カメラ撮影の成功を左右するのは、まさに「フォーカス」です。正確なピント合わせができるかどうかで、作品のクオリティが大きく変わります。この記事では、オートフォーカス(AF)とマニュアルフォーカス(MF)の2つの基本モードを使いこなし、撮影者の視点をより鋭くするためのフォーカス技術に迫ります。それぞれのモードがどのようなシーンで最適なのか、その真髄を一緒に探っていきましょう。
あなたの視点を鋭くするフォーカス術:AFとMFの真髄
カメラのフォーカスモードは、撮影者がその場面に応じて選択することで、理想的な写真を実現するための鍵です。この記事では、あなたの視点を鋭くするためのフォーカス術として、オートフォーカス(AF)とマニュアルフォーカス(MF)の使い方に焦点を当てています。特に、キヤノンの最新モデルであるEOS R1、R5 Mark II、R6 Mark IIのAF技術の進化を含め、その違いと活用方法について詳しく解説します。
フォーカスモードの概要
– フォーカスモードとは何か
– 使用する場面や目的
フォーカスモードとは何か
フォーカスモードとは、カメラが被写体にピントを合わせるための設定です。撮影シーンや目的に応じて、異なるモードを選ぶことで、ピント合わせの方法を変えることができます。主にオートフォーカス(AF)とマニュアルフォーカス(MF)があり、AFではカメラが自動でピントを調整し、MFでは撮影者が手動でピントを合わせます。フォーカスモードを適切に選ぶことで、撮影の精度と効率が向上します。
使用する場面や目的
フォーカスモードの選択は、撮影の場面に応じて異なります。シングルショットAFは、静止している被写体を撮影する際に適しており、風景やポートレート撮影に使用されます。一方、動きのある被写体に対しては、AIサーボAFが効果的です。スポーツや動物撮影など、動く被写体を追従しながらピントを合わせます。また、マニュアルフォーカス(MF)は、精密なピント調整が必要な場合に使われ、特にマクロ撮影や特定のシーンにおいて活躍します。
オートフォーカス(AF)の種類
– シングルショットAF
– AIサーボAF
– AIフォーカスAF
– 初期のAFシステム導入
– 初期のEOSシリーズとAF進化
– デュアルピクセルCMOS AF
– ディープラーニングによるAFの進化
– EOS R1の新しい「Dual Pixel Intelligent AF」
– EOS R3の「Eye Control AF」
– EOS R5 Mark IIのEye Control AFと改良された追尾機能
– EOS R6 Mark IIの高速かつ正確なAF技術
シングルショットAF
シングルショットAFは、静止している被写体に対してピントを合わせるためのオートフォーカスモードです。シャッターボタンを半押しすると、一度ピントを合わせた後はその位置で固定され、被写体が動かない限りピントは変わりません。風景やポートレート撮影など、動きの少ない被写体に最適です。また、ピントが合った際にカメラが合焦を知らせるので、構図を微調整しながら撮影する場合にも便利です。
AIサーボAF
AIサーボAFは、動く被写体を追従し続けるオートフォーカスモードです。シャッターボタンを半押しすることで、カメラが被写体の動きを追いかけ、ピントを維持します。スポーツや動物撮影など、被写体が絶えず動くシーンで有効です。このモードでは、被写体の動きに合わせて自動でピントを調整するため、シャッターを切る瞬間まで確実にピントを合わせ続けることができます。
AIフォーカスAF
AIフォーカスAFは、シングルショットAFとAIサーボAFを自動で切り替えるオートフォーカスモードです。カメラが被写体の動きを検知し、動いていない場合はシングルショットAF、動いた場合はAIサーボAFに自動で切り替わります。これにより、被写体が突然動き出しても、カメラが自動的に追尾を開始し、ピントを保つことができます。このモードは、被写体の動きが予測できないシーンで特に有効です。
初期のAFシステム導入
キヤノンが最初にAFシステムを導入したのは、1981年のFD 35-70mm F4 AFレンズから始まりました。この初期のシステムは、カメラ本体ではなくレンズ側にオートフォーカス機能を搭載しており、シンプルな構造でした。その後、1987年に登場したEOS 650とともに、EFマウントのレンズシステムが導入され、カメラ本体にAFモーターを内蔵することで、より高速かつ正確なオートフォーカスが可能になりました。この技術革新が、キヤノンのAF技術の基盤を築きました。
初期のEOSシリーズとAF進化
初期のEOSシリーズでは、1987年に登場したEOS 650が画期的な役割を果たしました。このカメラは、EFマウントと一体化したAFシステムを採用し、レンズ内にAFモーターを搭載することで、従来のマニュアルフォーカスから大幅な進化を遂げました。このシステムは、より速く正確なピント合わせを可能にし、プロフェッショナルからアマチュアまで幅広い層に支持されました。その後のモデルでは、AF速度や精度がさらに向上し、多様なシーンでの使用が可能になりました。
デュアルピクセルCMOS AF
デュアルピクセルCMOS AFは、2013年にキヤノンが開発した革新的なオートフォーカス技術で、各ピクセルが2つのフォトダイオードを持つセンサー構造を使用しています。これにより、位相差検出方式による高速で正確なオートフォーカスが可能となり、特に動画撮影やライブビューでのピント合わせに優れています。この技術は、動く被写体に対しても滑らかにフォーカスを追従し、シャープで正確な映像を撮影するのに役立ちます。
ディープラーニングによるAFの進化
ディープラーニングによるAFの進化は、キヤノンの最新モデルで大きな役割を果たしています。この技術は、カメラが膨大なデータを学習し、被写体の特徴をリアルタイムで認識・追尾する能力を向上させます。特に人物の顔や目、動物、乗り物などを自動的に検出し、高精度で追尾し続けることが可能です。この深層学習に基づいたAFシステムは、特にスポーツや動物撮影で非常に効果的です。
EOS R1の新しい「Dual Pixel Intelligent AF
EOS R1に搭載された新しい「Dual Pixel Intelligent AF」は、ディープラーニングを活用した次世代のオートフォーカスシステムです。この技術は、被写体の動きや特徴を高精度で追尾し、顔や体、目の検出能力がさらに強化されています。スポーツや野生動物の撮影など、速い動きのあるシーンでも正確なフォーカスを維持できるよう設計されています。特に人物や乗り物などの認識力が向上しており、高速連写にも対応しています。
EOS R3の「Eye Control AF」
EOS R3に搭載された「Eye Control AF」は、撮影者の視線を追跡し、視線を向けたポイントにフォーカスを合わせる技術です。これにより、被写体に対して瞬時にピントを合わせることができ、特にスポーツや動物撮影のような動きの速いシーンで直感的かつ迅速に反応します。この技術は、視線だけでピント合わせを可能にする革新的な機能で、EOS R3の操作性を大幅に向上させています。

EOS R5 Mark IIのEye Control AFと改良された追尾機能
EOS R5 Mark IIのEye Control AFは、カメラを使っている撮影者の目の動きでピントを合わせたいポイントを選択できる技術です。これにより、より直感的にフォーカス操作が可能になります。また、被写体追尾機能も改良されており、動く被写体を正確に追尾し続ける能力が強化されています。特に、人物の顔や目、動物などを高速かつ正確に検出し、撮影中に確実にフォーカスを維持することが可能です。
EOS R6 Mark IIの高速かつ正確なAF技術
EOS R6 Mark IIの高速かつ正確なAF技術は、特に動体追尾性能が優れており、動きの速い被写体に対しても精度の高いオートフォーカスを実現しています。ディープラーニングを活用した被写体認識により、人物の顔や目、動物、さらには乗り物までも自動的に検出して追尾します。この技術により、スポーツや動物撮影など、予測不可能な動きにも対応し、正確なピント合わせが可能です。
マニュアルフォーカス(MF)
– MFの基本操作
– MFを使用する場面
MFの基本操作
マニュアルフォーカス(MF)の基本操作は、撮影者が自分でレンズのフォーカスリングを回してピントを合わせる方法です。撮影者は被写体を目視で確認し、ファインダーやライブビューでピントが合った瞬間を見極めます。MFは、特に精密なピント調整が求められるシーンや、オートフォーカスでは難しい条件(低照度、複雑な被写体など)で使われます。マクロ撮影や静物撮影など、細かな調整が必要な場面で効果を発揮します。
MFを使用する場面
マニュアルフォーカス(MF)は、特に精密なピント調整が必要な場面で有効です。マクロ撮影では、被写体との距離が非常に近く、わずかなピントのずれも写真に大きな影響を与えるため、手動での微調整が求められます。また、低照度の環境では、オートフォーカスが苦手とする暗いシーンでも正確なピント合わせが可能です。さらに、風景や静物撮影では、じっくり時間をかけて細部にフォーカスを合わせることで、より高い精度の写真を撮影できます。
フォーカスモードの切り替え方
– カメラでの操作方法
– 撮影シーンに応じた切り替えのコツ
カメラでの操作方法
カメラでのマニュアルフォーカス(MF)の操作は、レンズのフォーカスモードスイッチを「MF」に切り替えることから始まります。次に、ファインダーやライブビューを見ながら、レンズのフォーカスリングを手動で回してピントを合わせます。一部のカメラでは、ライブビューに拡大機能があり、ピントをより正確に調整することが可能です。フォーカスピーキング機能がある場合は、ピントが合った部分を視覚的に確認することもできます。
撮影シーンに応じた切り替えのコツ
撮影シーンに応じたフォーカスモードの切り替えは、状況に合わせて最適なモードを選ぶことがポイントです。動かない被写体を撮影する場合はシングルショットAFが有効で、風景やポートレートに適しています。一方、動きのある被写体、例えばスポーツや野生動物には、AIサーボAFを使用して被写体を追尾し続けるのが理想的です。状況に応じて、カメラのフォーカスモードを素早く切り替えることで、より効果的な撮影が可能です。
フォーカスモードと撮影ジャンルの適用
– ポートレート
– 風景
– スポーツ
– マクロ
ポートレート
ポートレート撮影では、モデルの顔や目に正確にフォーカスを合わせることが重要です。オートフォーカス(AF)のシングルショットモードを使用することで、被写体が静止している場合に適したピント合わせが可能です。また、被写体の動きが少ない場合でも、AIフォーカスを選ぶと動き出した瞬間に自動的にAIサーボに切り替わるため、安定したフォーカスを維持できます。背景をぼかしつつ、被写体を引き立たせるために、絞りを開放して撮影することもよくあります。
風景
風景撮影では、広範囲にわたってピントを合わせるために、通常はシングルショットAFやマニュアルフォーカスが使用されます。遠景から近景までシャープに捉えるため、絞りを絞って(高いF値)被写界深度を深くすることが一般的です。また、フォーカスポイントを風景の重要な部分に設定するか、無限遠にピントを合わせることで、全体をシャープに撮影することが可能です。三脚を使用する場合は、MFで細かい調整を行うと効果的です。
スポーツ
スポーツ撮影では、動きの速い被写体にピントを合わせ続ける必要があるため、AIサーボAFが最適です。このモードは、被写体がフレーム内で動いても、常にフォーカスを追従してピントを保つことができます。連写モードと併用することで、シャッターを切る瞬間にも被写体がブレることなく捉えられます。特に顔や目を正確に追尾できる設定にすると、動いている選手や動物をシャープに撮影できます。
マクロ
マクロ撮影では、被写体に非常に近づいて撮影するため、ピント合わせが非常にシビアです。オートフォーカスではピントが合いにくいことが多いため、マニュアルフォーカス(MF)がよく使われます。MFを使うことで、細かなピント調整が可能になり、被写体の特定部分にしっかりとフォーカスを合わせることができます。また、ライブビューを使用してピントを拡大確認すると、より精密なピント合わせが可能になります。
まとめ
フォーカスモードは、撮影者が撮影シーンに合わせて最適なピントを選ぶための重要な設定です。シングルショットAFは静止した被写体に適しており、風景やポートレートに使われます。AIサーボAFは、動く被写体を追従し続けるため、スポーツや動物撮影に最適です。マニュアルフォーカス(MF)は、特に精密なピント調整が必要なマクロ撮影や低照度環境で効果を発揮します。