 Mark IIでは同じ扱いではありません。LP-E6NHも使用できますが、一部の機能に制限が生じるため、EOS R5 Mark IIの性能をすべて使いたい場合はLP-E6Pが基本になります。
バッテリー持ちについても、単純に「満充電で何枚」という数字だけでは判断できません。ファインダーを使うか背面モニターを使うか、表示を省電力優先にするか、連写するか、動画を撮るか、Wi-Fiなどを使うかによって消費量は大きく変わります。
この記事では、EOS R5 Mark IIのバッテリー持ちを静止画と動画に分け、LP-E6PとLP-E6NHの違い、予備バッテリーの考え方、設定で消費を抑える方法、USB給電を使った長時間撮影まで詳しく整理します。
EOS R5 Mark IIそのものの性能や特徴を先に確認したい場合は、EOS R5 Mark IIの特徴と撮影性能を解説した記事もあわせてご覧ください。
EOS R5 Mark IIで使うバッテリーはLP-E6Pが基本
- EOS R5 Mark IIの標準バッテリーはLP-E6P
- LP-E6NHとLP-E6Nも使用できるが機能制限がある
- LP-E6PとLP-E6NHは容量が同じでも役割が違う
EOS R5 Mark IIの標準バッテリーはLP-E6P
EOS R5 Mark IIで基本となるバッテリーは、キヤノン純正のLP-E6Pです。公称電圧は7.2V、容量は2130mAhで、EOS R5などで使われてきたLP-E6NHと同じ容量になっています。
そのため、スペック表だけを見ると「LP-E6NHと何が違うのか」と疑問に思うかもしれません。LP-E6Pの重要な点は、容量を増やしたことではなく、EOS R5 Mark IIのように大きな電力を必要とするカメラで使うことを前提にしている点です。
EOS R5 Mark IIは電子シャッターで最高約30コマ/秒の高速連写に対応し、高解像度の静止画だけでなく8K RAW動画などにも対応しています。撮影中にはセンサー、画像処理エンジン、AF、電子ビューファインダー、手ブレ補正、記録メディアなどが同時に動作します。高負荷な撮影ほど瞬間的に必要となる電力も増えるため、単純なバッテリー容量以外の性能が重要になります。
EOS R5 Mark IIを購入した際に付属するLP-E6Pをそのまま使うのであれば、バッテリーの種類について迷う必要はありません。予備を追加するときにLP-E6Pを買うか、手元にあるLP-E6NHを活用するかが判断の分かれ目になります。
LP-E6Pそのものについては、LP-E6PとLP-E6NHの違いを詳しく解説した記事で対応機種や充電方法まで整理しています。
LP-E6NHとLP-E6Nも使用できるが機能制限がある
EOS R5 Mark IIでは、従来のLP-E6NHとLP-E6Nも電源として使用できます。EOS R5、EOS R6シリーズ、EOS R7などからEOS R5 Mark IIへ移行した場合、これまで使っていた純正バッテリーをすべて処分する必要はありません。
一方、EOS R5 Mark IIにLP-E6NHまたはLP-E6Nを装着した場合は、一部の撮影機能や通信機能などに制限が発生します。つまり、「カメラの電源が入って撮影できる」という意味での互換性と、「EOS R5 Mark IIの全機能を使える」という意味での互換性は同じではありません。
風景撮影やスナップなどで通常の静止画を撮るだけなら、手元にあるLP-E6NHを予備として利用できる場面があります。反対に、高速連写、高負荷な動画記録、EOS R5 Mark II特有の機能を積極的に利用するのであれば、LP-E6Pを使う方が分かりやすい運用になります。
すでにLP-E6NHを何本も所有している場合は、それらを完全に無駄にする必要はありません。LP-E6Pを主力にし、LP-E6NHを非常用または負荷の軽い撮影用として残す方法があります。旅行や長時間の撮影では、LP-E6Pを使い切った後にLP-E6NHへ交換できるだけでも撮影時間を延ばせます。
EOS R5 Mark IIへの買い替え自体を検討している場合は、バッテリーや記録メディアを含めた費用についてEOS R5 Mark IIは買ってはいけない?後悔しやすい人と買う価値がある人でも整理しています。
LP-E6PとLP-E6NHは容量が同じでも役割が違う
LP-E6PとLP-E6NHはいずれも容量2130mAhです。この数字だけを見ると、EOS R5 Mark IIで使った場合にも同程度の性能になるように見えます。しかし、EOS R5 Mark IIではバッテリーを選ぶ基準を容量だけに置くことはできません。
| 項目 | LP-E6P | LP-E6NH | LP-E6N |
|---|---|---|---|
| 公称電圧 | 7.2V | 7.2V | 7.2V |
| 容量 | 2130mAh | 2130mAh | 1865mAh |
| EOS R5 Mark IIでの使用 | 可能 | 可能 | 可能 |
| EOS R5 Mark IIの機能 | 基本的に制限なく使用 | 一部制限あり | 一部制限あり |
| 主な用途 | メイン・予備 | 予備としても活用可能 | 非常用として活用可能 |
EOS R5 Mark II用としてこれから新しくバッテリーを買うのであれば、基本的にはLP-E6Pを選ぶ方が自然です。同じ2130mAhだからという理由だけでLP-E6NHを新しく購入するメリットは小さくなります。
一方、EOS R5とEOS R5 Mark IIを併用している場合は状況が変わります。LP-E6Pを両方のカメラで使用しながら、これまで所有していたLP-E6NHもEOS R5側で活用できます。EOS R5の電源事情については、EOS R5のバッテリー持ちとLP-E6NHの電源対策で詳しく紹介しています。
EOS R5 Mark IIのバッテリー持ちは何枚なのか
- ファインダー撮影では約250~340枚が目安
- 背面モニター撮影では約540~630枚が目安
- 実際の撮影枚数は使い方によって大幅に変わる
ファインダー撮影では約250~340枚が目安
EOS R5 Mark IIに新品で満充電のLP-E6Pを装着した場合、静止画の撮影可能枚数はファインダー撮影で約250~340枚が目安です。
表示性能を重視する「なめらかさ優先」では約250枚、省電力を重視した設定では約340枚となります。電子ビューファインダーは撮影していない時間にも表示装置を動かす必要があるため、光学ファインダーを使う一眼レフとはバッテリー消費の考え方が異なります。
| 撮影方法 | なめらかさ優先 | 省電力優先 |
|---|---|---|
| ファインダー撮影 | 約250枚 | 約340枚 |
| 背面モニター撮影 | 約540枚 | 約630枚 |
この数字を見ると、EOS R5 Mark IIは「満充電でも300枚程度しか撮れないカメラ」に見えるかもしれません。しかし、この撮影可能枚数は一定の測定条件で比較するための基準です。実際の撮影現場では、300枚を撮った時点で必ず電源が切れるわけではありません。
特に野鳥やスポーツのように短時間で大量の連写を行う撮影では、一回の電源投入中に何百枚、何千枚とシャッターを切る場合があります。撮影枚数に対して待機時間が短いため、公表値を大幅に超える撮影枚数になることもあります。
EOS R5 Mark IIの高速連写を使う場合は、バッテリー消費だけでなくドライブモードの設定も重要です。連写設定についてはドライブモードとは?単写・連写・セルフタイマーの違いと使い方でも詳しく紹介しています。
背面モニター撮影では約540~630枚が目安
EOS R5 Mark IIの背面モニターを使用した静止画撮影では、なめらかさ優先で約540枚、省電力優先では約630枚が目安になります。
ファインダー撮影の約250~340枚と比較すると大きな差があります。このため、検索結果などで「EOS R5 Mark IIは約340枚」「約630枚」と異なる数字を見つけても、どちらかが間違っているとは限りません。どの表示方法と設定で測定した数字なのかを確認する必要があります。
商品撮影、風景、三脚を使った撮影、ローアングルやハイアングル撮影などでは、背面モニターを使う時間が長くなります。EOS R5 Mark IIはバリアングルモニターを搭載しているため、ファインダーに目を当てにくい位置でも構図を確認できます。
一方、画面を長時間点灯したまま構図を考えたり、撮影画像を何度も拡大表示したりすると、その間も電力を消費します。撮影枚数が少なくても、カメラを長時間起動した状態にしていればバッテリー残量は減っていきます。
液晶画面を使った撮影とバッテリー消費の関係については、ライブビュー撮影のデメリットとEOS R5での使い方も参考になります。
実際の撮影枚数は使い方によって大幅に変わる
EOS R5 Mark IIのバッテリー持ちを考えるうえで最も重要なのは、公表されている撮影可能枚数と実際の撮影枚数は一致しないという点です。
例えば、野鳥撮影で被写体が現れた瞬間に30コマ/秒の高速連写を行えば、数秒で100枚を超えることがあります。こうした撮影では、シャッター回数に対するカメラの稼働時間が短いため、一回の充電で公表値を大きく上回る枚数を撮影できます。
反対に、風景撮影で一枚撮るたびに構図を考え、AFを何度も動かし、撮影画像を拡大確認しながら数時間歩く場合は、撮影枚数が少なくてもバッテリーを消費します。野鳥を待つためにカメラを構え続ける場合も同様です。
さらに、手ブレ補正、レンズのIS、AF、Bluetooth、Wi-Fi、画像転送、動画、外部アクセサリーなども電力を使用します。EOS R5 Mark IIの「何枚撮れるか」を一つの数字で決めることはできません。
撮影可能枚数は、機種同士を比較したり、予備バッテリーの大まかな必要数を考えたりするための基準として使うと分かりやすくなります。
EOS R5 Mark IIの動画撮影ではバッテリーは何時間持つのか
- 8K RAWなど高負荷な動画では消費が大きい
- 4KやフルHDでは撮影可能時間が長くなる
- 動画ではバッテリー以外の制限も同時に考える
8K RAWなど高負荷な動画では消費が大きい
EOS R5 Mark IIは8K RAWを含む本格的な動画記録に対応しています。動画撮影ではセンサー、画像処理、モニター、AF、手ブレ補正、記録メディアなどが連続して動作するため、静止画と比べてバッテリーの消費を時間で考える必要があります。
満充電のLP-E6Pを使用した場合、8K RAWの59.94fpsまたは50.00fpsでは、動作可能時間の目安は約50分です。8K DCIの29.97fpsまたは25.00fpsでは約1時間が目安になります。
| 動画設定の例 | LP-E6P使用時の動作可能時間の目安 |
|---|---|
| 8K RAW 59.94/50.00fps | 約50分 |
| 8K DCI 29.97/25.00fps | 約1時間 |
| 4K DCI 59.94/50.00fps | 約1時間20分 |
| フルHD 29.97/25.00fps | 約2時間10分 |
8K RAWを本格的に利用する場合、LP-E6Pを一本だけ持って一日撮影するのは現実的ではありません。撮影そのものに加え、構図確認、AF確認、テスト撮影、再生確認、設定変更をしている時間にも電力を消費します。
30分の映像を撮影するとしても、カメラを30分しか動かさないとは限りません。本番前後を含めると1時間以上電源を入れているケースもあります。動画を中心にEOS R5 Mark IIを運用する場合は、撮影予定時間より長い電源計画を立てる必要があります。
4KやフルHDでは撮影可能時間が長くなる
動画の解像度やフレームレートを下げると、EOS R5 Mark IIのバッテリーで動作できる時間も長くなります。
4K DCIの59.94fpsまたは50.00fpsでは約1時間20分、フルHDの29.97fpsまたは25.00fpsでは約2時間10分が目安です。8K RAWの約50分と比べると大きな差があります。
そのため、「EOS R5 Mark IIは動画だと1時間も持たない」という評価だけでは実際の使用感を表せません。何を撮るために、どの記録形式を使うのかによって必要なバッテリー本数は変わります。
YouTube用の動画を4Kで撮影する場合、必ずしも8K RAWを使う必要はありません。完成映像の解像度、編集環境、保存容量まで考えて記録形式を決めれば、バッテリーだけでなくCFexpressカードやストレージの負担も減らせます。
カメラによる動画制作全体については、ミラーレス一眼からスマホまでの動画制作方法でも機材の使い分けを紹介しています。
動画ではバッテリー以外の制限も同時に考える
EOS R5 Mark IIで動画を長時間撮影する場合は、バッテリー残量だけを見ていればよいわけではありません。高解像度動画では本体内部の処理量が増え、発熱、記録メディアの容量、書き込み速度なども撮影時間に影響します。
例えばバッテリーに50%の残量があっても、CFexpressカードの空き容量がなくなれば記録は続けられません。逆に大容量カードを入れていても、電源がなくなれば撮影は終了します。EOS R5 Mark IIの動画撮影では、電源、記録メディア、本体温度の三つを同時に管理する必要があります。
長時間のインタビュー、ライブ配信、定点撮影などでは、途中でバッテリー交換すること自体が難しい場合があります。この用途では予備バッテリーを増やすだけでなく、USB給電などを使い、撮影中に電源を確保する方法が有効です。
EOS R5 Mark IIは静止画と動画の両方を高い水準で扱える機種です。こうしたハイブリッド性能を含めた位置づけは、EOS Rシステムの特徴とカメラの選び方でも解説しています。
EOS R5 Mark IIのバッテリー持ちを伸ばす設定
- 撮影画面表示を用途に合わせて変更する
- オートパワーオフと画面表示時間を見直す
- 通信機能や画像確認を必要なときだけ使う
撮影画面表示を用途に合わせて変更する
EOS R5 Mark IIで分かりやすくバッテリー持ちに影響するのが、撮影画面の表示設定です。ファインダー撮影では、なめらかさ優先で約250枚、省電力側では約340枚と公表値にも差があります。
スポーツ、野鳥、飛行機、モータースポーツなど、速い被写体をファインダーで追い続ける撮影では、表示の滑らかさが撮影しやすさに直結します。この場合はバッテリー消費を減らすためだけに表示性能を落とす必要はありません。
風景、建築、商品撮影、記念写真など、被写体の動きが小さい場面では、省電力側の設定でも撮影への影響は少なくなります。撮影内容によって設定を切り替えれば、必要な性能を残しながら電力消費を抑えられます。
EOS R5 Mark IIは高性能なため、すべての設定を常に最高性能側へ固定すると、必要のない場面でも電力を使います。撮影目的に合わせて性能を使い分けることが、バッテリー持ちを改善する基本になります。
高速連写を頻繁に使う人は、バッテリーだけを省電力化するのではなく、必要な場面で高速連写へ切り替える方法も有効です。単写と連写を使い分けるドライブモードの解説も参考にしてください。
オートパワーオフと画面表示時間を見直す
撮影していない時間の消費を減らすには、オートパワーオフやディスプレイの消灯時間を見直します。
EOS R5 Mark IIは電源を入れているだけでも完全に消費が止まるわけではありません。特に電子ビューファインダーや背面モニターが点灯している状態では、撮影していない間にも電力を使います。
旅行中に一枚撮影して数分歩き、また一枚撮るという使い方では、シャッター回数より待機時間の影響が大きくなる場合があります。画面を短時間で消灯させ、必要なときにシャッターボタン操作で復帰する設定にすれば、不要な点灯時間を減らせます。
一方、野鳥の飛び出しを待っている場面やスポーツ撮影では、頻繁にスリープへ入る設定にすると復帰操作が増えます。バッテリーを節約できてもシャッターチャンスを逃してしまえば意味がありません。
省電力設定は一律に最小値へ変更するのではなく、撮影間隔に合わせて調整します。待機時間が長い撮影では短め、連続して撮る日は長めにするだけでも扱いやすくなります。
通信機能や画像確認を必要なときだけ使う
EOS R5 Mark IIにはWi-FiやBluetoothなどの通信機能があり、スマートフォンとの接続や画像転送に利用できます。便利な機能ですが、接続や通信を行えばその分だけバッテリーを使用します。
撮影中にスマートフォンへ画像を次々と転送する必要がない場合は、撮影後にまとめて転送する方法もあります。長時間の撮影で少しでもバッテリーを残したい場合は、通信機能を使用する時間を限定すると管理しやすくなります。
撮影後の画像確認も同様です。一枚撮影するたびに背面モニターで長時間確認し、拡大表示を繰り返していれば、撮影枚数が少なくてもバッテリーは減ります。
露出やピントを確認する必要がある場面では積極的に再生機能を使い、連写中など確認する必要がない場面では表示時間を減らすという使い分けができます。
EOS R5 Mark IIは機能を削って使うカメラではありません。必要な機能を必要な場面で使い、使用していない機能による消費を減らすことが、画質や撮影性能を落とさずにバッテリー持ちを改善する方法です。
予備バッテリーは何本必要なのか
- 短時間の静止画撮影ならLP-E6P一本でも対応しやすい
- 半日から一日の撮影なら予備一本以上が安心
- 動画や高速連写では撮影内容から本数を決める
短時間の静止画撮影ならLP-E6P一本でも対応しやすい
EOS R5 Mark IIで2~3時間程度の静止画撮影を行う場合、満充電のLP-E6P一本で対応できる場面は多くあります。
特に短時間で多く撮影するポートレート、イベント、野鳥、スポーツなどでは、公表されている撮影可能枚数を大幅に超えて撮れることがあります。CIPAなどの測定値は実際の連写枚数の上限を示している数字ではないからです。
一方、一本しか持っていない場合は、撮影開始時点で必ず満充電にしておく必要があります。前日に少し使用して残量80%の状態から撮影を始めると、途中で残量を気にする時間が増えます。
EOS R5 Mark IIのような高価格帯のカメラを撮影へ持ち出すのであれば、予備を一本用意しておく価値は大きいです。実際に交換しなかったとしても、残量を気にせず撮影できるため、液晶確認や高速連写などを必要な場面で躊躇せず使えます。
本体購入時に必要となる周辺機材まで含めて考える場合は、EOS R5 Mark II購入後に必要になる機材と費用も参考になります。
半日から一日の撮影なら予備一本以上を用意する
半日から一日の撮影では、本体にLP-E6Pを一本、予備としてもう一本という構成が扱いやすくなります。
旅行、撮影会、野鳥撮影、スポーツ、イベントなどでは、撮影枚数だけでなくカメラを起動している時間が長くなります。午前中に撮影して昼に移動し、午後も撮影するのであれば、途中で一度交換できるだけでも電源管理が大きく変わります。
二本あれば、一方を使っている間にもう一方を充電する運用もできます。ホテルや自宅へ戻れる旅行では毎晩二本を満充電に戻せますし、車移動が多い場合はUSB電源を利用して移動中に充電する方法もあります。
EOS R5やEOS R6シリーズから買い替えた人でLP-E6NHを所有している場合は、LP-E6P一本とLP-E6NH一本という構成から始めることもできます。LP-E6NHではEOS R5 Mark IIの一部機能に制限が出ますが、予備電源として使えること自体には意味があります。
今後バッテリーを新しく買い足す段階になったらLP-E6Pへ統一していけば、どのバッテリーを入れたときに機能制限が発生するかを考える必要もなくなります。
動画や高速連写では撮影内容から本数を決める
動画中心の場合は、「一日だから二本」といった決め方ではなく、予定している撮影時間から必要本数を計算します。
8K RAWなど負荷の高い記録では、LP-E6P一本で約50分が一つの目安です。準備時間や撮影後の確認も考えれば、1時間程度の本番を一本撮るためにLP-E6P一個だけを用意するのは余裕がありません。
複数の動画を撮影する場合は、撮影一本ごとに新しいバッテリーへ交換できる本数を用意すると管理しやすくなります。インタビューやイベント収録のように途中で止められない場合は、残量が20%になるまで使い切るのではなく、本番前に残量の多いバッテリーへ交換する方法が安全です。
高速連写の場合は撮影枚数が非常に多くなりますが、動画のように連続してセンサーと記録処理を動かし続けるわけではありません。そのため「3000枚撮影したからバッテリーが10本必要」といった計算にはなりません。
EOS R5 Mark IIを野鳥やスポーツに使う場合は、撮影枚数ではなく、現地にいる時間、待機時間、ファインダーを覗いている時間、連写回数から必要な予備本数を考える方が実際の使い方に合います。
USB給電とバッテリーグリップで長時間撮影に対応する
- USB給電なら固定撮影の電源を長時間確保できる
- バッテリーグリップならLP-E6Pを2本運用できる
- 撮影内容によって交換・給電・グリップを使い分ける
USB給電なら固定撮影の電源を長時間確保できる
EOS R5 Mark IIを長時間動かし続ける場合、予備バッテリーを何本も交換する方法に加えてUSB給電を利用できます。
三脚へ固定して動画を撮影する場合、ライブ配信、商品撮影、インタビュー、定点撮影などでは、カメラを持って歩く必要がありません。このような用途では外部から電源を供給できれば、バッテリー残量を気にする時間を大きく減らせます。
USB給電を使う場合も、使用する電源やケーブルがカメラ側の要求を満たしている必要があります。スマートフォン用の小型充電器を接続すれば必ず長時間撮影できるというものではありません。
また、給電中でも撮影条件によっては内部バッテリーの残量が少しずつ減る場合があります。長時間撮影を行う前には、満充電のLP-E6Pを本体へ入れたうえで外部電源を接続し、実際に使用する動画設定などで動作確認をしておくと管理しやすくなります。
EOS Rシリーズは静止画だけでなく動画やPC接続など用途が広がっています。システム全体の特徴はEOS Rシリーズの魅力と目的別のカメラ選びでも紹介しています。
バッテリーグリップならLP-E6Pを2本運用できる
長時間の手持ち撮影では、バッテリーグリップを使用してバッテリーを2本搭載する方法があります。
予備バッテリーをポケットやバッグに入れて持ち歩く方法でも撮影時間は延ばせますが、残量がなくなれば一度カメラの電源を切って交換しなければなりません。バッテリーグリップなら2本を装着して運用できるため、途中の交換回数を減らせます。
特に縦位置での撮影が多いポートレート、スポーツ、野鳥、イベントなどでは、電源容量を増やす目的と縦位置操作をしやすくする目的を同時に満たせます。
一方、グリップを装着するとカメラ全体の重量と大きさは増えます。軽いレンズ一本で旅行する場合や街中のスナップでは、本体をコンパクトな状態にして予備LP-E6Pを一本持ち歩く方が扱いやすい場合があります。
EOS R5 Mark IIはRFレンズだけでなく、マウントアダプターを利用してEFレンズを組み合わせることもできます。大型のEF望遠レンズなどを使う場合はボディ側の重量が増えることでバランスが変わるため、EFレンズをRFマウントで使用する方法もあわせて確認できます。
撮影内容によって交換・給電・グリップを使い分ける
EOS R5 Mark IIの電源対策には、予備バッテリー、USB給電、バッテリーグリップという複数の方法があります。どれか一つがすべての撮影で最適になるわけではありません。
旅行やスナップなら、本体にLP-E6Pを一本、バッグに予備一本という構成が軽量です。野鳥やスポーツを一日撮影するなら、予備LP-E6Pを複数用意するか、バッテリーグリップを使用すると交換回数を減らせます。
動画撮影やライブ配信など、カメラを固定して長時間動かす用途ならUSB給電が有効です。撮影中にカメラを移動しないため、ケーブルを接続した状態でも大きな問題になりにくくなります。
つまり、EOS R5 Mark IIのバッテリー問題は「もっと容量の大きいバッテリーが必要」という一つの話ではありません。持ち歩く撮影では交換できるLP-E6P、固定撮影では外部給電、縦位置撮影や長時間手持ちではバッテリーグリップと、撮影方法によって電源を選択できます。
EOS R5 Mark IIは高性能な分、バッテリー、記録メディア、レンズなどを含めたシステム全体で考えると使い方が明確になります。EOS R5 Mark IIの総合的な特徴は、EOS R5 Mark IIで描く新たな世界でも詳しく紹介しています。
EOS R5からEOS R5 Mark IIへ移行するときのバッテリー運用
- 手持ちのLP-E6NHは予備として残せる
- 新しく買うバッテリーはLP-E6Pを基本にする
- R5とR5 Mark IIを併用するなら共通運用を考える
手持ちのLP-E6NHは予備として残せる
EOS R5からEOS R5 Mark IIへ買い替える場合、すでにLP-E6NHを複数所有している人も多いでしょう。EOS R5 Mark IIでもLP-E6NHを使用できるため、これまで購入したバッテリーがすべて使えなくなるわけではありません。
LP-E6NHでは一部機能に制限が生じますが、静止画を中心とした撮影や緊急時の予備として活用できます。新品のLP-E6Pを本体で使い、LP-E6NHをバッグに入れておけば、LP-E6Pを使い切った後にも撮影を続けられます。
重要なのは、LP-E6NHを持っているからという理由でEOS R5 Mark IIでもLP-E6NHだけを主力にするのか、新しいLP-E6Pへ段階的に移行するのかを決めることです。
EOS R5も引き続き使用するのであれば、LP-E6NHはEOS R5で優先して使い、LP-E6PをEOS R5 Mark IIへ回す方法もあります。二台を同時に持ち出す撮影では、同じLP-E6系を共有できること自体が大きな利点です。
初代EOS R5の現在の価値やEOS R5 Mark IIとの関係については、EOS R5は買ってはいけない?今でも高画素フルサイズの名機でも詳しく解説しています。
新しく買うバッテリーはLP-E6Pを基本にする
EOS R5 Mark IIを所有していて、これから予備バッテリーを追加購入する場合はLP-E6Pを基本にすると管理が簡単です。
LP-E6NHとLP-E6Pは容量が同じ2130mAhなので、単純な容量だけならLP-E6NHを選びたくなる場合もあります。しかし、EOS R5 Mark IIでは機能制限の有無に違いがあります。新たに購入するのであれば、あえて制限のあるLP-E6NHを増やす理由は少なくなります。
LP-E6Pへ統一すると、バッグの中からどのバッテリーを取り出してもEOS R5 Mark IIの機能を使えるため、「今入れたのはLP-E6Pだったか」と確認する必要がなくなります。
また、将来EOS R5 Mark II世代以降のカメラを追加したときにも、LP-E6Pをそのまま活用できる可能性が高くなります。バッテリーはボディを買い替えても引き続き使うことが多いアクセサリーなので、新しく購入する場合は現在の機種だけでなく次の機材まで考えて選ぶと無駄を減らせます。
LP-E6PとLP-E6NHの仕様差を詳しく比較したい場合は、LP-E6Pとは?Canon純正バッテリーの特徴とLP-E6NHとの違いでさらに詳しく確認できます。
R5とR5 Mark IIを併用するなら共通運用を考える
EOS R5とEOS R5 Mark IIの二台体制では、LP-E6系バッテリーを共通で運用できることが大きなメリットになります。
EOS R5にはLP-E6NHを使い、EOS R5 Mark IIにはLP-E6Pを使うという役割分担でも構いません。LP-E6Pを複数購入した後は、必要に応じてEOS R5側へ回すこともできます。
二台を撮影現場へ持ち出す場合、機種ごとに全く異なる充電器とバッテリーを大量に準備する必要がないため、荷物を整理しやすくなります。
例えばEOS R5 Mark IIを望遠レンズで野鳥撮影の主力にし、EOS R5を広角または標準レンズ用のサブ機にする場合、LP-E6PとLP-E6NHを合わせて複数持っておけば、どちらかの残量が減ったときにも対応できます。
EOS R5のバッテリー持ちはEOS R5のバッテリー持ちは何枚?LP-E6NHと長時間撮影の電源対策で詳しく解説しているため、R5 Mark IIとの二台運用を考えている場合は比較すると違いが分かりやすくなります。
まとめ
EOS R5 Mark IIの標準バッテリーはLP-E6Pです。公称電圧7.2V、容量2130mAhで、LP-E6NHと容量自体は同じですが、EOS R5 Mark IIではLP-E6Pを使用することで本来の機能を利用できます。
LP-E6NHとLP-E6NもEOS R5 Mark IIで使用できますが、一部機能に制限があります。すでに所有しているLP-E6NHは予備として活用できますが、新しくEOS R5 Mark II用のバッテリーを購入するならLP-E6Pを基本にすると運用が分かりやすくなります。
静止画の撮影可能枚数は、LP-E6Pを使用した場合、ファインダー撮影で約250~340枚、背面モニター撮影で約540~630枚が一つの目安です。実際の撮影枚数は、待機時間、連写、AF、手ブレ補正、画像確認、通信機能などによって大きく変わります。
動画では、8K RAWの高フレームレート記録で約50分、4K DCIでは約1時間20分、フルHDでは約2時間10分など、記録形式によって動作可能時間が変わります。高解像度動画を長時間撮影する場合はLP-E6P一本だけに頼らず、複数のバッテリーやUSB給電を用意すると対応しやすくなります。
短時間の静止画撮影なら本体のLP-E6P一本でも対応できる場面があります。半日から一日撮影するなら予備一本以上、動画や長時間のイベント撮影では撮影内容に応じて複数本を準備します。
固定した状態で長時間使用するならUSB給電、手持ちで長時間撮影するなら予備LP-E6Pやバッテリーグリップという選択肢もあります。
EOS R5 Mark IIは消費電力を極端に抑えることを目的としたカメラではなく、高画素、高速連写、高性能AF、8K動画といった性能を使うためのカメラです。バッテリー持ちだけを一つの数字で評価するのではなく、自分の撮影方法に合わせてLP-E6P、予備バッテリー、省電力設定、USB給電を組み合わせることで、長時間の撮影にも対応できます。



