EOS 7D Mark IIは今でも使える?画質・AF・連写・中古購入の注意点を解説
EOS 7D Mark IIは、キヤノンのAPS-C一眼レフの中でも、とくにスポーツ、野鳥、航空機、鉄道、モータースポーツなどの動体撮影を強く意識して作られたカメラです。約2020万画素のAPS-C CMOSセンサー、最高約10コマ/秒の高速連写、最大65点オールクロスAF、AIサーボAF III、EOS iTR AF、視野率約100%の光学ファインダーを組み合わせ、被写体を追いながら連続撮影する能力に重点が置かれています。
現在のミラーレスカメラには、人物や動物の瞳を自動認識し、さらに高速な連写が可能な機種があります。そのため、単純にスペック表だけを比較するとEOS 7D Mark IIは古く見えます。しかし、光学ファインダーを見ながら65点AFで被写体を追う撮影、APS-Cによる望遠向きの画角、CFとSDのデュアルカードスロット、マグネシウム外装を採用した堅牢なボディなど、一眼レフとして完成度の高い部分は現在も残っています。
一方、画質だけを目的に選ぶカメラでもありません。約2020万画素という解像度は現在としては控えめで、高ISOではフルサイズ機との差が現れます。低感度RAWのシャドウを大きく持ち上げるような現像にも限界があります。背面液晶は固定式でタッチ操作に対応せず、内蔵Wi-Fiもありません。動画も4Kには対応せず、フルHDが中心です。
EOS 7D Mark IIを理解するには、「古いAPS-C一眼レフ」とひとまとめにするのでは足りません。得意なのは高速連写、ファインダーAF、望遠撮影、操作性、堅牢性です。反対に、高画素、軽さ、ライブビュー中心の撮影、動画、無線接続などは新しい機種が有利です。ここでは、EOS 7D Mark IIの実際の強みと弱点、画質、AF、連写、高感度、レンズ選び、中古購入まで詳しく整理します。
- EOS 7D Mark IIの基本性能
- EOS 7D Mark II最大の特徴は最高約10コマ/秒の高速連写
- 65点オールクロスAFは現在でもEOS 7D Mark IIの大きな魅力
- 実写で見るEOS 7D Mark IIの画質
- 野鳥撮影でEOS 7D Mark IIが強い理由
- スポーツ・鉄道・航空機にも向く
- フリッカー低減は室内スポーツで役立つ
- 光学ファインダーの完成度は高い
- ライブビューと動画ではデュアルピクセルCMOS AFを使える
- CFとSDのデュアルカードスロットを搭載
- EFとEF-Sの豊富なレンズを直接使える
- ボディは重いが操作性と堅牢性に理由がある
- 内蔵GPSはあるが内蔵Wi-Fiはない
- EOS 7Dと比べると動体性能が大幅に進化している
- EOS 80Dと比べると目的が違う
- EOS 7D Mark IIを中古で買うときの注意点
- EOS 7D Mark IIの弱点
- EOS 7D Mark IIを現在使う価値
- まとめ
EOS 7D Mark IIの基本性能
約2020万画素APS-CセンサーとデュアルDIGIC 6を搭載
EOS 7D Mark IIは、約22.4×15.0mmのAPS-C CMOSセンサーを搭載し、有効画素数は約2020万画素です。画像サイズは最大5472×3648ピクセルで、RAWは14bit記録に対応します。通常のRAWのほか、M-RAW、S-RAWも選択できます。
約2020万画素という数字だけを見ると、3000万画素を超えるAPS-C機と比較して少なく感じます。ただ、一般的なWeb掲載、A4程度のプリント、通常の写真鑑賞には十分な解像度があります。画素数が極端に多くないため、一枚あたりのRAWデータも超高画素機ほど巨大ではなく、連写後の保存や現像処理を扱いやすい利点もあります。
画像処理にはデュアルDIGIC 6を採用しています。2基の映像エンジンを使うことで、約2020万画素のデータを最高約10コマ/秒で処理する高速性能を実現しています。EOS 7D Mark IIは画素数競争を目的とした機種ではなく、画質、AF、連写を一体化した動体向けAPS-C一眼レフとして見ると特徴が分かりやすくなります。キヤノンのAPS-C一眼レフ全体の位置付けは、Canon APS-C一眼レフの特徴と画質でも確認できます。
APS-Cの約1.6倍相当の画角が望遠撮影で生きる
EOS 7D Mark IIでは、装着したレンズの表記焦点距離に対して、フルサイズ換算で約1.6倍相当の画角になります。200mmなら約320mm相当、300mmなら約480mm相当、400mmなら約640mm相当の画角です。レンズ自体の焦点距離が物理的に伸びるわけではありませんが、同じ位置から撮影した場合に被写体を画面へ大きく入れやすくなります。
この特性は野鳥、航空機、スポーツ、鉄道などで特に有効です。フルサイズで同じ画角を得ようとすると、より長い焦点距離のレンズが必要になります。EOS 7D Mark IIなら、EF70-200mm、EF100-400mm、EF300mm、EF400mmなどのレンズを組み合わせることで、かなり強い望遠効果を得られます。
反対に、広角撮影では画角が狭くなります。24mmのEFレンズでも約38mm相当の画角になるため、広い風景や室内を撮るならEF-S10-18mmやEF-S10-22mmなどAPS-C向け広角ズームの方が扱いやすくなります。APS-C一眼レフでEF・EF-Sレンズを選ぶ考え方は、EFマウントAPS-C向けレンズガイドも参考になります。
EOS 7D Mark II最大の特徴は最高約10コマ/秒の高速連写
一眼レフとして高速な10コマ/秒を実現
高速連続撮影では最高約10コマ/秒に対応します。高速連写速度は10コマ/秒から2コマ/秒まで設定でき、低速連続撮影は約3コマ/秒を基準に9コマ/秒から1コマ/秒まで変更できます。静音連続撮影も用意され、約4コマ/秒を上限として設定できます。
現在の電子シャッター搭載ミラーレスには20コマ/秒以上で撮影できる機種もありますが、EOS 7D Mark IIの10コマ/秒はメカニカルなミラーとシャッターを動かしながら実現する連写です。光学ファインダーで被写体を追い、AIサーボAFを働かせながら10コマ/秒で撮る感覚は、一眼レフならではです。
スポーツではボールが選手の手を離れる瞬間、野鳥では飛び立ちや羽ばたき、モータースポーツでは車両の姿勢変化など、ほんの短い時間に被写体の形が変化します。1枚だけ狙うより短い連写を入れることで、後から最も良い姿勢のコマを選びやすくなります。Canonの連写設定全般は、Canonカメラの連写設定でも詳しく解説しています。
RAWでも実用的な連続撮影枚数を確保する
連写では最高速度だけでなく、何枚まで速度を維持できるかが重要です。キヤノンの基準では、JPEGラージ/ファインで約130枚、RAWで約24枚、RAW+JPEGラージ/ファインで約18枚が連続撮影可能枚数です。UDMAモード7対応CFカードを使用した条件では、JPEGが約1090枚、RAW約31枚、RAW+JPEG約19枚とされています。
実写テストでも、高速カードを使用したRAW連写で約30枚前後を最高速度で撮影できた例があり、動体向け一眼レフとして十分なバッファを持っています。10コマ/秒でRAWを約3秒間撮れれば、スポーツや野鳥の短い動作を一連の流れとして残せます。
ただし、長時間シャッターボタンを押し続ける撮り方ではバッファがいっぱいになります。動作の始まりを予測して、重要な場面だけ1秒から3秒程度連写する方が、カード容量、バッファ、後の選別まで含めて効率的です。連写を活かした動体撮影全体の考え方は、動体撮影の基本と撮影方法も参考になります。
65点オールクロスAFは現在でもEOS 7D Mark IIの大きな魅力
最大65点すべてがクロス測距に対応する
EOS 7D Mark IIは最大65点のAFポイントを備え、対応レンズ使用時には65点すべてでクロス測距が可能です。中央測距点は対応するF2.8レンズでデュアルクロス測距となり、精度の高いピント合わせを行えます。使用するレンズによって利用できる測距点数やクロス測距点数は変化するため、すべてのレンズで常に同じAF構成になるわけではありません。
測距エリアにはスポット1点AF、1点AF、領域拡大AF、ゾーンAF、ラージゾーンAF、65点自動選択AFが用意されています。背景が複雑な場所で鳥を狙うなら1点AFや領域拡大AF、空を飛ぶ鳥や大きなスポーツ選手ならゾーンAFやラージゾーンAFというように、被写体に合わせた選択ができます。
現在のミラーレスのように画面のほぼ全域へAFポイントを配置した方式と比べれば測距範囲は中央寄りですが、一眼レフの専用AFセンサーとしては広い範囲をカバーします。測距点の数と使い分けについては、カメラの測距点とAFエリアの選び方で詳しく解説しています。
AIサーボAF IIIとCase 1〜6で動体追従を細かく調整できる
動く被写体ではAIサーボAF IIIを利用できます。EOS 7D Mark IIにはAFカスタム設定ガイドがあり、Case 1からCase 6までのプリセットを選ぶことで、被写体追従特性、速度変化への追従性、AFポイントの乗り移り特性を調整できます。
Case 1は幅広い動体に対応する標準設定で、最初に使いやすい設定です。障害物が一時的に被写体の前へ入る競技なら追従を粘らせる方向、急加速や急減速が多い被写体なら速度変化への追従性を高める方向へ調整できます。不規則に画面内を移動する被写体ではAFポイントの乗り移り特性も重要になります。
実写レビューでも、ファインダーAFは高速で、接近する自転車などを10コマ/秒で連写しながら高い割合で追従できることが確認されています。EOS 7D Mark IIを使うなら、単純に65点自動選択へ任せるだけでなく、撮影対象に合うAFエリアとAIサーボの特性を組み合わせることが性能を引き出すポイントです。初代EOS 7DのAFや設定と比較する場合は、EOS 7Dおすすめ設定ガイドも参考になります。
EOS iTR AFは顔と色情報を利用して被写体を追う
EOS 7D Mark IIは約15万画素RGB+IR測光センサーを搭載し、その情報をEOS iTR AFに利用します。iTRは被写体の顔や色情報を利用し、65点自動選択AFなどで被写体を追跡する機能です。専用AFセンサーだけで距離を判断する一眼レフに、測光センサーの情報を組み合わせる仕組みです。
人物スポーツでは顔を検出して追うことができ、画面内を移動する被写体をAFポイント間で引き継ぎやすくなります。一方、現在のミラーレスに搭載される人物・動物・鳥・車両などの高度な被写体認識とは世代が異なります。背景の色、被写体の大きさ、顔の向きなどによって追尾結果は変化するため、完全にカメラへ任せる機能ではありません。
また、EOS iTR AF動作時の高速連写は最高約9.5コマ/秒です。最高約10コマ/秒という数字だけを優先するか、顔や色情報を利用した追尾を使うかは撮影内容によって変わります。撮影モードやカメラ設定を整理する場合は、Canonカメラの撮影モード完全ガイドも参考になります。
実写で見るEOS 7D Mark IIの画質
低感度では約2020万画素を十分に活かせる
ISO100から低感度域では、適切にピントを合わせて十分な光量を確保すれば、約2020万画素として細部までしっかり描写できます。野鳥の羽毛、車両の文字、人物の髪などもレンズ性能が十分なら細部を残せます。高画素化した現在のAPS-C機ほど大きなトリミング余裕はありませんが、画素ピッチに余裕があり、ファイル容量も比較的扱いやすい構成です。
実写比較では初代EOS 7DよりJPEG処理が改善し、RAWでも高感度ノイズや暗部のバンディングが改善されています。ただし、低感度RAWのダイナミックレンジ、とくに大きく露出不足になったシャドウを後から持ち上げるような現像では、新しいセンサーとの差が現れます。
そのため、撮影時にハイライトだけを守って極端に暗く撮り、後からシャドウを数段持ち上げる使い方より、撮影時点で適正露出へ近づける方が7D Mark IIでは安定します。キヤノンAPS-C一眼レフの画質傾向を機種横断で確認する場合は、Canon APS-C一眼レフの画質と特徴が参考になります。
高ISOは使えるがフルサイズとの差は残る
常用ISO感度はISO100〜16000で、拡張設定としてISO25600相当、ISO51200相当まで使用できます。初代EOS 7Dと比べると高感度画質は改善され、JPEGのノイズ処理も進歩しています。ただし、ISO感度が上がるほど細部の解像感は失われ、フルサイズ機との画質差も大きくなります。
野鳥やスポーツでは、ノイズを嫌ってISO100や200へ固定するより、必要なシャッタースピードを確保する方が重要です。たとえば飛翔する鳥を1/2000秒で止めるためにISO1600やISO3200が必要なら、被写体ブレした低ISO写真より高ISOでもピントと動きが止まった写真の方が残せる情報は多くなります。
EOS 7D Mark IIの高感度は「どこまで数字を上げられるか」だけで考えず、最終的な写真サイズと被写体の動きで判断する方が実用的です。高感度撮影の考え方については、高感度撮影で画質を保つ方法でも詳しく解説しています。
シャドウを大きく持ち上げる現像には注意する
EOS 7D Mark IIのRAWは、ホワイトバランス、露出、色、ノイズ処理などを撮影後に調整できますが、暗部を極端に持ち上げるとノイズが目立ちやすくなります。特に低ISOで暗く撮った画像を後から数段明るくするような処理では、現在の低ノイズなセンサーほど余裕はありません。
風景撮影ではハイライトを完全に飛ばさないことも重要ですが、シャドウを過度に暗くしない露出が必要です。動体ではさらに露出不足が起こりやすいため、Mモード+ISOオート、Tvモードなどを使い、必要なシャッタースピードを守りながら明るさを確保すると扱いやすくなります。
ノイズはISO感度の数字だけで決まるものではなく、センサーへ届く光量や露出不足も大きく影響します。写真のノイズと露出の関係は、カメラのノイズが発生する原因と抑え方で詳しく紹介しています。
野鳥撮影でEOS 7D Mark IIが強い理由
APS-Cの画角と10コマ/秒と65点AFを同時に使える
野鳥撮影では、被写体を大きく写せること、飛び立ちを連写できること、動く鳥へAFを追従させられることが重要です。EOS 7D Mark IIはこの三つを一台でまとめています。400mmレンズなら約640mm相当の画角となり、小鳥や遠くの水鳥をフルサイズより大きく画面へ入れやすくなります。
止まっている鳥なら1点AFやスポット1点AFで目や頭部へ正確に合わせ、飛翔では領域拡大AF、ゾーンAF、ラージゾーンAFを使って被写体を追いやすくできます。空が背景なら広めのAFエリアを使いやすく、枝が複雑な場所ではAFエリアを狭くすることで背景へ抜けるのを防ぎやすくなります。
シャッタースピードは止まっている鳥なら1/500秒前後から、飛翔なら1/1600〜1/3200秒程度まで上げる場面があります。実際の数値は鳥の速度、距離、焦点距離によって変化します。望遠撮影と動体撮影の基本は、Canonカメラのシャッタースピード設定ガイドも参考になります。
スポーツ・鉄道・航空機にも向く
動きが予測できる被写体ではファインダーAFが使いやすい
スポーツ、鉄道、航空機、モータースポーツでは、被写体の進行方向を予測できる場面が多くあります。EOS 7D Mark IIでは光学ファインダーを見続けながらAIサーボAFを作動させ、撮影位置へ来る前から被写体を追い始められます。
スポーツなら選手がこちらへ向かってくる場面、鉄道ならカーブから接近する列車、モータースポーツならコーナーへ進入する車両など、距離が大きく変わる状況でAIサーボAF IIIを利用できます。10コマ/秒連写は決定的瞬間を選びやすくする一方、撮影タイミングを完全に不要にする機能ではありません。被写体の動きを読み、必要な直前から短く連写する方が結果を整理しやすくなります。
EOS 7D Mark IIの重さは約910gと軽量ではありませんが、大型望遠レンズを装着したときにはボディ側にも重量があるため、全体のバランスを取りやすい面があります。キヤノン一眼レフの操作性やシステム全体については、キヤノン一眼レフの魅力と活用術でも確認できます。
フリッカー低減は室内スポーツで役立つ
蛍光灯などの明滅による露出と色のばらつきを抑える
体育館など一部の人工照明では、人の目では分からない速さで光が明滅しています。高速シャッターで連写すると、その明滅の異なるタイミングを撮影するため、連続写真の一枚だけ暗くなったり、色が違って見えたりすることがあります。
EOS 7D Mark IIはフリッカーを検知し、光量が高いタイミングに合わせてシャッターを切るフリッカー低減撮影に対応します。室内スポーツでは連写速度だけでなく、一連の写真の露出と色を安定させることが重要なので、この機能は実用性があります。
フリッカー低減を使用すると撮影タイミングがわずかに調整されるため、撮影条件によってはレリーズの感覚が通常と変化します。それでも、人工照明下で写真ごとの明るさが大きく変わる状況では有効です。室内を含む動体撮影の設定は、動体撮影で失敗を減らす設定と撮り方も参考になります。
光学ファインダーの完成度は高い
視野率約100%のインテリジェントビューファインダーII
EOS 7D Mark IIの光学ファインダーは上下左右とも約100%の視野率を持ち、倍率は約1.00倍です。撮影画像へ入る範囲をほぼそのまま確認できるため、ファインダー撮影で構図を詰めやすくなっています。
インテリジェントビューファインダーIIでは、AFポイントだけでなく、グリッド、水準器、撮影モード、ホワイトバランス、ドライブモード、AF動作、測光モード、記録画質、フリッカー検知などの情報を確認できます。背面液晶を何度も見る必要がなく、ファインダーから目を離さず撮影を続けやすい設計です。
現在のEVFでは露出やホワイトバランスの結果を撮影前に確認できますが、光学ファインダーには表示遅延がなく、実際の光景をそのまま見る特徴があります。この違いは好みだけでなく、被写体を長時間追う撮影方法にも関係します。初代EOS 7Dとの違いを見る場合は、EOS 7Dの特徴と撮影性能も参考になります。
ライブビューと動画ではデュアルピクセルCMOS AFを使える
動画AFは扱いやすいが現在の動画機と比べると制約も多い
EOS 7D Mark IIはデュアルピクセルCMOS AFを搭載し、ライブビューや動画でも像面位相差AFを利用できます。コントラストAFだけの古い一眼レフよりピント移動が滑らかで、人物を撮影しながらフォーカスを追従させる用途では大きな違いがあります。
動画はフルHDの59.94p/50pまで対応し、外部マイク端子とヘッドフォン端子も備えています。HDMIから情報表示のない映像を出力することも可能です。一方、4Kには対応せず、背面液晶も固定式でタッチ操作がありません。動画主体で使うなら、バリアングル液晶や4K、被写体認識AFを備えた新しい機種の方が便利です。
また、静止画のライブビュー連写では、光学ファインダー撮影と同じ感覚でAIサーボAFによる10コマ/秒追従を使えるわけではありません。EOS 7D Mark IIの強みを最も活かせるのは、やはり光学ファインダーと専用AFセンサーを使った撮影です。ライブビューの使いやすさを重視した後発APS-C一眼レフと比較する場合は、EOS 80Dの特徴とAF性能も参考になります。
CFとSDのデュアルカードスロットを搭載
CFはUDMA7、SDはUHS-Iに対応する
EOS 7D Mark IIはCFカードとSDカードの2種類を同時に装着できます。CFはタイプI、UDMAモード7に対応し、SD側はSD、SDHC、SDXCに対応しています。SDではUHS-Iを利用できます。
記録方法は、一枚のカードがいっぱいになったら次へ切り替える自動切り換え、RAWとJPEGなどを別々のカードへ保存する振り分け、両方へ同じデータを書き込む同一書き込みなどを選択できます。スポーツや仕事の撮影でバックアップを残したい場合には、デュアルスロットが大きな利点になります。
連写性能を重視する場合は高速なUDMA7対応CFカードとの組み合わせが有効です。古いCFカードでは書き込み速度が遅く、バッファがいっぱいになった後の復帰時間が長くなる可能性があります。中古ボディと一緒にカードを揃える場合も、単に容量だけで選ばず規格を確認したいところです。キヤノン一眼レフとレンズを含めたシステム構成は、キヤノン大全から確認できます。
EFとEF-Sの豊富なレンズを直接使える
望遠だけでなく標準・広角・大口径単焦点も選択肢が多い
EOS 7D Mark IIはEFマウントのAPS-C一眼レフなので、EFレンズとEF-Sレンズの両方を直接装着できます。マウントアダプターは必要ありません。長い歴史を持つEFシステムには、中古を含めて非常に多くのレンズがあります。
野鳥やスポーツならEF100-400mm系、EF70-300mm系、EF300mmやEF400mmなどが候補になります。比較的軽量にまとめるならEF-S55-250mm F4-5.6 IS STMも使えます。人物ではEF50mm F1.8、EF85mm F1.8 USMなどを装着すると、APS-Cでは中望遠から望遠寄りの画角として使えます。
標準ズームではEF-S17-55mm F2.8 IS USM、EF-S18-135mm系などがあり、超広角にはEF-S10-18mmやEF-S10-22mmがあります。古いボディだからレンズ選択肢が少ないということはなく、むしろ中古EF・EF-Sを含めた選択肢の多さが7D Mark IIを現在使う理由の一つです。レンズ互換性については、Canonレンズ対応表で詳しく確認できます。
EF-Sレンズを使えばAPS-Cシステムを軽くまとめられる
EOS 7D Mark II本体は約910gあるため、軽いカメラではありません。そこへ大口径L望遠レンズを組み合わせれば機材全体はかなり重くなります。一方、EF-Sレンズを使えば、標準ズームや広角ズームでは比較的軽いシステムを組めます。
EF-SレンズはAPS-Cセンサーに合わせて設計されているため、フルサイズ用EFレンズより小型軽量にできるモデルがあります。EOS 7D Mark IIではクロップなどを意識せず、本来のAPS-C用レンズとして直接利用できます。
ただし、将来フルサイズ一眼レフへ移行する場合、EF-Sレンズはそのまま使えません。EOS Rシリーズではマウントアダプターを介して使用できますが、フルサイズ機ではAPS-C相当の範囲を使うクロップ撮影になります。EF-Sレンズの互換性については、EF-Sレンズとフルサイズ・EOS Rの互換性で詳しく解説しています。
ボディは重いが操作性と堅牢性に理由がある
約910gの重量とマグネシウム外装
EOS 7D Mark IIの大きさは約148.6×112.4×78.2mm、質量はバッテリーとメモリーカードを含めて約910g、本体のみでも約820gです。現在のAPS-Cミラーレスと比べると明らかに大きく重いカメラです。
その代わり、ボディにはマグネシウム外装が採用され、キヤノンは高い堅牢性と防塵・防滴性能を特徴としていました。グリップも深く、望遠レンズを装着した状態で右手をしっかり掛けられます。上面表示パネル、背面サブ電子ダイヤル、マルチコントローラーなど、ファインダー撮影中に設定を変更するための専用操作系も充実しています。
軽量さを第一に考えるならEOS 7D Mark IIは適しません。しかし、70-200mm F2.8や100-400mmクラスを装着し、長時間動体を追う撮影では、ボディが小さすぎないことが操作しやすさにつながる場合があります。一眼レフらしい操作系とレンズ資産については、キヤノン一眼レフの魅力と活用方法でも詳しく紹介しています。
内蔵GPSはあるが内蔵Wi-Fiはない
撮影場所の記録には強い一方でスマホ転送は不便
EOS 7D Mark IIはGPSを内蔵しています。緯度、経度、標高、方位、UTCなどの位置情報を画像へ付加でき、移動経路のログも記録できます。野鳥、鉄道、航空機、旅行、登山など、撮影場所を後から確認したい用途では便利です。
一方、ボディにWi-Fiは内蔵されていません。撮影した写真をその場でスマートフォンへ転送し、SNSへ投稿するような使い方は現在のカメラほど簡単ではありません。対応ファームウェアではWi-FiアダプターW-E1を利用できますが、標準状態のボディだけで無線転送できる機種とは使い勝手が異なります。
撮影した写真はCFまたはSDカードからパソコンへ取り込む方法が基本です。USB 3.0端子も搭載しているのでカメラとパソコンを直接接続することもできます。撮影後の即時共有より撮影中の性能へ重点を置いた設計です。EOS 7D Mark IIを含むAPS-C一眼レフの世代差については、Canon APS-C一眼レフの特徴も参考になります。
EOS 7Dと比べると動体性能が大幅に進化している
8コマ/秒・19点AFから10コマ/秒・65点AFへ進化
初代EOS 7Dは約1800万画素、最高約8コマ/秒、19点オールクロスAFを備えた高速APS-C一眼レフでした。EOS 7D Mark IIでは約2020万画素となり、連写が最高約10コマ/秒、AFが最大65点オールクロスへ拡大されています。
さらにAIサーボAF III、EOS iTR AF、約15万画素RGB+IR測光センサー、デュアルピクセルCMOS AF、フリッカー低減などが加わり、単に画素数を増やした後継機ではありません。特に動体AFと連写を中心に大きく強化されています。
高感度画質も初代7Dより改善しており、JPEG処理やRAWのノイズ特性にも進歩があります。初代7Dを使っていて連写、AF、高ISOに不満がある場合、7D Mark IIとの差は撮影中に分かりやすい部分です。初代の性能については、EOS 7Dの画質・AF・連写性能で確認できます。
EOS 80Dと比べると目的が違う
7D Mark IIは動体、80Dはライブビューや日常撮影の扱いやすさが特徴
EOS 80Dは約2420万画素、45点オールクロスAF、最高約7コマ/秒を備えています。EOS 7D Mark IIより画素数は多い一方、ファインダーAFの測距点と連写速度では7D Mark IIが上です。
80Dにはバリアングル式タッチパネル液晶があり、低い位置、高い位置、自撮り方向などへ液晶を動かせます。ライブビュー撮影や動画、三脚を使った撮影では固定液晶の7D Mark IIより扱いやすい場面があります。ボディも7D Mark IIより軽量です。
反対に、ファインダーを使って高速な被写体を追い続けるなら、65点AF、10コマ/秒、デュアルカードスロット、堅牢なボディを持つ7D Mark IIの性格が明確です。似た世代のAPS-C一眼レフでも用途がかなり異なります。EOS 80Dの詳細は、EOS 80Dの画質・AF・連写性能で詳しく紹介しています。
EOS 7D Mark IIを中古で買うときの注意点
シャッター・AF・カードスロット・端子を実機で確認したい
EOS 7D Mark IIは高速連写を目的に使われてきた個体が多く、中古では外観だけで状態を判断しにくいカメラです。スポーツ、野鳥、鉄道などで大量に連写された個体もあります。購入前に撮影枚数を確認できる販売店なら参考にし、実機を触れる場合は高速連写を行ってシャッター音に不自然な変化がないか確認したいところです。
AFは1点AF、ゾーンAF、AIサーボAFなどを試し、近距離と遠距離で正常に合焦するかを確認します。レンズ側の問題とボディ側の問題を切り分けるため、可能なら状態が分かっているEFレンズを使って試写します。
CFとSDの両方へ記録できるかも重要です。中古では片方のカードスロットだけ使用していた個体もあります。CFスロット内部のピンは曲がりがないかを確認し、SD側もカード認識や書き込みエラーがないかを見ます。USB、HDMI、マイク、ヘッドフォンなどを利用する予定がある場合は端子カバーと接続状態も確認します。中古一眼レフを含むキヤノンシステム全体は、キヤノン大全から関連機種を確認できます。
背面液晶・ファインダー・バッテリー・GPSも中古では確認する
背面液晶は3.0型・約104万ドットの固定式です。中古では表示ムラ、傷、黄変、ドット欠けなどを確認します。タッチパネルではないため、操作できないことを故障と勘違いしないようにしたいところです。
光学ファインダーは撮影中に常用する部分なので、内部の大きなゴミ、曇り、表示異常、電子水準器やAFポイント表示も確認します。ファインダー内の小さなゴミは写真には写りませんが、動体を長時間追う場合には気になることがあります。
使用バッテリーはLP-E6NまたはLP-E6です。カメラからバッテリー残量だけでなく劣化度を確認できます。ファインダー撮影の公称撮影可能枚数はLP-E6N使用時で約670枚です。中古付属バッテリーが大きく劣化していれば、実際の撮影枚数は少なくなります。GPSを使う場合も電力を消費するため、長時間の野外撮影では予備バッテリーが重要です。ISO感度や長時間撮影を含めた撮影条件の考え方は、高感度撮影とカメラ設定も参考になります。
EOS 7D Mark IIの弱点
EOS 7D Mark IIには明確な弱点があります。約910gという重量は、APS-C機としてはかなり重い部類です。小型の単焦点レンズを付けてもボディ自体が大きいため、旅行や日常の持ち歩きを最優先するカメラではありません。
約2020万画素は通常用途には十分ですが、野鳥を大幅にトリミングする場合には高画素APS-C機との差が出ます。高ISO画質も初代7Dより改善しているものの、暗所ではフルサイズ機が有利です。低ISO RAWのシャドウを大きく持ち上げる現像にも限界があります。
背面液晶は固定式でタッチ操作に対応しません。Wi-Fiもボディには内蔵されていません。動画はフルHDまでで4K非対応です。現在のカメラで一般的になった人物や鳥の瞳認識、車両認識などもありません。
こうした弱点は、EOS 7D Mark IIが何を優先して作られたかと表裏一体です。小型軽量、スマートフォン連携、動画、高画素を優先する機種ではなく、光学ファインダーで高速な被写体を追い、10コマ/秒で撮影するAPS-C一眼レフです。
EOS 7D Mark IIを現在使う価値
現在の基準でEOS 7D Mark IIを見ると、画素数や動画性能、被写体認識では新しいEOS Rシリーズに及びません。しかし、写真撮影、とくにファインダーを使った動体撮影へ目的を絞ると、現在でも特徴のはっきりしたカメラです。
最大65点オールクロスAF、AIサーボAF III、EOS iTR AF、最高約10コマ/秒、APS-Cによる望遠向きの画角、視野率約100%の光学ファインダー、CF+SDデュアルスロット、マグネシウム外装、EF・EF-Sレンズとの直接互換性という構成は、野鳥、鉄道、航空機、スポーツなどで実際に役立ちます。
中古EFレンズまで含めれば、現在はレンズ選択肢も非常に広くなっています。EF70-200mm、EF100-400mm、EF300mm、EF400mmなどの望遠レンズだけでなく、安価なEF-S望遠ズームや大口径単焦点も使えます。カメラとレンズを中古で組み合わせることで、本格的な動体撮影システムを作る方法もあります。
EOS 7D Mark IIを選ぶ理由は、古いカメラを懐かしむことだけではありません。10コマ/秒と65点AFを備えた一眼レフを使いたい、光学ファインダーで動体を追いたい、EFレンズ資産をそのまま使いたい、APS-Cの画角を望遠撮影へ活かしたいという用途では、現在も実際の撮影に投入できる性能があります。
まとめ
EOS 7D Mark IIは約2020万画素のAPS-C CMOSセンサー、デュアルDIGIC 6、最高約10コマ/秒の高速連写、最大65点オールクロスAF、AIサーボAF III、EOS iTR AFを搭載した動体撮影重視の一眼レフです。光学ファインダーは視野率約100%で、スポーツ、野鳥、航空機、鉄道、モータースポーツなどの高速被写体を追う用途に強みがあります。
APS-Cの画角を活かすことで、200mmは約320mm相当、400mmなら約640mm相当として被写体を大きく捉えられます。EF・EF-Sレンズを直接装着できるため、中古を含めたレンズ選択肢も豊富です。
一方、約910gの重量、固定式非タッチ液晶、内蔵Wi-Fi非搭載、4K動画非対応、約2020万画素という解像度、高ISOやRAWシャドウ耐性などには世代を感じる部分があります。現在のミラーレスが持つ高度な被写体認識AFや電子シャッター高速連写を求める用途とは方向性が異なります。
画質だけ、高画素だけ、軽さだけで評価するカメラではありません。高速なファインダーAF、10コマ/秒連写、光学ファインダー、望遠向きのAPS-C、堅牢なボディを一体として使うことでEOS 7D Mark IIの特徴が現れます。中古で選ぶ場合はシャッター、AF、CF・SDスロット、液晶、ファインダー、バッテリー、各端子を確認し、実際の撮影用途に合う個体を選ぶことが重要です。



