EOS-1Ds Mark IIIは今でも使える?画質・AF・EFレンズ・中古購入の注意点を解説
EOS-1Ds Mark IIIは、キヤノンのプロ向けフルサイズデジタル一眼レフです。有効約2110万画素の35mmフルサイズCMOSセンサー、デュアルDIGIC III、最高約5コマ/秒の連写、45点AF、視野率約100%の光学ファインダー、CFカードとSDカードのデュアルスロットなどを備えています。
発売当時は高画素と堅牢性を重視したフラッグシップとして位置付けられ、スタジオ、広告、人物、商品、風景など、一枚の画像から多くの情報を得たい撮影で使われました。現在のミラーレスと比べると、AF、高感度、連写、液晶、動画などには大きな世代差があります。それでも、低感度での細かな描写、EFレンズを直接使えること、光学ファインダーを見ながら撮る感覚、縦位置グリップ一体型の大型ボディには独自の魅力があります。
中古価格が下がったことで、かつてのプロ向け1シリーズを手にしやすくなったことも見逃せません。ただし、発売から長い時間が経過しているカメラなので、当時の高級機という肩書だけで選ぶのは危険です。画質、AF、ライブビュー、記録メディア、バッテリー、メーカー修理対応、中古個体の状態まで含めて理解しておく必要があります。
- EOS-1Ds Mark IIIはどんなカメラなのか
- EOS-1Ds Mark IIIの画質
- EFレンズとの組み合わせ
- デュアルDIGIC IIIと連写性能
- 45点AFの使い方
- 光学ファインダーの魅力
- ライブビューの特徴と制約
- CFカードとSDカードのデュアルスロット
- 大型ボディと操作性
- EOS-1Ds Mark IIIが得意な撮影
- EOS-1Ds Mark IIIが苦手な撮影
- 中古でEOS-1Ds Mark IIIを買うときの確認点
- EOS-1Ds Mark IIとの違い
- EOS 5D Mark IIとの違い
- EOS Rシリーズとの違い
- EOS-1Ds Mark IIIを今使う魅力
- EOS-1Ds Mark IIIは一枚を作る楽しさが残るフルサイズ一眼レフ
EOS-1Ds Mark IIIはどんなカメラなのか
高画素を重視した1Dsシリーズの最終モデル
EOS-1Dsシリーズは、キヤノンのプロ向けデジタル一眼レフの中でも、フルサイズと高画素を重視して展開されたシリーズです。高速連写を重視する1D系とは性格が異なり、1Ds系では一枚あたりの解像力や情報量が重視されました。EOS-1Ds Mark IIIでは有効約2110万画素まで高画素化され、大判プリントや商品撮影、広告、人物、風景などで細部を残すことを狙った設計になっています。
後継世代ではプロ向けラインが再編されたため、EOS-1Ds Mark IIIは1Dsの名称を持つ最後のモデルになりました。現在、中古で見ると単なる古い一眼レフに見えるかもしれませんが、当時のキヤノンが高画素フラッグシップに求めた機能が集約されています。キヤノンの歴代カメラの位置付けは、キヤノン大全から確認できます。
約2110万画素の35mmフルサイズCMOSセンサー
EOS-1Ds Mark IIIの撮像素子は35mmフルサイズCMOSセンサーで、有効画素数は約2110万画素です。最大記録サイズは5616×3744ピクセルとなり、現在でもWeb掲載、一般的なプリント、写真作品などには十分な画像サイズを確保できます。
現在の高画素機には4000万画素や5000万画素を超えるモデルもありますが、必要な画素数は用途によって変わります。撮影時に構図を決め、大幅なトリミングを前提としないのであれば、約2110万画素でも実用上不足しにくい場面は多くあります。フルサイズなのでEFレンズを表記焦点距離どおりの画角で使えることも大きな特徴です。EFシステム全体については、Canon EFレンズの特徴とメリットで詳しく解説しています。
EOS-1Ds Mark IIIの画質
低感度では現在でも細部をしっかり記録できる
EOS-1Ds Mark IIIの画質を評価するときに重要なのが、低ISOで撮影した画像です。十分な光量を確保し、ピントとブレを適切に管理すると、約2110万画素の情報量をしっかり引き出せます。人物の髪や衣服、建築物の細部、植物の葉、商品の表面など、細かな質感まで記録できます。
現在のカメラでは画像処理による輪郭強調やノイズ処理が進化しているため、JPEGをそのまま比較すると新しい機種の方が鮮明に見える場合があります。EOS-1Ds Mark IIIはRAWで撮影し、シャープネスや階調を調整することで、センサーが持つ情報を引き出しやすくなります。高画素とレンズ解像力の関係については、カメラとレンズの解像度についての解説も参考になります。
高感度よりISO100を中心に使いたい
標準ISO感度はISO100~1600で、拡張設定も用意されています。現在のフルサイズ機ではさらに高いISO感度を実用的に使える機種が増えていますが、EOS-1Ds Mark IIIは高感度を積極的に使うタイプのカメラではありません。
日中の屋外、照明を用意できる室内、スタジオ、三脚を使った風景や商品撮影なら、ISO100を中心に使用できます。この条件では高感度ノイズを気にする必要が少なくなり、EOS-1Ds Mark IIIの細かな描写や階調を活かしやすくなります。反対に、暗い場所で速いシャッタースピードを維持するためISO感度を大きく上げる撮影では、新しいカメラとの差が現れやすくなります。ISO感度とノイズについては、カメラのノイズが発生する原因と対策で詳しく解説しています。
JPEGよりRAWで使う楽しさが大きい
EOS-1Ds Mark IIIを現在使うなら、RAW撮影との相性は非常に重要です。JPEGではカメラ内の画像処理によって仕上げられますが、RAWなら露出、ホワイトバランス、シャープネス、ハイライト、シャドウなどを撮影後に調整できます。
古いデジタル一眼レフの画像は、最新機のJPEGと比較すると初期状態では穏やかに見えることがあります。しかし、これは細部が記録されていないことと同じではありません。RAWデータを現像すると、ピントが合った部分の細かな情報を引き出せるため、撮影時の露出とレンズ性能が重要になります。RAWとJPEGの違いを理解して使うことで、EOS-1Ds Mark IIIの画質を活かしやすくなります。関連する基本事項は、キヤノン大全から写真撮影の記事をたどれます。
EFレンズとの組み合わせ
EFレンズをアダプターなしで直接装着できる
EOS-1Ds Mark IIIはEFマウントのフルサイズ一眼レフなので、フルサイズ対応EFレンズをそのまま装着できます。EOS RシリーズでEFレンズを使用するときのようなマウントアダプターは必要ありません。レンズ本来の全長と重量バランスで使用できるため、EFレンズを複数所有している人には扱いやすい組み合わせです。
24mmは24mm、50mmは50mm、85mmは85mmの画角で使えるため、APS-C機のような画角変化もありません。広角レンズでは広さをそのまま活かせ、中望遠では被写体との距離を取りやすく、EFレンズが設計された本来の使い方ができます。豊富なEFレンズについては、Canon EFレンズの特徴とメリットでまとめています。
大口径単焦点との組み合わせは特に魅力がある
人物撮影ではEF50mm、EF85mm、EF135mmなどの単焦点レンズとの組み合わせが楽しめます。特にF1.2やF1.4、F2クラスの大口径レンズでは、フルサイズらしい被写界深度の浅さと大きな背景ボケを得られます。
EOS-1Ds Mark IIIには現在のミラーレスのような瞳認識AFはないため、大口径レンズを開放付近で使う場合にはAFポイントの選択やピント位置を意識する必要があります。その分、撮影者自身が被写体との距離と構図を調整しながら撮る一眼レフらしい操作になります。EFレンズの種類や描写については、Canon EFレンズの特徴と画質でも詳しく紹介しています。
高画素センサーは古いレンズの特徴も写し出す
約2110万画素のフルサイズセンサーを使用すると、レンズの性能差も写真へ現れます。古いEFレンズでは画面周辺の解像低下、色収差、周辺光量低下、逆光時のフレアやゴーストなどが目立つ場合があります。
一方で、すべての撮影で画面全体の均一な解像が必要なわけではありません。人物撮影では中心部の描写と背景ボケが重要になる場合があり、古いEFレンズの柔らかな描写を楽しめることもあります。EOS-1Ds Mark IIIは、レンズの違いを見ながら撮影するカメラとしても楽しめます。EFレンズを幅広く見る場合は、Canon EFレンズの特徴とメリットが参考になります。
デュアルDIGIC IIIと連写性能
2基の画像処理エンジンで約2110万画素を処理する
EOS-1Ds Mark IIIはDIGIC IIIを2基搭載しています。高画素の画像データを連続して処理するための構成で、RAWは14bit記録に対応しています。現在の画像処理エンジンと単純に速度を比較する機種ではありませんが、当時の高画素プロ機として大量の画像データを処理するためにデュアルプロセッサーが採用されています。
色や階調の情報を残すRAW撮影と組み合わせれば、撮影後の現像にも余裕があります。商品、人物、風景など、連写速度より一枚の画質を重視する用途に適した設計です。キヤノン一眼レフの各シリーズを比較する場合は、キヤノン大全から歴代モデルを確認できます。
最高約5コマ/秒は高速連写機とは性格が違う
連写速度は最高約5コマ/秒です。現在のミラーレスではさらに高速な連写が可能ですが、EOS-1Ds Mark IIIは連写速度を最優先したカメラではありません。フルサイズ約2110万画素のデータを安定して記録しながら、必要な場面では連続撮影もできるという性格です。
人物の表情変化、ポーズの変化、ゆっくり動く被写体などでは十分利用できます。一方、野鳥の飛翔や高速スポーツを大量に連写して、その中から決定的な一枚を探す撮影では現在の高速連写機が有利です。EOS-1Ds Mark IIIは、高画素プロ機に連写機能も備わっていると考えると性格を理解しやすくなります。連写性能だけでなくAFとの組み合わせを見る場合は、カメラの測距点とAFポイントの基礎知識も参考になります。
45点AFの使い方
45点AFを備えたプロ向け一眼レフ
EOS-1Ds Mark IIIのAFシステムは45点で構成されています。このうち19点がクロス測距に対応し、周辺にはアシスト測距点が配置されています。ワンショットAFとAIサーボAFを使い分けることで、静止した被写体と動く被写体の両方に対応できます。
現在のミラーレスのように、画面の広い範囲から人物や動物を自動で検出して瞳を追い続けるAFではありません。撮影者がAFポイントを選び、被写体をその位置へ合わせることが基本になります。一眼レフの測距点の考え方については、カメラの測距点とは?で詳しく解説しています。
大口径レンズではピント精度を確認したい
F1.2やF1.4などの大口径レンズを近距離で使用すると、被写界深度が非常に浅くなります。そのため、わずかな前ピンや後ピンでも写真を見るとピント位置の違いが分かります。一眼レフはファインダー撮影用AFセンサーと実際に撮影するCMOSセンサーが別の位置にあるため、中古ボディと古いレンズを組み合わせる場合には実写確認が重要です。
EOS-1Ds Mark IIIにはAF微調整機能があり、必要に応じてレンズとの組み合わせを調整できます。中古購入後は中央だけでなく複数のAFポイントで同じ被写体を撮り、極端なズレがないか確認しておくと安心です。測距点とピント合わせの関係については、AFポイントの基礎知識で確認できます。
光学ファインダーの魅力
視野率約100%で画面端まで確認できる
EOS-1Ds Mark IIIは視野率約100%の光学ファインダーを備えています。ファインダー内で見えている範囲と実際に撮影される範囲の差が小さいため、画面の端まで確認しながら構図を決められます。
入門クラスの一眼レフではファインダーで見えなかった範囲が実際の画像へ少し写り込むことがありますが、プロ機では撮影前に完成画面を正確に把握することが重要です。商品、建築、風景、スタジオ人物撮影など、構図を細かく作る撮影では視野率約100%が役立ちます。キヤノンのプロ向け一眼レフの位置付けは、キヤノン大全から確認できます。
EVFとは違う光学像を見ながら撮影する
光学ファインダーはレンズから入った光をミラーとプリズムを通して直接見る仕組みです。EVFのように露出やホワイトバランスを撮影前にシミュレーションすることはできませんが、表示遅延がなく、電子表示の解像度にも左右されません。
明るさを見て露出を決め、撮影後に背面液晶で画像を確認する操作は、現在のミラーレスとはかなり異なります。光学ファインダーをのぞいて被写体を見ること自体が、EOS-1Ds Mark IIIを使う大きな特徴です。EOS-1Ds Mark IIにも同じ1Dsシリーズらしい撮影感覚があり、EOS-1Ds Mark IIが今も支持される理由で詳しく紹介しています。
ライブビューの特徴と制約
拡大表示を使ったマニュアルフォーカスに向いている
EOS-1Ds Mark IIIにはライブビュー機能が搭載されています。背面液晶に撮像センサーからの映像を表示し、構図を確認できます。拡大表示を利用できるため、三脚へ固定した状態で細かなピントを確認する用途では便利です。
現在のミラーレスのライブビューとは操作感が大きく異なり、画面を見ながら被写体認識AFを使うカメラではありません。商品、複写、建築、風景など、動かない被写体に対してマニュアルフォーカスでピントを追い込む使い方が中心になります。ファインダー撮影とは異なる確認方法として使う機能です。歴代キヤノン一眼レフの機能差については、キヤノン大全から各機種を確認できます。
固定式液晶なので撮影姿勢には制限がある
背面液晶は固定式です。バリアングルやチルト機構はないため、地面近くから撮るローアングルや、カメラを高く上げて撮るハイアングルでは現在のカメラほど自由に画面を確認できません。
三脚上で通常の高さに固定し、背面から液晶を見る商品撮影や風景撮影では使いやすい一方、自由な撮影姿勢を求める場合には不便があります。EOS-1Ds Mark IIIのライブビューは万能な撮影手段ではなく、精密な構図とマニュアルフォーカスを確認するための補助機能として見ると分かりやすくなります。EOS-1Dsシリーズの世代差は、EOS-1Ds Mark IIの記事と比較すると理解しやすくなります。
CFカードとSDカードのデュアルスロット
2種類の記録メディアを同時に使える
EOS-1Ds Mark IIIはCFカードとSDカードのデュアルスロットを搭載しています。2枚のカードを使えるため、撮影データの保存方法を柔軟に設定できます。RAWとJPEGを分けて保存したり、一方のカードがいっぱいになった後にもう一方へ切り替えたり、同じ画像を両方へ記録したりできます。
現在のカメラでもデュアルスロットは上位機で重視される機能です。撮影したデータを失いにくくすることは、プロの現場では特に重要です。EOS-1Ds Mark IIIにも、撮影データを確実に残すことを重視した1シリーズらしい設計が見られます。プロ向けEOSの系譜は、キヤノン大全で確認できます。
中古ではCFスロットの状態も確認したい
CFカードは端子部分に多数のピンを使用するため、中古カメラではカードスロット内部の状態も確認したい部分です。カードが正しく挿入できるか、撮影後にエラーが発生しないか、RAW連写を行っても書き込みが正常に終わるかを確認します。
SDカード側も含め、両方のスロットで撮影、再生、消去を試しておけば、購入後に記録できないという問題を避けやすくなります。ボディの外観がきれいでも、業務で繰り返しカード交換された個体ではスロットが消耗している可能性があります。中古のEOS-1Ds Mark IIでも記録メディアの確認は重要で、EOS-1Ds Mark IIの記事でも古いプロ機を使う際のポイントを紹介しています。
大型ボディと操作性
本体だけで約1210gの重量級ボディ
EOS-1Ds Mark IIIの本体質量は約1210gです。バッテリーや記録カード、レンズを装着するとシステム全体はさらに重くなります。現在の小型フルサイズミラーレスと比べると明らかに大型で、軽快に持ち歩くことを目的としたカメラではありません。
一方、大口径単焦点やF2.8望遠ズームなど重量のあるEFレンズを装着すると、ボディ側にも重量があるため前側だけが極端に重くなりにくいという特徴があります。撮影現場で大型レンズを使うことを想定した1シリーズらしいバランスです。EFレンズのラインナップについては、Canon EFレンズの特徴とメリットで確認できます。
縦位置グリップ一体型は人物撮影で使いやすい
ボディは縦位置グリップ一体型で、横位置だけでなく縦位置でも主要操作を行いやすく設計されています。人物撮影では縦構図を頻繁に使うため、カメラを縦に構えたときも自然な位置でシャッターを切れることは大きな利点です。
後付けグリップと違い、ボディ全体が最初から一体構造として作られています。大きさと重量は増えますが、長時間の人物撮影やスタジオ撮影では操作系が変わらず、横位置と縦位置を素早く切り替えられます。フルサイズ1Dsシリーズの操作感については、EOS-1Ds Mark IIの記事も比較材料になります。
シャッター耐久を重視したプロ機
EOS-1Ds Mark IIIは大量の撮影を行うプロ用途を想定し、シャッターユニットは30万回クラスの作動耐久を前提に設計されています。外装にも堅牢性を重視した構造が採用され、入門クラスの一眼レフとは使われ方そのものが違います。
ただし、中古で購入する場合に「30万回だから安心」と考えることはできません。実際のシャッター回数、保管状態、使用環境、各部の摩耗によって個体状態は異なります。堅牢なカメラほど業務で酷使されていた可能性もあるため、耐久性能と中古個体の状態は分けて考える必要があります。1Dsシリーズの旧モデルについては、EOS-1Ds Mark IIが今も支持される理由も参考になります。
EOS-1Ds Mark IIIが得意な撮影
スタジオや商品撮影では低感度画質を活かしやすい
スタジオ撮影では照明を自由に調整できるため、EOS-1Ds Mark IIIをISO100付近で使いやすくなります。三脚を使用すれば大型ボディの重量も負担になりにくく、被写体が動かない商品撮影ではライブビューの拡大表示とマニュアルフォーカスも利用できます。
商品撮影では一枚ごとに構図、ピント、露出を確認するため、被写体認識AFや超高速連写の必要性も低くなります。EOS-1Ds Mark IIIの高画素フルサイズセンサーが得意とする条件を作りやすい撮影分野です。キヤノン一眼レフとEFレンズの組み合わせを探す場合は、キヤノン大全から関連機種とレンズを確認できます。
ポートレートではフルサイズとEF単焦点を楽しめる
人物撮影では35mmフルサイズの画角と大口径EFレンズを活かせます。50mm、85mm、135mmなどの単焦点を使えば、被写体との距離に応じて背景の見え方とボケ量を変えられます。特に85mm前後の中望遠は、人物との距離を確保しながら背景を整理しやすい焦点距離です。
縦位置グリップ一体型ボディなので、人物を縦構図で撮る操作にも向いています。瞳認識AFに任せる撮影ではなく、AFポイントを選び、撮影者がピント位置を意識しながらシャッターを切る撮影になります。EFレンズの種類と描写の違いについては、Canon EFレンズの特徴と画質で詳しく紹介しています。
風景では三脚と低ISOの組み合わせが使いやすい
風景撮影では被写体が大きく動かないため、EOS-1Ds Mark IIIの弱点になりやすい連写速度や被写体認識AFの差が目立ちにくくなります。三脚を使い、ISO100付近で撮影し、必要に応じてライブビューでピントを拡大確認すれば、約2110万画素の解像力を活かせます。
フルサイズなのでEF16-35mmなどの広角レンズを本来の画角で使えることも風景撮影では大きな利点です。大幅なトリミングを前提とせず、撮影時に視野率約100%のファインダーで構図を整える使い方に向いています。EFレンズを焦点距離や用途から選ぶ場合は、Canon EFレンズの特徴とメリットから確認できます。
EOS-1Ds Mark IIIが苦手な撮影
暗所で高ISOを多用する撮影
暗い室内、夜間のイベント、照明の少ないライブ会場など、速いシャッタースピードを確保するため高ISOが必要になる撮影では世代差が出やすくなります。新しいフルサイズ機は高ISOでノイズを抑えながら撮影できるため、同じ照明条件では現在の機種が有利です。
EOS-1Ds Mark IIIで暗所を撮る場合は、明るいEFレンズを使用したり、被写体が静止しているなら三脚を使用したりして、ISO感度を抑える工夫が必要です。高感度性能を最優先する用途には向きません。ノイズとISO感度の関係は、カメラのノイズが発生する原因と対策で詳しく解説しています。
野鳥の飛翔や高速スポーツでは新しい機種が有利
45点AFと最高約5コマ/秒でも動体を撮ることはできます。しかし、現在のミラーレスには高速連写、広範囲AF、被写体認識、鳥の瞳検出などを備えた機種があります。被写体が不規則に動く野鳥の飛翔や高速スポーツでは、撮影成功率に大きな差が出ます。
EOS-1Ds Mark IIIで動体を撮る場合は、被写体の動きを予測し、AFポイントの位置へ被写体を入れながらAIサーボAFで追う必要があります。それ自体を撮影技術として楽しめますが、動体撮影の効率を最優先するカメラではありません。AFポイントの仕組みについては、カメラの測距点とAFポイントの基礎知識で確認できます。
動画を撮りたい場合には用途が合わない
EOS-1Ds Mark IIIは静止画撮影を中心に作られたカメラで、動画撮影機能はありません。写真と動画を1台で撮りたい場合や、ライブ配信、Vlogなどにも使いたい場合には別のカメラが必要になります。
動画機能を持たないことは弱点ですが、静止画だけを撮る人にはメニューや操作の目的が明確です。光学ファインダーを見て写真を撮ることに集中したい人には、余計な動画機能を意識せず使えるカメラでもあります。キヤノンの一眼レフと現在のEOS Rシリーズを見比べる場合は、キヤノン大全で各モデルを確認できます。
中古でEOS-1Ds Mark IIIを買うときの確認点
メーカー修理対応が終了していることを前提にする
EOS-1Ds Mark IIIはメーカーによる修理対応期間を終えています。中古購入後に故障した場合、メーカーへ持ち込めば必ず直せるカメラではありません。そのため、購入時点の個体状態が非常に重要になります。
シャッター、ミラー、AF、液晶、カードスロット、端子、ボタン、ダイヤルなど、基本動作をできるだけ確認してから選びたいところです。価格が安くても、動作に不安がある個体を購入すると、その後使用できなくなる可能性があります。旧世代の1Dsを中古で使う際の考え方は、EOS-1Ds Mark IIが今も支持される理由でも紹介しています。
シャッター回数だけで個体を決めない
中古のプロ機ではシャッター回数が気になりますが、回数だけを見て状態を判断することはできません。シャッター回数が少なくても、長期間保管されていた個体や湿気の多い場所で使われた個体では別の問題が出る場合があります。
反対に、撮影枚数が多くても定期的に使用され、丁寧に管理されてきた個体もあります。外装の傷、グリップの状態、ダイヤル、ボタン、ミラー、AF、カードスロット、液晶表示などを総合的に確認することが重要です。中古プロ機の状態を比較する材料として、EOS-1Ds Mark IIの記事も参考になります。
AFは複数の測距点で実写確認する
中古購入後は、中央AFだけでなく複数のAFポイントを使って同じ被写体を撮影し、ピント位置に大きな偏りがないか確認したいところです。特に大口径単焦点を開放付近で使うと、わずかなピント差も分かりやすくなります。
レンズ側に問題がある場合もあるため、可能であれば複数のEFレンズで確認します。AF微調整で対応できる範囲なのか、ボディ側に大きなズレがあるのかを切り分けることができます。測距点の性格については、カメラの測距点とは?で詳しく解説しています。
バッテリーと充電器も中古価格に含めて考える
古いプロ用デジタル一眼レフでは、ボディだけでなくバッテリーと充電器の状態も重要です。付属バッテリーが長期間使われている場合、満充電しても撮影可能枚数が大幅に減っていることがあります。
購入時にはバッテリーが正常に充電できるか、充電器が付属しているか、実際にどの程度使えるかを確認します。ボディ価格だけを見て安く感じても、周辺機器を追加すると総額が上がる場合があります。EOS-1Ds Mark IIなど同じく古いプロ機を選ぶ際の注意点は、EOS-1Ds Mark IIの記事にも共通する部分があります。
EOS-1Ds Mark IIとの違い
画素数とライブビューが大きな違い
前モデルのEOS-1Ds Mark IIは有効約1670万画素ですが、EOS-1Ds Mark IIIでは約2110万画素へ増えています。画像サイズが大きくなったことで、商品、風景、大判プリントなど細部を重視する用途では余裕が増えました。
さらにEOS-1Ds Mark IIIではライブビューが加わり、三脚撮影で背面液晶を見ながら構図を確認し、拡大表示を使ってマニュアルフォーカスを追い込めます。光学ファインダー中心という1Dsシリーズの基本は共通していますが、撮影方法の選択肢は広がっています。前モデルの特徴は、EOS-1Ds Mark IIが今も支持される理由で詳しく解説しています。
EOS 5D Mark IIとの違い
画素数が近くてもボディの目的が異なる
EOS 5D Mark IIも約2110万画素のフルサイズセンサーを搭載しているため、画素数だけを見るとEOS-1Ds Mark IIIと近い存在です。しかし、両機の性格はかなり異なります。
EOS-1Ds Mark IIIは縦位置グリップ一体型のプロ向け1シリーズで、45点AF、視野率約100%のファインダー、CFとSDのデュアルスロット、大型で堅牢なボディを備えています。EOS 5D Mark IIは1Ds Mark IIIより小型軽量で、持ち運びやすさにも優れます。さらに動画撮影にも対応しており、用途の幅が異なります。EOS 5D Mark IIの特徴については、EOS 5D Mark IIを今あえて使う理由で詳しく紹介しています。
持ち歩くなら5D Mark II、1シリーズの操作感なら1Ds Mark III
街歩きや旅行へ持ち出す場合、EOS-1Ds Mark IIIの約1210gという本体重量は大きな負担になります。EOS 5D Mark IIの方が小型軽量で、レンズを含めたシステム全体を軽くできます。
一方、縦位置撮影、大型EFレンズとの組み合わせ、視野率約100%のファインダー、デュアルスロットなどを重視する場合にはEOS-1Ds Mark IIIの1シリーズらしい構成が生きてきます。両機は画素数が近くても、撮影スタイルによって選ぶ理由が変わります。EOS 5D Mark IIの実用性については、EOS 5D Mark IIを今あえて使う理由で確認できます。
EOS Rシリーズとの違い
AFと連写には大きな世代差がある
EOS Rシリーズでは、画面の広い範囲でAFを使い、人物、動物、鳥、乗り物などを認識して追従できる機種があります。高速連写にも対応し、動体撮影ではEOS-1Ds Mark IIIより簡単に被写体を捉えやすくなっています。
EOS-1Ds Mark IIIでは、撮影者がAFポイントを選び、被写体の動きを予測しながらファインダー内へ収める必要があります。撮影効率を考えれば新しいEOS Rシリーズが有利ですが、光学ファインダーと一眼レフの操作を楽しむことはEOS-1Ds Mark IIIならではです。キヤノンのRシステムとEFシステムを比較する場合は、キヤノン大全から各シリーズを確認できます。
EFレンズを直接使えることはEOS-1Ds Mark IIIの強み
EOS RシリーズでEFレンズを使う場合はマウントアダプターが必要ですが、EOS-1Ds Mark IIIならEFレンズをそのまま装着できます。アダプター分だけ全長が伸びることもなく、一眼レフ時代のバランスで使用できます。
すでにEFレンズを複数所有している場合や、中古EFレンズをいろいろ試したい場合には、EFマウントボディを1台持っておく意味があります。最新RFレンズとは違う価格帯や描写のレンズを幅広く使えることも、EOS-1Ds Mark IIIの楽しみ方の一つです。EFレンズ全体については、Canon EFレンズの特徴とメリットで詳しく解説しています。
EOS-1Ds Mark IIIを今使う魅力
最新性能を競うカメラとは違う楽しさがある
EOS-1Ds Mark IIIは、現在のカメラより高速でも軽量でもありません。AF、高感度、連写、動画、液晶などを機能表だけで比較すれば、新しいカメラの方が優れた項目は多くあります。
それでも、フルサイズセンサー、視野率約100%の光学ファインダー、大型の1シリーズボディ、縦位置グリップ、EFレンズを直接装着できることなど、現在のミラーレスとは違う撮影体験があります。カメラに被写体認識を任せるのではなく、自分でAFポイント、露出、構図を決めて撮影することを楽しめます。旧世代のプロ用フルサイズ一眼レフの魅力は、EOS-1Ds Mark IIの記事でも感じられます。
中古EFレンズを楽しむボディとしても使える
EFマウントには長い期間にわたって非常に多くのレンズが登場しました。現在の中古市場では、標準単焦点、中望遠、大口径Lレンズ、望遠ズーム、超望遠など、幅広いレンズを探せます。
EOS-1Ds Mark IIIなら、そうしたEFレンズをアダプターなしで使い、フルサイズ本来の画角で撮影できます。同じ焦点距離でもレンズごとに解像、ボケ、逆光耐性、色収差などが違うため、ボディを固定してレンズの描写を比較する楽しみ方もできます。中古EFレンズを含めた選択肢については、Canon EFレンズの特徴と画質で詳しく紹介しています。
EOS-1Ds Mark IIIは一枚を作る楽しさが残るフルサイズ一眼レフ
EOS-1Ds Mark IIIは、有効約2110万画素の35mmフルサイズCMOSセンサー、デュアルDIGIC III、45点AF、最高約5コマ/秒、視野率約100%の光学ファインダー、CFカードとSDカードのデュアルスロット、縦位置グリップ一体型の大型ボディを備えたプロ向けデジタル一眼レフです。
現在のカメラと比較すれば、高感度性能、被写体認識AF、連写速度、動画、液晶の自由度、軽量性では大きな差があります。万能性を求めるカメラではありません。
一方、低ISOで撮影できる環境では約2110万画素のフルサイズセンサーを活かしやすく、EFレンズを本来の画角で直接使用できます。視野率約100%の光学ファインダーを見ながら構図を決め、自分でAFポイントと露出を選んで撮る操作は、現在のミラーレスとは違った撮影感覚です。
スタジオ、商品、人物、風景など、一枚ずつ構図とピントを確認して撮る用途では今も特徴を活かせます。反対に、暗所、高速スポーツ、野鳥の飛翔、動画などを中心にする場合は新しい機種の方が使いやすくなります。
中古で購入するときには、シャッター回数だけを見るのではなく、AF、ミラー、液晶、CFカードとSDカードのスロット、ボタン、ダイヤル、端子、バッテリー、充電器まで確認することが重要です。メーカー修理対応が終了していることも含め、個体状態を重視する必要があります。
EOS-1Ds Mark IIIは最新カメラの代用品として選ぶ機種ではありません。大型の1シリーズボディを構え、光学ファインダーをのぞき、好きなEFレンズを装着して、一枚ずつ写真を作る。その撮影方法を楽しめることが、このカメラを今使う大きな魅力です。



