レンズの解像度を比較できるサイト3選 MTFと実写チャートの正しい見方
レンズを購入する前に「どちらのレンズの方が解像するのか」を調べようとしても、メーカーのスペック表だけでは判断できません。焦点距離や開放F値、レンズ構成は確認できますが、実際に写真の細部をどこまで分離して写せるのか、中央と周辺でどの程度差があるのか、絞るとどのように変化するのかまでは分かりにくいためです。
そこで役立つのが、レンズを一定条件で撮影または測定し、解像力を比較できるサイトです。テストチャートの実写画像を並べて自分の目で確認できるサイトもあれば、MTFの測定結果を数値やグラフとして掲載するサイトもあります。同じレンズでも開放とF4、中央と四隅では結果が変わるため、一つの総合点を見るだけでは分からない情報を確認できます。
一方、比較サイトの数字は測定したカメラ、センサーの画素数、撮影距離、RAW現像方法などによって変化します。異なるサイトで「Aレンズは3000、Bレンズは2500」と表示されていても、その数字だけでAレンズが上と判断することはできません。比較サイトは順位表として見るのではなく、同じ条件で撮影されたレンズ同士の傾向を見るために使うことが重要です。
この記事では、レンズ解像度を比較するときに利用しやすいThe-Digital-Picture、OpticalLimits、LensTipの特徴と、それぞれの結果をどう読めばよいのかを詳しく解説します。解像度そのものの意味やMTFの基本から確認したい場合は、レンズ解像度とは?解像力・シャープネスとの違いと画質を引き出す撮影方法もあわせて確認してください。
レンズ解像度比較サイトを使う前に知るべきこと
- 解像度・解像力・シャープネスを区別する
- 同じカメラと同じ条件で測定した結果を比べる
- 中央と周辺・開放と絞りを分けて見る
解像度・解像力・シャープネスを区別する
レンズの比較サイトを見る前に整理しておきたいのが、解像度、解像力、シャープネスという言葉です。似た意味で使われることがありますが、レンズの性能を比較するときは同じものとして扱わない方が結果を理解しやすくなります。
デジタルカメラでいう解像度は、画像の縦横のピクセル数やセンサーの画素数を指す場合があります。6000×4000ピクセルなら約2400万画素です。これはカメラ側が記録できる画像の大きさであり、レンズそのものの性能を示す数値ではありません。
レンズの解像力は、細かな線や模様をどこまで別々の情報として撮像面へ結べるかを見る性能です。鳥の羽毛、髪の毛、布地、木の枝、建物の細かな模様などがつぶれずに分離して写っているほど、細部を再現する能力が高いと考えられます。
シャープネスは、完成した写真を見たときにどれほど鋭く感じるかという要素です。解像力に加えて、コントラスト、ピント精度、手ブレ、現像時の輪郭強調なども関係します。細部の情報量が同じでも、輪郭部分のコントラストが高い写真はシャープに見えることがあります。
比較サイトで見るべきなのは「どちらの写真が派手にシャープに見えるか」だけではありません。テスト画像を拡大し、細い線が分離しているか、文字の輪郭が崩れていないか、中央から周辺へ移動したときにどれだけ細部が失われるかを確認します。
数値を使うサイトではMTF50などが用いられることがあります。これは一定の基準に基づいてレンズとカメラの組み合わせから得られた結果を数値化したもので、同じ測定環境の中でレンズを比較するには便利です。一方、別のカメラや別の測定方法で得られた数値を直接比較しても、純粋なレンズ性能の差にはなりません。
レンズ性能は解像力だけで決まるものでもありません。色収差、歪曲収差、周辺光量、逆光耐性、ボケ、AF性能なども撮影結果へ影響します。全体像については、レンズの光学性能とは?解像力・MTF・色収差・ボケの見方で詳しく解説しています。
同じカメラと同じ条件で測定した結果を比べる
解像度比較サイトを見るうえで最も重要なのが、測定条件をそろえて比較することです。同じレンズでも、装着するカメラが変われば測定結果の数値は変わります。2400万画素のカメラと4500万画素のカメラでは、センサーが記録できる細部の量が異なるためです。
例えば古いEFレンズをEOS 5D Mark IIIで測定した結果と、新しいRFレンズをEOS R5で測定した結果が掲載されていたとします。後者の数値が高くても、その差にはレンズ性能とセンサー性能の両方が含まれています。数字だけを見てRFレンズが何割高性能だと判断することはできません。
同じ比較サイトの中でも、時代によって測定ボディが変更されることがあります。古いレンズは旧世代のカメラ、新しいレンズは高画素カメラで測定されている場合があるため、最初にテスト方法や使用カメラを確認します。
最も判断しやすいのは、同じサイト、同じカメラ、同じ焦点距離、同じ絞り値で測定されているレンズ同士です。例えば50mm F1.8と50mm F1.4を同じボディで比較し、F1.8、F2.8、F4、F5.6という共通する絞り値を見る方法です。この条件なら、レンズそのものの描写差を比較しやすくなります。
ズームレンズでは焦点距離もそろえます。24-70mmと24-105mmを比較するなら、24mm同士、50mm付近同士、70mm同士を見る必要があります。24mmで非常に高い性能を持つレンズでも、70mmでは傾向が変わることがあります。
APS-Cとフルサイズも分けて考えます。同じレンズをAPS-Cで使う場合はフルサイズの四隅が使われないため、フルサイズで周辺画質が低下するレンズでもAPS-Cでは良好に見えることがあります。自分が実際に使用するカメラに近い条件を優先することが重要です。
比較サイトは「世界で一番解像するレンズ」を決めるために使うより、自分が検討している2本または3本を、可能な限り同条件で比較するために使う方が実用的です。
中央と周辺・開放と絞りを分けて見る
レンズの解像力は画面全体で一定ではありません。多くのレンズは中央部で高い性能を発揮し、画面端や四隅へ向かうほど低下します。そのため、比較サイトで中央部だけを見て「非常にシャープなレンズ」と判断すると、実際の撮影で四隅の描写に差を感じることがあります。
ポートレートでは主役となる人物を中央から中間部へ置くことが多く、四隅には背景が来るため、周辺解像力を最優先にする必要はありません。中央部が開放から高い解像力を持ち、背景が滑らかにぼけるレンズの方が撮影目的に合う場合があります。
風景や建築では考え方が変わります。遠景の木々や建物を画面全体へ配置するため、中央だけが鋭く四隅が崩れるレンズでは気になることがあります。この場合は中央、APS-C相当位置、フルサイズ四隅まで確認し、F5.6やF8へ絞ったときに全体がどの程度そろうかを見ます。
開放F値の比較も重要です。F1.4レンズはF1.4で撮れること自体に価値があります。F4まで絞れば非常に高い解像力になるとしても、F1.4で人物や夜景を撮りたい人にとっては、開放時の中央解像、軸上色収差、コントラストの方が重要です。
逆に風景をF8中心で撮る人なら、開放F1.4とF1.8のわずかな差を追い続けても実際の写真にはあまり関係しません。F5.6からF8で中央と四隅がどの程度整うかを見る方が有効です。
比較サイトでは、一つの画像や最高値だけを見ず、焦点距離、絞り値、画面位置を変えながら確認します。解像度の比較とは「このレンズは何点」という一つの数字を決める作業ではなく、自分が使う条件でどのような描写になるかを調べる作業と考えると判断しやすくなります。
レンズ解像度を比較できる代表的なサイト
- The-Digital-Pictureで実写チャートを比較する
- OpticalLimitsでMTF実測値を確認する
- LensTipでMTF50のグラフを確認する
The-Digital-Pictureで実写チャートを比較する
The-Digital-Pictureは、レンズの解像感を自分の目で比較したい場合に使いやすいサイトです。Lens Image Qualityの比較機能ではテストチャートを撮影した画像の一部分を大きく表示し、異なるレンズを切り替えながら確認できます。
数値だけを見る方法と違い、「文字や線が実際にどのように見えるか」を直接確認できることが大きな特徴です。画面中央、周辺、四隅を移動しながら見ることで、中央は非常に鋭いものの四隅で急に低下するレンズや、画面全体で均一なレンズなどの違いを把握できます。
レンズによっては焦点距離と絞り値を変更できます。ズームレンズなら広角端、中間域、望遠端を確認し、F2.8、F4、F5.6などへ切り替えながら変化を見ることができます。同じ焦点距離を持つ2本を比べる場合には非常に分かりやすい方法です。
例えば70-200mm F2.8と70-200mm F4を比較するなら、70mm、135mm、200mm付近をそれぞれ確認します。F4という共通条件で比較すれば、F2.8レンズを一段絞った状態とF4レンズの開放を見比べることもできます。
注意したいのは、撮影されたカメラが同じかどうかです。長期間にわたり多数のレンズを扱っているため、古いレンズと新しいレンズで使用ボディが異なる場合があります。比較画面でカメラ名を確認し、同一条件に近い組み合わせを優先します。
The-Digital-Pictureでは解像感に加えて、周辺光量、歪曲、フレアなどの比較機能も用意されています。解像度だけでは決めきれない場合に、同じレンズの別の特徴まで続けて確認しやすいことも利点です。
キヤノンのEFレンズやRFレンズを比較したい場合には特に使いやすく、古いEFレンズと新しいレンズの描写傾向を確認するときにも役立ちます。中古EFレンズを検討している場合にも、価格だけでは分からない描写差を事前に確認できます。
OpticalLimitsでMTF実測値を確認する
OpticalLimitsは、レンズを技術的な測定結果から確認したい場合に役立つレビューサイトです。解像力についてはImatestを利用した測定を行い、中央部、周辺部、四隅などの結果をグラフで確認できます。
実写画像を見比べるThe-Digital-Pictureとは性格が異なり、OpticalLimitsでは測定結果を数値として確認しやすくなります。開放では中央だけ高いのか、一段絞ると周辺が改善するのか、F8以降で回折の影響が現れるのかなど、絞り値による変化を追いやすいことが特徴です。
特に便利なのが、一本のレンズを評価するときに「最も高い数字」だけを見る必要がないことです。例えばF1.4で中央部が非常に高くても四隅が低く、F2.8で全体が整うレンズがあります。反対に開放から画面全体の差が小さいレンズもあります。グラフの形を見ると、どの絞りでどの場所が改善するかを把握できます。
一方、OpticalLimits自身も、異なるシステムで測定された数値をそのまま比較することには注意を促しています。カメラのセンサー解像度や特性が異なるため、キヤノンで測定した数値と富士フイルムやニコンで測定した数値を横並びにして順位を付ける使い方には向きません。
この点はレンズ比較で非常に重要です。数値が掲載されていると、どうしても「3000の方が2800より高性能」と考えたくなります。しかし測定環境が違えば数値の意味も変わります。同じシステム、同じテスト環境の中で相対的に比較します。
OpticalLimitsでは解像力以外にも歪曲、周辺光量、色収差などを確認できるレビューがあります。中央解像力が高いレンズでも色収差が大きい場合や、四隅の光量低下が大きい場合があります。写真全体の画質を考えるなら、解像力のグラフと他の項目を一緒に見るとレンズの性格をつかみやすくなります。
色収差について分からない場合は、色収差とは?紫や緑のにじみが出る原因と撮影・補正方法で、軸上色収差と倍率色収差の違いを確認できます。
LensTipでMTF50のグラフを確認する
LensTipも、レンズの解像力を数値とグラフで確認できるサイトです。レビュー内のImage resolutionではMTF50を基準とした解像力測定が掲載され、絞り値によって中央部や周辺部がどのように変化するかを見ることができます。
LensTipのグラフを見るときも、最初に使用したカメラを確認します。レビュー本文には、どのカメラとセンサーを使って測定したのかが説明されています。古いEFレンズではEOS 5D Mark IIIなどが使われ、新しいミラーレス用レンズでは別の高画素ボディが使われるため、世代をまたいだ数字の単純比較には注意が必要です。
同じ測定環境で複数レンズを見る場合は非常に分かりやすくなります。例えば同じマウントの50mm単焦点を複数確認すると、開放ではどのレンズが強いか、F2.8からF4でどこまで伸びるか、中央と端の差がどの程度あるかをグラフで追えます。
特に明るい単焦点レンズでは、開放付近の結果を見る価値があります。F1.4レンズをF5.6まで絞れば多くの製品で解像力は高くなりますが、購入理由が「F1.4を使いたい」ことであれば、開放時にどの程度の描写を得られるかが重要です。
ズームレンズでは焦点距離による変化も確認します。広角端で高解像でも望遠端では低下する場合があり、反対に望遠端が非常に強いレンズもあります。旅行用の標準ズームなら普段多用する35mmから70mm付近、野鳥用ズームなら望遠端を優先するなど、自分の用途に合わせて見る場所を決めます。
LensTipでは解像力以外の光学性能も細かく測定されているため、解像度だけが高いレンズを探す使い方から一歩進んで、色収差、歪曲、コマ収差、逆光なども含めた評価へ進めます。
The-Digital-Pictureで実際のチャート画像を見て、OpticalLimitsやLensTipで測定値を確認するという使い方をすると、一つのサイトだけに依存せずレンズの傾向を判断できます。
Canonレンズの解像度比較でMTFを活用する
- Canon公式のMTF特性図を最初に確認する
- 10本mmと30本mmの線を読み分ける
- MTFだけでレンズの優劣を決めない
Canon公式のMTF特性図を最初に確認する
CanonのRFレンズやEFレンズを検討している場合は、比較サイトを見る前にメーカー公式のMTF特性図も確認しておきたいところです。MTFはModulation Transfer Functionの略で、被写体が持つ明暗差をレンズがどの程度維持して撮像面へ伝えられるかを見る指標です。
Canonの各レンズ製品情報にはMTF特性図が掲載されているものがあり、画面中央から周辺へ向かって性能がどのように変化するかを確認できます。グラフの左側が画面中央、右側へ進むほど画面端に近づきます。曲線が高い位置を維持していれば、中央から周辺までコントラストや細部を保ちやすいことを示します。
メーカー公式MTFの利点は、Canonが同じ評価方法で自社レンズを掲載していることです。同じ種類のレンズを比較する場合に、最初の目安として利用できます。RF50mm同士、RF70-200mm同士など、焦点距離や用途が近い製品を比べると違いを読み取りやすくなります。
一方、24mmの広角レンズと400mmの超望遠レンズをMTFだけで比較して「400mmの方が優秀」と判断するような使い方は適切ではありません。光学設計の難しさや用途が異なるため、近い焦点距離、同じ種類のレンズの中で比較します。
Canon公式には交換レンズ基礎知識があり、MTF特性図の考え方を確認できます。最初に公式の図でレンズ設計上の傾向を確認し、その後に比較サイトの実測や実写を見ると理解しやすくなります。
メーカーMTF、第三者測定、実写画像の三つを分けて見ることが重要です。それぞれ目的が異なるため、一つの資料だけでレンズを決める必要はありません。
10本mmと30本mmの線を読み分ける
CanonのMTF特性図を見ると、複数の曲線があり、初めて見ると何を確認すればよいのか分かりにくく感じます。基本になるのが10本/mmと30本/mmの違いです。
10本/mmは比較的粗い線を使って、主にコントラストの再現性を見るための指標です。写真全体の輪郭が力強く見えるか、黒と白の境界をはっきり再現できるかといった印象に関係します。10本/mmの曲線が高い位置を保っているレンズは、写真全体にメリハリを感じやすくなります。
30本/mmはさらに細かな線を使い、細部をどこまで再現できるかを見る指標です。髪の毛、鳥の羽毛、細かな文字、遠景の枝などを分離して写す能力を考えるときはこちらを重視します。
レンズの「解像度比較」という検索意図では30本/mmへ目が向きやすくなりますが、写真の見え方は30本/mmだけで決まりません。細部が多く記録されていてもコントラストが低ければ、写真全体は柔らかく感じることがあります。反対に細部の分離が突出していなくても、10本/mmの特性が高ければ非常にシャープに感じる場合があります。
さらにCanonのMTFでは、サジタル方向とメリジオナル方向の線があります。二つの曲線が近い状態を保つか、画面周辺で大きく離れるかを見ることで、画面位置や線の方向による描写の変化を読み取れます。
すべての曲線を暗記する必要はありません。最初は「高い位置を保っているか」「中央から端へ急激に落ちていないか」「実際に使う焦点距離のレンズ同士ではどちらが安定しているか」という三点を見るだけでも十分です。
その後、実写比較サイトで同じ傾向が見えるかを確認すると、MTFの曲線と実際の写真を結び付けられるようになります。
MTFだけでレンズの優劣を決めない
MTFはレンズの光学性能を比較するうえで有用ですが、レンズのすべてを表す成績表ではありません。非常に高いMTFを持つレンズでも、撮影目的によっては別のレンズの方が使いやすいことがあります。
例えばポートレートでは、画面四隅の最高解像力より、人物を置く中央から中間部の解像、肌の階調、軸上色収差、背景ボケ、AF精度、撮影距離の方が重要になる場合があります。背景が大きくぼけている写真で四隅の解像力が高くても、その部分にはそもそもピントを合わせていません。
野鳥やスポーツでは、望遠端の解像力に加えてAF速度、手ブレ補正、重量、ズーム操作、逆光耐性が重要です。三脚でテストチャートを撮れば非常に高い解像力を持つレンズでも、AFが遅く被写体へピントを合わせられなければ動体撮影では結果を残しにくくなります。
風景では四隅までの解像力が重要になりますが、逆光でフレアが大きく発生するレンズでは朝夕の撮影に影響します。星景では中央部の解像力だけでなく、四隅のコマ収差や非点収差が重要です。
マクロでは最短撮影距離付近での性能が重要になります。一般的な距離で測定したMTFが高くても、接写時には描写傾向が変わる場合があります。比較サイトがどの距離でテストしているかも確認します。
レンズの光学性能を総合的に見る場合は、解像力と一緒に色収差、歪曲、周辺光量、フレア、ボケを確認します。さらにAF、手ブレ補正、重量、最短撮影距離まで加えて、自分が実際に撮影する場面に適した一本を選びます。
解像度は重要な性能ですが、写真の画質を構成する一部分です。画質をより広い視点で考えたい場合は、写真の表現力を高める画質の本質とは なめらかな階調と正確な色再現の力も参考になります。
比較サイトの数値を実際のレンズ選びに使う
- 同じシステムと同じ撮影条件で候補を比較する
- 撮影ジャンルに必要な解像性能を優先する
- 最後は実写と使いやすさまで確認する
同じシステムと同じ撮影条件で候補を比較する
比較サイトをレンズ購入へ生かすときは、最初に候補を2本から3本程度まで絞ると判断しやすくなります。大量のレンズを数字だけで順位付けすると、焦点距離や用途まで異なる製品が混ざり、実際の選択から離れていきます。
例えばEOS R5で標準単焦点を探しているなら、RF50mm F1.8 STM、RF50mm F1.4 L VCM、RF50mm F1.2 L USMのように、同じ50mm前後の候補を比較します。価格や重量は大きく異なりますが、少なくとも撮影時の画角は近いため、解像性能の違いを実際の用途へ結び付けやすくなります。
まずメーカーのMTFを確認し、中央と周辺の傾向を見ます。次にThe-Digital-Pictureで同条件に近い実写チャートがあれば、中央と四隅を切り替えて確認します。OpticalLimitsやLensTipに同じレンズがあれば、絞り値ごとの変化をグラフで確認します。
ここで重要なのは、複数サイトの数値を直接足したり平均したりしないことです。それぞれテスト方法が違うため、「Aサイトで3000、Bサイトで45だから合計3045」といった比較には意味がありません。
見るべきなのは傾向です。複数のテストで開放中央が高い、F2.8で周辺が大きく改善する、望遠端で少し低下する、といった同じ傾向が確認できれば、そのレンズの性格をかなり把握できます。
古いEFレンズと新しいRFレンズを比較するときも、可能であれば同じカメラで撮影された実写を優先します。高画素ボディで古いEFレンズがどこまで解像できるのかを見ることで、マウントの世代だけでは分からない実力を確認できます。
撮影ジャンルに必要な解像性能を優先する
レンズの解像度を比較するときは、自分がどこに高い解像力を必要としているのかを決めることが重要です。すべての位置、すべての絞り、すべての焦点距離で最高性能を持つレンズを探す必要はありません。
ポートレートなら、開放からF2.8程度までの中央から中間部を重視します。人物の目や髪へ十分な解像力があり、背景がきれいにぼけることが重要です。四隅の解像力が多少低くても、人物写真ではほとんど問題にならない場合があります。
風景ではF5.6からF11付近を使う機会が多く、中央だけでなく四隅までの均一性を確認します。広角レンズなら特に周辺部の描写が重要です。絞ることで四隅が大きく改善するレンズなら、開放時の周辺性能だけを見て候補から外す必要はありません。
野鳥では300mm、400mm、500mmなど実際に使用する望遠端の中央解像力を重視します。鳥を画面中央付近へ置き、後からトリミングすることが多い撮影では、中央部の細部再現が重要です。高画素カメラと組み合わせる場合は、羽毛の細かな情報をどこまで残せるかを実写チャートや作例で確認します。
星景では開放付近の四隅まで見ます。中央が高解像でも、画面端の星が鳥の羽のように広がるコマ収差が大きければ、星空撮影では気になることがあります。
マクロでは近距離での中央解像とピント面の均一性、商品撮影では歪曲の少なさや四隅までの解像、スナップでは開放から数段絞った範囲でのバランスを見ます。
同じレンズでも撮影目的によって評価が変わります。「測定結果で一番高いレンズ」を探すのではなく、「自分が使う場所で十分に高いレンズ」を探すことが比較サイトを生かす方法です。
最後は実写と使いやすさまで確認する
解像度比較サイトで候補を絞った後は、実写画像とレンズの使いやすさまで確認します。テストチャートで数%の差があっても、通常の写真では違いをほとんど感じないことがあります。その一方、重量が300g違えば持ち歩いたときには明確な違いになります。
レンズを実際に使うと、解像度以外の要素が撮影回数や成功率へ大きく影響します。AFが速いか、フォーカスリングを操作しやすいか、ズームリングが重すぎないか、手ブレ補正があるか、最短撮影距離が短いか、カメラとの重量バランスが良いかといった要素です。
例えば風景用として非常に高い解像性能を持つレンズでも、重くて旅行へ持って行かなくなれば写真は撮れません。少し解像力が低くても半分程度の重量で毎回持ち歩けるレンズの方が、実際の撮影では価値が高くなる場合があります。
ポートレートでは、テストチャート上の最高解像力よりも背景ボケや逆光時の描写を気に入ることがあります。古いEFレンズには最新RFレンズほど均一ではなくても、柔らかな描写や独特のボケを持つ製品があります。それを欠点と見るか個性と見るかは撮影目的によって変わります。
中古レンズでは個体状態も確認します。同じ型番でもカビ、曇り、偏芯、AF精度、落下歴などによって本来の性能を発揮できない個体があります。比較サイトで非常に高い解像力が確認できても、購入した個体が同じ状態とは限りません。
購入後は、自分のカメラで実際に撮影して確認します。遠景の建物、木の枝、細かな文字などを中央と四隅へ配置し、開放からF8程度まで撮影すると、手元の個体の傾向を確認できます。三脚を使い、ISO感度とピント位置をそろえると比較しやすくなります。
比較サイトは購入前の候補を絞るための非常に便利な道具です。最終的には、自分が撮る被写体、自分が使うカメラ、自分が許容できる重量や価格まで含めて選ぶことで、測定値と実際の撮影を結び付けられます。
まとめ
レンズの解像度を比較したい場合は、一つの総合点や最高値だけを見るのではなく、同じ条件で中央、周辺、絞り値、焦点距離を比較することが重要です。同じレンズでも使用するカメラや測定方法によって数値が変わるため、異なるサイトの数字を直接横並びにして順位を付ける使い方には向きません。
The-Digital-Pictureはテストチャートの実写を大きく表示し、レンズや絞り値を切り替えながら自分の目で解像感を比較する用途に向いています。中央から四隅まで確認できるため、「数値ではなく実際にどう見えるか」を知りたい場合に使いやすいサイトです。
OpticalLimitsはMTF測定による数値とグラフから、絞り値による解像力の変化を確認できます。中央、周辺、四隅の傾向を見ることで、開放ではどこが弱く、どこまで絞ると画面全体が整うのかを把握できます。
LensTipもMTF50による測定結果を掲載しており、同じ測定環境でテストされたレンズ同士なら数値を比較できます。使用カメラを確認し、中央と周辺、開放から絞り込んだ状態までグラフを追うことが大切です。
Canonレンズではメーカー公式のMTF特性図も利用できます。10本/mmは主にコントラスト、30本/mmは細部の再現を見る目安となり、中央から周辺へ曲線がどのように変化するかを確認できます。公式MTF、第三者サイトの測定、実写チャートを組み合わせると、一つの資料だけを見る場合よりレンズの性格を把握しやすくなります。
最終的なレンズ選びでは、解像力に加えて色収差、逆光性能、ボケ、AF、手ブレ補正、重量、最短撮影距離、価格まで考えます。比較サイトはレンズを数字だけで順位付けするための場所ではなく、自分が使う撮影条件で必要な性能を持っているか確認するための道具として使うことが大切です。

