Canon 85mmレンズ比較|EF・RFの違いと中古で選ぶポイント
キヤノンの85mm単焦点レンズは、EFとRFを合わせると、安価な中古EF85mm F1.8 USMからF1.2の大口径Lレンズまで選択肢が幅広くあります。同じ85mmでも、開放F値、画質、AF、手ブレ補正、最短撮影距離、重量は大きく異なります。EOS RシリーズではEFレンズもマウントアダプターで使用できるため、RFだけを比べても購入判断は完結しません。
特に中古で選ぶ場合、製品の世代とメーカー修理対応期間を確認することが重要です。EF85mm F1.2L II USMはメーカー修理対応の終了予定が2026年10月に設定されています。一方でEF85mm F1.8 USMやEF85mm F1.4L IS USMは、異なる終了予定が公表されています。開放の描写が魅力的でも、購入した個体の状態と使用期間まで考える必要があります。
この記事では、EF4本とRF4本の合計8本を、F1.8・F2、F1.4、F1.2の組み合わせで比較します。一般的な85mmの使い方を繰り返すのではなく、実際にどれを購入するかに重点を置き、アダプター込みの重量、中古での点検項目、修理対応、用途による選び方を整理します。
| レンズ | 開放F値 | 重量 | 最短撮影距離 | 最大撮影倍率 | レンズ内手ブレ補正 |
|---|---|---|---|---|---|
| EF85mm F1.8 USM | F1.8 | 約425g | 0.85m | 0.13倍 | なし |
| EF85mm F1.2L USM(初代) | F1.2 | 約1,025g | 0.95m | 0.11倍 | なし |
| EF85mm F1.2L II USM | F1.2 | 約1,025g | 0.95m | 0.11倍 | なし |
| EF85mm F1.4L IS USM | F1.4 | 約950g | 0.85m | 0.12倍 | あり |
| RF85mm F2 MACRO IS STM | F2 | 約500g | 0.35m | 0.5倍 | あり |
| RF85mm F1.4 L VCM | F1.4 | 約636g | 0.75m | 0.12倍 | なし |
| RF85mm F1.2 L USM | F1.2 | 約1,195g | 0.85m | 0.12倍 | なし |
| RF85mm F1.2 L USM DS | F1.2 | 約1,195g | 0.85m | 0.12倍 | なし |
Canon EF・RF85mmレンズ8本を比較
8本の仕様を横断して比較すると違いが見えてくる
キヤノンの85mm単焦点は、EFマウント4本とRFマウント4本を並べると、単純な新旧比較では整理できないことが分かります。EFには手頃なF1.8、手ブレ補正を備えたF1.4 L、描写に特徴があるF1.2 Lの初代とII型があります。RFには接写できるF2、動画にも対応したF1.4 L VCM、開放画質を重視したF1.2 L、ボケの輪郭をなめらかにするF1.2 L DSがあります。各レンズの開放F値が近くても、使い勝手は必ずしも近くありません。
たとえば85mm F1.8とF2は明るさの差が小さくても、最短撮影距離はEFの0.85mとRFの0.35mで大きく異なります。一方、EF85mm F1.4L IS USMとRF85mm F1.4 L VCMは同じF1.4ですが、前者はレンズ内手ブレ補正、後者は約636gという軽さと動画撮影時のAFに特色があります。光学性能だけを比較しても、買った後の使い道までは判断できません。
中古価格については、同じレンズでも販売店の保証、付属品、光学系、製造時期で差が生じます。購入前には相場の最低額だけを見ず、条件がそろった複数の商品を比べることが必要です。EFレンズをEOS Rシリーズに取り付ける場合にはアダプターの費用と重量も加わります。この記事では、この総費用と実用性を基準に8本を比較します。
関連する詳しい解説はキヤノン85mm単焦点レンズ究極ガイドでも紹介しています。
F値の数字だけで購入すると何を見落とすか
85mmのF1.2、F1.4、F1.8、F2は、明るさの数値だけならF1.2が最も優れています。しかし、F1.2のレンズを買えば常に魅力的な写真になるというわけではありません。人物の顔を斜めから撮ると、片方の目が合焦していても、もう片方の目や耳は被写界深度の外になることがあります。髪や衣服まで明瞭に残したければF2やF2.8へ絞る場面も多く、そうした写真では必ずしも大口径を開放で使い続ける必要はありません。
背景ボケの大きさは、開放F値だけで決まりません。人物から背景までの距離、撮影者と人物の距離、構図に含まれる背景の位置によっても印象が変わります。例えば背景の壁から人物を離して撮ればF2でも十分にぼけます。逆に壁のすぐ前に立った人物では、F1.2でも背景が期待ほど整理されない場合があります。中古で高価なF1.2を選ぶ理由がボケだけなら、F2で実現できる構図も確認したいところです。
重さも長期的な使い心地に関わります。EF85mm F1.8 USMは約425gですが、EF85mm F1.2L II USMは約1,025gです。さらにEOS R用アダプターを加えると約1,135gになります。人物と会話しながら数時間撮影するなら、この約700gの差は無視できません。レンズの性能を比較するときは、カメラへ装着した状態の重さまで含めて考えます。
関連する詳しい解説はCanon EF中望遠単焦点レンズ一覧でも紹介しています。
EOS Rと一眼レフでは有利な選択が変わる
EFマウントの一眼レフを使用する場合、EF85mm F1.8 USMは小型軽量、EF85mm F1.4L IS USMは手ブレ補正とF1.4、EF85mm F1.2L系は開放F1.2の描写が魅力です。RFレンズはEFマウントの一眼レフには直接装着できません。したがって、一眼レフ用に85mmを探す人とEOS Rシリーズ用に探す人では、候補の選び方が最初から変わります。
EOS RシリーズではRFレンズを直接装着できますが、EFレンズもマウントアダプター EF-EOS Rを介して使えます。EF85mm F1.8 USMの中古品が安く手に入るなら、同じ85mmを使うためにRFへ移行する必要はありません。一方、初めてEFレンズを購入する場合には、レンズ本体とアダプターを合計した価格をRF85mm F2 MACRO IS STMと比較する必要があります。
85mmをキヤノンのAPS-Cカメラで使うと、35mm判換算で約136mm相当の画角になります。人物を全身で写すにはフルサイズより長い距離が必要で、狭い部屋では構図を作りにくい場合があります。室内での撮影が中心なら、開放F値や中古価格を比べる前に、85mmの画角が撮影場所に合うことを確認するのが合理的です。
関連する詳しい解説はCanon RF中望遠単焦点レンズの魅力でも紹介しています。
手頃なEF85mm F1.8とRF85mm F2の比較
EF85mm F1.8 USMは価格と軽さが魅力
EF85mm F1.8 USMは1992年発売のEFマウント用中望遠単焦点です。重量約425g、最短撮影距離0.85m、最大撮影倍率0.13倍で、開放F1.8の明るさと比較的軽い本体を両立しています。85mmのレンズとしては持ち歩きやすく、初めて中望遠単焦点を使う人にも用途が明確です。リングUSMによるAFは撮影テンポを保ちやすく、静止した人物から歩く人物まで、使用するカメラのAF性能と組み合わせて撮影できます。
中古でこのレンズを選ぶ理由は、Lレンズほどの費用をかけずに85mmの画角とF1.8のボケを利用できることです。高価なF1.2やF1.4を手に入れても通常F2.8付近まで絞って撮る人なら、軽いF1.8の方が撮影機会を増やしやすいでしょう。F1.8からF2.8へ絞ると画面の印象が変わり、人物の輪郭と背景ボケの釣り合いを取りやすくなります。
弱点はレンズ内手ブレ補正がなく、近接撮影能力も限られることです。花の一部分やアクセサリーを大きく写したい場合、被写体へ近づこうとしても0.85mより内側ではピントが合いません。また、古い設計のため明るい輪郭の周囲に色づきが目立つ場面があります。撮影目的が人物中心なら候補になりますが、小物を近くから撮る用途も多いならRF85mm F2との差が重要になります。
関連する詳しい解説はEF85mm F1.8 USM完全ガイドでも紹介しています。
RF85mm F2 MACRO IS STMは近接性能が違う
RF85mm F2 MACRO IS STMは、85mmのポートレート撮影と最大0.5倍のハーフマクロ撮影を1本でこなせるレンズです。最短撮影距離0.35mという数字は、EF85mm F1.8 USMの0.85mより大幅に短く、撮影できる被写体の種類を増やします。人物を撮影した後、手に持つアクセサリーや衣服の細部、テーブルの小物を大きく写すという使い方では、この違いがはっきり現れます。
重量は約500gで、レンズ内手ブレ補正も搭載しています。手持ちの静物撮影ではシャッタースピードを落とせる場合があり、屋内の料理や花などを撮る際に役立ちます。ただし人物が動いている場面では、手ブレ補正が被写体ブレを止めるわけではありません。表情や動作を写し止めたいなら、十分なシャッタースピードを確保する必要があります。
開放F2はEFのF1.8より約1/3段暗くなりますが、通常のポートレートで大きな背景ボケを得るには十分です。対してRF85mm F1.2 L USMほど背景を溶かす描写を望む場合には差があります。人物だけを撮るか、花や手元のディテールにも使うかが、F1.8とF2の比較で大きな分かれ目になります。小物まで1本で撮る用途ではRFの接写性能に明確な意味があります。
関連する詳しい解説はRF85mm F2 MACRO IS STMのレビューでも紹介しています。
初めての85mmは中古EFと新品RFのどちらか
EOS Rシリーズで初めて85mmを購入する場合、EF85mm F1.8 USMは中古価格、RF85mm F2 MACRO IS STMは直接装着と手ブレ補正、接写性能を比較します。EFレンズは標準アダプター込みで約535gとなるため、RF85mm F2の約500gよりわずかに重くなります。レンズ本体の長さにアダプターの厚さも加わり、カメラから前方への張り出しも変わります。
すでに標準マウントアダプターを所有している場合、EFの購入費用には原則としてアダプター代を追加する必要がありません。複数のEFレンズを使い回す人にとって、中古EF85mm F1.8 USMは費用を抑えやすい選択肢です。逆に85mmのためだけにアダプターを新規購入するなら、本体価格の差をそのまま節約額とは考えられません。
比較時には中古保証の長さとコンディションもそろえます。安い中古EFでもAFの不調や内部のくもりがあれば写真への影響が出るため、正常な動作品かが重要です。RFの中古も同様で、STMの動作と接写時のAFを確認したいところです。85mmを日常的に多用途で使うならRF F2、価格を優先して人物用の中望遠を追加するなら中古EF F1.8という方向で検討できます。
関連する詳しい解説はEF85mm F1.8 USMの作例と描写でも紹介しています。
F1.4比較|EF85mm F1.4L ISとRF85mm F1.4 L VCM
EF85mm F1.4L IS USMはレンズ内手ブレ補正が特徴
EF85mm F1.4L IS USMは、85mmの開放F1.4にレンズ内手ブレ補正を組み合わせたLレンズです。重量約950g、最短撮影距離0.85m、最大撮影倍率0.12倍という仕様で、リングUSMによるAFを採用しています。F1.2よりわずかに暗くなりますが、明るさと実用性を両立する設計であり、EFの85mm大口径レンズとして独自の位置を占めています。
大口径レンズに手ブレ補正が付いている利点は、手持ちで静止した人物や静物を撮影するときに現れます。薄暗い場所でわずかにシャッタースピードを落としても、手ブレを抑えやすくなるためです。ただし、歩く人物や動く子どもを撮る場面では被写体の動きが残ります。こうした場面はF1.4の明るさを利用してシャッタースピードを上げる方が重要です。
中古市場ではRF85mm F1.4 L VCMより安い条件のよいEF85mm F1.4L IS USMを見つけられる可能性があります。EOS Rシリーズではアダプターを含めると約1,060gとなり、軽量とはいえません。重量を受け入れてもEF Lレンズの画質とレンズ内手ブレ補正を利用したい人向けです。EFレンズとしては比較的新しい世代で、通常のメーカー修理対応も継続予定となっています。
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RF85mm F1.4 L VCMは軽さとAFの方向性が異なる
RF85mm F1.4 L VCMは約636gで、EF85mm F1.4L IS USMより約314g軽いレンズです。EOS RでEF側に約110gの標準アダプターを付けた場合には、組み合わせの差が約424gになります。レンズを構え続ける撮影や移動の多い撮影では、この重量差が使い方に影響します。RFの全長は約99.3mmで、マウントアダプターを必要としない点も携帯性に関わります。
AFにはVCMを採用し、静止画と動画の両方を想定しています。絞りリングなどの操作部を備え、対応カメラとの組み合わせでは動画の露出調整にも利用できます。最短撮影距離は0.75mで、EFの0.85mより10cm近づけますが、RF85mm F2 MACRO IS STMほど大きく接写できるレンズではありません。人物を中心に撮るF1.4 Lレンズとして位置づけると違いが分かりやすくなります。
光学設計も新しく、キヤノンはEF85mm F1.4L IS USMより画面全域での画質向上を説明しています。開放から細部までくっきり描きたい写真や、瞳へのAF追従を重視する動画撮影では利点があります。一方、RF85mm F1.4 L VCMはレンズ内手ブレ補正を搭載していないため、ボディ内手ブレ補正のないEOS RではEF85mm F1.4L IS USMの特徴が残ります。
関連する詳しい解説はRF85mm F1.4 L VCMの特徴と使い方でも紹介しています。
F1.4の中古購入では価格差と撮影方法を比べる
EF85mm F1.4L IS USMの中古品とRF85mm F1.4 L VCMを比較するとき、F1.4という数字が同じことだけで購入を決めるのは難しいものです。EFの魅力は中古価格とレンズ内手ブレ補正、RFの魅力は軽量化、近年のAF設計、光学性能、動画での取り回しです。両方をフルサイズEOS Rに付ければ画角は同じ85mmですが、撮影中に感じる重量や操作性は変わります。
例えば室内で静止した人物を撮る場合、レンズ内手ブレ補正があるEFを選ぶ考え方があります。人物が動くステージやイベントなら手ブレ補正だけでは足りず、F1.4でシャッタースピードを確保した上でAFの追従性を重視します。動画でピントを滑らかに移動させたい人は、RF85mm F1.4 L VCMを比較する理由が大きくなります。
費用はレンズ本体だけで比べず、EFを初めて使う場合のアダプター代と、状態のよい中古品を購入するための保証費用を考えます。EFは新品だった頃の定価や発売当初の評価で判断せず、実際に購入できる中古個体の状態と価格で考えることが大切です。RFが高価でも、長時間の撮影で軽さを重視するなら価格差を支払う意味があります。
関連する詳しい解説はRF85mm F1.4 L VCMの特徴と使い方でも紹介しています。
F1.2比較|EFのI型・II型とRFの通常型・DS型
EF85mm F1.2L USMのI型とII型は何が違うか
EF85mm F1.2L USMの初代は1989年発売、II型は2006年発売です。どちらも7群8枚の構成、最短撮影距離0.95m、最大撮影倍率0.11倍、重量約1,025gという共通点を持ちます。そのため、II型を購入すれば重量や接写性能が大きく改善するというわけではありません。初代とII型を区別するうえで重要なのは、AF制御とコーティングの改良、使用期間の長さ、現在の個体状態です。
キヤノンはII型について、AFアルゴリズムやCPUの改良により、従来機種より最大約1.8倍のAF速度を実現したと説明しています。大口径F1.2のフォーカスレンズ群は重く、撮影距離を大きく変える場合にはAFが速い小型レンズのような動作を期待できません。特に人物の表情や構図が次々に変わる撮影では、旧型のAF速度が撮影テンポに影響する場合があります。
初代は製造開始から長期間が経過しており、価格が安くても動作確認が重要です。II型でも中古個体によってAF、絞り、電子接点の状態は異なります。初代固有の味を求める場合を除き、両者の価格差に対してAFの使いやすさと個体状態が見合うかを比較するのが実用的です。描写の違いを過度に断定せず、撮影条件が近い作例と実際の商品状態を合わせて検討します。
関連する詳しい解説はRF85mm F1.2とEF85mm F1.2L IIの比較でも紹介しています。
RF85mm F1.2 L USMの高い開放画質と重量
RF85mm F1.2 L USMは、開放F1.2の大きなボケと高い解像性能を両立する設計です。9群13枚の構成で、BRレンズなどを採用して色収差を抑えることを重視しています。EF85mm F1.2L II USMの柔らかさを好む人がいる一方、RFは瞳や髪の細部を開放から明瞭に描きたいときに特徴が現れます。同じ85mm F1.2でも、レンズを選ぶ理由は必ずしも同じではありません。
重量は約1,195gで、EFのI型・II型より約170g重くなります。ただしEOS RでEFを使う場合は標準アダプター約110gが加わるため、装着状態の差は約60gです。重量だけでEFの方が圧倒的に軽いと考えることはできません。RFの大きな鏡筒やフィルター径82mmに対し、EFのフィルター径は72mmという違いもあります。
RF85mm F1.2 L USMは最短撮影距離0.85m、最大撮影倍率0.12倍です。EF F1.2の0.95mより近づけますが、RF85mm F2ほど小物を大きく撮影することはできません。高価なF1.2を選ぶ場合は、ボケの量だけでなく開放での解像性能をどの程度必要とするか、そして1kgを超えるレンズを持ち出す頻度まで考えると購入後の使い道を判断しやすくなります。
関連する詳しい解説はRF85mm F1.2とEF85mm F1.2L IIの比較でも紹介しています。
RF85mm F1.2 L USM DSのボケと明るさの違い
RF85mm F1.2 L USM DSは、通常型の光学系を基に、DSコーティングによってボケ像の輪郭部分をなめらかにするモデルです。DSはDefocus Smoothingの略で、レンズ周辺部分の光を段階的に減らすことにより、背景の点光源などが硬い輪郭を持つことを抑えます。ボケの形や縁の印象にこだわり、人物を背景から際立たせる写真を狙うときに意味がある仕様です。
重要なのは、DS型がF1.2の数値どおりに通常型と同じ光量を通すわけではないことです。キヤノンは開放時の明るさについて、通常のF1.2より約1と1/3段分暗くなると案内しています。F1.2の浅い被写界深度を使いながらも、暗い場所で同じ露出を得るには感度やシャッタースピードの調整が必要です。明るさを最優先する夜間撮影で、DS型の特性を理解せずに選ぶのは避けたいところです。
DS型と通常型は重量がともに約1,195gで、最短撮影距離も0.85mです。通常型は開放の光量や価格面を比較する基本候補、DS型はボケの輪郭表現を優先して選ぶ候補になります。夜景を背景に人物を撮る場合も、点光源をどのように描きたいかと、被写体へ必要な露出を両立できるかを考えて選びます。中古のDS型でも、通常型と同じ撮影条件での作例を確認すると違いを把握しやすくなります。
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EOS RでEF85mmを使う費用と重量
マウントアダプター込みの重量を比べる
マウントアダプター EF-EOS Rの標準タイプは約110g、厚さ24mmです。EF85mm F1.8 USMへ取り付けるとレンズ側の合計は約535g、EF85mm F1.4L IS USMでは約1,060g、EF85mm F1.2L I型・II型では約1,135gとなります。実際のカメラ全体の重量は、これらにボディとバッテリーの重量を加えて考えます。
RF85mm F2 MACRO IS STMは約500g、RF85mm F1.4 L VCMは約636g、RF85mm F1.2 L系は約1,195gです。EF F1.8とRF F2ではアダプターを含めるとRF F2が約35g軽く、EF F1.4とRF F1.4ではRFが約424g軽くなります。F1.2では差が約60gなので、重量だけを理由にEFかRFかを決める根拠としては小さいと考えられます。
アダプターを取り付けるとレンズが24mm前方へ出るため、収納時の長さも変わります。EF F1.8は本体が比較的小さいものの、EOS Rへの装着状態ではRF F2とは別のバランスになります。レンズの重量だけでなく、グリップから先端までの距離、バッグへの収まり、レンズ交換のしやすさも日常の使い勝手に関係します。
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レンズ代だけで中古EFを安いと判断しない
中古EF85mmをEOS R用に新規購入する場合、支払額はレンズ代とアダプター代の合計です。すでに標準アダプターを持っているなら追加費用はレンズ代だけですが、新規購入ならアダプターの購入費を加えます。標準タイプのキヤノン公式オンラインショップ掲載価格は21,725円からです。中古アダプターを利用すれば条件は変わるため、実際に購入する時点の価格で計算します。
例えば中古EF85mm F1.8 USMがRF85mm F2 MACRO IS STMより安くても、その価格差がアダプター代より小さければ、総支払額では差が縮まります。接写性能や手ブレ補正まで考えると、RFを選ぶ理由が強まる場合があります。逆にEF50mmやEF100mmなど複数のレンズを持っている人なら、アダプターは共通で使えるため、個々のレンズへ毎回全額を割り当てる必要はありません。
価格比較では保証付きの正常動作品同士を並べることが重要です。安いEFの「現状品」と保証付きRFをそのまま比較すると、故障時の負担が異なります。レンズフード、前後キャップ、純正ケースの有無も中古価格に影響します。購入後に必要なものを買い足す場合は、その費用も含めて考えることで実際の支払額に近い比較ができます。
関連する詳しい解説はEF85mm F1.8 USM完全ガイドでも紹介しています。
EOS RのAF性能はEFレンズを新型へ変えるわけではない
EOS Rシリーズは人物や瞳の検出に対応した機種があり、マウントアダプターを介したEFレンズでも、カメラ側のAF機能を利用できる場合があります。人物の目を捉える補助があれば、浅い被写界深度を使うEF85mm F1.2L II USMでも撮影方法の選択肢が増えます。ただしカメラの認識性能とレンズ内のフォーカス駆動速度は別の要素です。
EF85mm F1.2L系のフォーカス群は大きく、近距離から遠距離へ移動させる際に時間がかかることがあります。EOS Rへ装着しただけでRF85mm F1.4 L VCMのように動くわけではありません。歩いて近づく人物、目線を変える子ども、人物動画のような用途では、レンズ本来のAF速度や駆動音を含めて選びます。静止した人物を落ち着いて撮る用途なら、AF速度が最優先とならないこともあります。
標準マウントアダプターには画質を変える光学系がなく、焦点距離や開放F値も変わりません。したがってEF85mm F1.2LはEOS Rでも85mm F1.2として使えます。RFに買い替える理由は単にマウントが新しくなったことだけではなく、開放画質、AF、重量、接写性能、撮影時の操作性をどの程度改善したいかで考えるのが実際的です。
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中古EF・RF85mmレンズの点検と修理対応
EF85mm F1.2L IIは2026年10月が修理対応終了予定
キヤノンが公開している修理対応期間によると、EF85mm F1.2L II USMの終了予定は2026年10月です。EF85mm F1.8 USMは2031年2月、EF85mm F1.4L IS USMは2031年11月と案内されています。メーカーの案内は変更される場合があるため、購入判断に利用するときは対象機種ごとの掲載内容と年月を確認する必要があります。
EF85mm F1.2L II USMは高価な大口径レンズであり、AFや絞りなどの故障が生じた場合の負担が小さくありません。価格が安い中古個体でも修理対応終了が近いことを踏まえると、長く所有するつもりなら、正常に動作しているかをより慎重に確認する意味があります。初代EF85mm F1.2L USMはII型よりさらに古く、同じ感覚でメーカー修理を期待することはできません。
一方、修理期限だけでレンズの描写上の価値を判断することもできません。F1.2の写りを楽しみたい人にとって、状態のよい旧型は現在でも魅力があります。重要なのは、不調が生じた際にどの程度の費用や手間がかかるかを中古価格へ織り込んで考えることです。メーカー修理が続くEF F1.8やF1.4と同じ基準で価格を比較しない方が、購入後の負担を見通しやすくなります。
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中古のAF・絞り・光学系はこの順番で確認する
中古85mmの動作確認では、まずAFが無限遠付近から最短撮影距離付近まで正常に往復するかを見ます。一度ピントが合うだけでは十分とは言えません。近い被写体と遠い被写体を交互に狙い、何度か繰り返して停止や異音が起きないか確認します。特にEF85mm F1.2L系では、合焦までの時間と駆動が停止しないことを区別して見ることが重要です。
続いて絞りを開放からF2.8、F5.6、F8へ変え、撮影画像の明るさが設定どおり変化するかを確かめます。開放でしか試さなければ絞り機構の不調を見落とす場合があります。接点の接触が不安定な商品ではカメラとの通信が途切れることもあるため、撮影を繰り返して異常表示が出ないかも確認します。中古品の説明で「AF確認済み」と書かれていても、絞りや接点まで検査されているとは限りません。
光学系は前玉と後玉の傷だけでなく、内部のカビ、くもり、コーティングの状態を確認します。少量のチリが直ちに画質へ影響するとは限りませんが、強いくもりは逆光のコントラストへ影響する可能性があります。F1.2クラスではピント面が浅いので、片側だけ極端に甘く写らないかを確認できると個体状態の判断材料になります。RF F2の場合は近接AFと手ブレ補正の動作も確認します。
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価格と状態は販売条件をそろえて比較する
中古市場で85mmを比較すると、同じ型番でも価格に幅があります。これは単なる店ごとの値付けだけでなく、外観の使用感、レンズ内の状態、動作確認の範囲、付属品、保証期間などが違うためです。とりわけLレンズでは修理費用が購入価格の一部に匹敵することもあり、見た目の安さだけで選ぶと支払額を比較した意味が薄れます。
本体とケース、フード、キャップの状態が良好でも、フォーカスリングや操作スイッチの動作が不安定なら評価は変わります。EF85mm F1.2L系のような古い大口径レンズでは、製造年だけでなく、現時点の光学系と駆動部分の状態を重視したいところです。RF85mm F1.4 L VCMの中古なら、VCMのAFだけでなく操作リングの反応も購入条件に含められます。
実際に比較する際には、①保証付きの正常動作品、②保証のない正常動作品、③不具合を含む現状品を別々に考えると価格差の理由が分かります。購入価格が高い商品の方が結果として長く使える場合もあれば、軽微な外観傷のある正常動作品が割安な場合もあります。中古価格を固定値で扱わず、調べた時点の流通品を個体ごとに判断する方が適しています。
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購入目的から選ぶ85mmレンズの結論
費用を抑えて人物撮影を始めるならEF85mm F1.8
85mmの画角と明るい単焦点の表現を少ない費用で試したい場合、EF85mm F1.8 USMは有力な候補です。F1.2に比べれば被写界深度は深くなりますが、人物と背景の距離を取ればF1.8でも十分に背景をぼかせます。重量約425gで持ち出しやすく、価格を抑えた分を人物撮影の機会や他の焦点距離のレンズへ振り向けることもできます。
中古で選ぶ際の注意点は、古い製品なのでAFと光学系の確認が必要なこと、レンズ内手ブレ補正がないこと、近接撮影に向かないことです。EOS Rを使用する場合は、すでにアダプターを持っているかでも購入費用が変わります。人物を撮りたいという目的に対して、小型軽量で明るい85mmが必要なら検討する意味があります。
同じ85mmでも、人物と小物を1本で撮りたい場合はRF85mm F2 MACRO IS STMを比較します。F2で人物撮影ができ、0.5倍の接写まで対応するため、用途が広がるからです。どちらが適するかは「Lレンズかどうか」「発売時期が新しいか」より、撮影する被写体と支払える価格を中心に考えます。
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F1.4を長く使うならEFのISかRFの軽量化か
F1.4を中心に使いたい場合、EF85mm F1.4L IS USMとRF85mm F1.4 L VCMは異なる魅力があります。EFはレンズ内手ブレ補正を備え、中古価格が条件に合えば大口径Lレンズを購入する方法になります。RFは約636gの軽さとVCMを活用しやすく、撮影時間が長い場合や人物動画を撮る場合に特徴があります。
例えばポートレートの撮影で三脚を使わず、比較的静止した人物を落ち着いて撮るならEFの手ブレ補正を活用できます。歩く人物を追いかける撮影やカメラを長時間構える場合には、RFの軽さや新しいAF設計が意味を持ちます。写真中心か動画を併用するかによって、価格差の捉え方は変わります。
EF F1.4をEOS Rへ付けると標準アダプター込みで約1,060gになります。RF F1.4との差が400g以上あるため、普段から機材を軽くしたい人は実際の重量を重視したいところです。一方で、すでにEFを所有し、その描写や手ブレ補正に不満がなければ、買い替えに費用をかける必要性は限定的です。撮影で改善したい点を具体的に整理することが購入判断につながります。
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F1.2は開放の描写と修理対応まで含めて選ぶ
F1.2を使う目的が、旧EFならではの柔らかい描写を楽しむことなら、EF85mm F1.2LのI型とII型が候補になります。一方、F1.2からの解像力と色収差補正を重視する場合にはRF85mm F1.2 L USMが候補です。点光源の輪郭をさらに柔らかく描くことを優先するなら、DS型という選択肢があります。それぞれ同じF1.2でも描写と露出の特徴が異なります。
特に中古のEF85mm F1.2L II USMは、2026年10月の修理対応終了予定が購入判断に関わります。状態のよい個体で開放描写を楽しむという選び方はありますが、長く使用することを想定した場合はメーカー修理を利用できる期間も考慮する必要があります。初代はさらに古い製品なので、光学系と動作の確認を優先します。
RF F1.2の通常型とDS型についても、価格だけで選ぶのは適切ではありません。DS型はボケの輪郭の表現と引き換えに光の透過量が減るため、暗所で光量を優先する撮影では通常型を比較する意味があります。8本の中から最後に選ぶ一本は、最も高価なレンズや最も明るいレンズではなく、使いたい描写、撮影頻度、重量、修理対応、購入費用を満たすものです。
関連する詳しい解説はRF85mm F1.2とEF85mm F1.2L IIの比較でも紹介しています。
まとめ
Canonの85mm単焦点レンズをEF・RFで比較すると、8本の性格は大きく分かれます。価格を抑えて人物撮影を始めるならEF85mm F1.8 USM、人物だけでなく小物や花も近くから撮りたいならRF85mm F2 MACRO IS STMが候補です。F1.8とF2は明るさの差が小さくても、最短撮影距離や手ブレ補正には大きな違いがあります。
F1.4では、中古EF85mm F1.4L IS USMのレンズ内手ブレ補正と、RF85mm F1.4 L VCMの軽量化や動画AFを比較できます。同じF1.4でもEOS RでEFを使用するときは約110gのアダプターが加わり、レンズ側の合計重量に400g以上の差が生じます。高画質と軽さに費用をかけるか、中古EFの価格とISを生かすかという違いです。
F1.2では、EFの初代とII型、RFの通常型とDS型の4本が候補です。EFとRFには開放描写やAFの違いがあり、DS型はボケの輪郭表現に特徴がある一方、光の透過量が通常型より低くなります。さらにEF85mm F1.2L II USMはメーカー修理対応が2026年10月に終了予定であり、中古購入時には価格と状態をより丁寧に比べる必要があります。
中古レンズの価格は状態によって変動します。外観だけで選ばず、AF、絞り、光学系、保証条件、メーカー修理の終了年月を確認し、EOS Rの場合はアダプター費用まで含めて比べます。明るさの数値だけで優劣を決めず、実際に撮る被写体と持ち歩く頻度に合う85mmを選ぶことが、長く使える一本につながります。


