NiSi「JetMag Pro NC UV 49MAG Adapter」発表|富士フイルムX100シリーズがマグネット式フィルターに対応
レンズフィルターメーカーのNiSi(ニシ)から、富士フイルムの高級コンパクトデジタルカメラ「X100シリーズ」に対応する新しいフィルターアダプター「JetMag Pro NC UV 49MAG Adapter」が発表されました。レンズ先端の飾りリングを交換するだけで、NiSiのマグネット式フィルターシステム「JetMag Pro 49MAG」に対応できる製品です。UVフィルターを内蔵しており、レンズを保護しながらNDフィルターやCPLフィルター、ブラックミストなどを素早く交換できる点が特徴です。
対応機種は初代X100からX100VIまでの6機種で、ブラックとシルバーの2色が用意されています。米国のNiSi公式ストアでは54.99ドルで予約を受け付けており、日本国内での発売日と販売価格は未発表です。この記事では、JetMag Pro NC UV 49MAG Adapterの仕組み、対応機種、UVフィルターの性能、マグネット式フィルターの種類、純正アクセサリーとの違い、撮影時の使い方を詳しく解説します。
NiSi「JetMag Pro NC UV 49MAG Adapter」とは?
JetMag Pro NC UV 49MAG Adapterは、富士フイルムX100シリーズのレンズ先端に取り付ける専用アクセサリーです。UVフィルターとマグネット式フィルター用マウントを一体化し、レンズの保護とフィルター交換の効率化を両立しています。一般的な49mmねじ込み式フィルターとは異なり、対応するJetMag Pro 49MAGフィルターを磁力で装着し、回転操作でロックできる構造です。
初代X100からX100VIまで6機種に対応
メーカーが公表している対応機種は、X100、X100S、X100T、X100F、X100V、X100VIの6機種です。X100シリーズは、APS-Cサイズの撮像素子と23mmの単焦点レンズを組み合わせたレンズ一体型デジタルカメラです。35mm判換算で35mm相当の画角を採用し、スナップ、旅行、人物、風景など幅広い撮影に使用されています。
| 対応機種 | 発売年 | 搭載レンズ | 対応状況 |
|---|---|---|---|
| FUJIFILM X100 | 2011年 | 23mm F2 | 対応 |
| FUJIFILM X100S | 2013年 | 23mm F2 | 対応 |
| FUJIFILM X100T | 2014年 | 23mm F2 | 対応 |
| FUJIFILM X100F | 2017年 | 23mm F2 | 対応 |
| FUJIFILM X100V | 2020年 | 23mm F2 | 対応 |
| FUJIFILM X100VI | 2024年 | 23mm F2 | 対応 |
今回のアダプターは最新のX100VI専用ではなく、初代X100までさかのぼって使用できる点が特徴です。X100シリーズでは世代によって撮像素子や画像処理エンジン、オートフォーカス、手ぶれ補正などが進化してきましたが、23mmの単焦点レンズを搭載する基本構成は受け継がれています。X100VIの約4020万画素センサーや手ぶれ補正、フィルムシミュレーションなどの特徴については、FUJIFILM X100VI完全ガイドで詳しく解説しています。
ブラックとシルバーの2色を用意
JetMag Pro NC UV 49MAG Adapterには、ブラックとシルバーの2種類が設定されています。X100シリーズのクラシカルな外観に合わせて色を選択でき、カメラ本体とアクセサリーの統一感を保ちやすい構成です。ブラックのX100シリーズにはブラック、シルバー系のモデルにはシルバーを組み合わせる使い方が考えられます。
アダプターはレンズ先端に装着するため、カメラの正面から見える部分の外観にも影響します。X100シリーズは金属製のダイヤルやクラシカルなボディデザインが特徴で、アクセサリーの色や形状も全体の印象に関係します。今回の製品は、カメラの外観を大きく変更せずにフィルター機能を追加できるよう設計されています。
マグネット式フィルターを取り付けていない状態でも、アダプター内部のUVフィルターがレンズ前面を覆う構造です。撮影目的に応じてフィルターを追加し、不要な場面では取り外す運用ができます。フィルターの種類と基本的な役割については、カメラ用レンズフィルター完全ガイドで詳しく紹介しています。
米国価格は54.99ドル、日本発売日は未発表
NiSiの米国公式ストアでは、JetMag Pro NC UV 49MAG Adapterのブラックとシルバーが、それぞれ54.99ドルで案内されています。2026年11月3日時点では予約商品として掲載されており、生産と入荷の進行に合わせて出荷する方式です。米国公式ストアの商品情報には、具体的な出荷開始日は示されていません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メーカー | NiSi |
| 製品名 | JetMag Pro NC UV 49MAG Adapter |
| 対応カメラ | FUJIFILM X100シリーズ6機種 |
| 対応フィルター | JetMag Pro 49MAG |
| 内蔵フィルター | NC UV |
| カラー | ブラック、シルバー |
| 米国価格 | 54.99ドル |
| 米国販売状況 | 予約受付中 |
| 日本国内価格 | 未発表 |
| 日本発売日 | 未発表 |
今回の価格はアダプター本体の価格であり、CPLフィルターやNDフィルターなどのJetMag Pro 49MAGフィルターは別売です。すでに49MAGシステムを使用している場合は、対応するフィルターを共用できます。新しく導入する場合は、アダプター本体と使用したいフィルターを組み合わせて選ぶことになります。
製品にはUVフィルターが内蔵されているため、通常のレンズ保護を目的とした使用では追加のUVフィルターを用意する必要がありません。光学効果を加えるためのNDフィルターやCPLフィルターなどを選択することで、撮影表現を拡張できます。UVフィルターの働きとコーティング性能については、フォクトレンダーUV Filterの性能と選び方を解説した記事でも紹介しています。
JetMag Pro NC UV 49MAG Adapterの構造と取り付け方法
今回のアダプターは、X100シリーズのレンズ先端にある飾りリングを取り外し、その位置へ装着する構造です。アダプター本体にUVフィルターが組み込まれており、前面にはJetMag Pro 49MAG用のマグネット式マウントが設けられています。レンズ保護用フィルターとマグネットフィルター用の固定部分を1つにまとめていることが、製品の大きな特徴です。
レンズ先端の飾りリングと交換して取り付ける
取り付けは、X100シリーズのレンズ先端に装着されている飾りリングを外すところから始まります。飾りリングを取り外した部分へJetMag Pro NC UV 49MAG Adapterをねじ込み、レンズ前面に固定します。装着後はアダプターを取り付けたまま使用でき、49MAGフィルターだけを必要に応じて交換する方式です。
富士フイルム純正のフィルター構成では、専用アダプターリングAR-X100を装着し、その前面に49mmのプロテクトフィルターなどを取り付けます。今回のNiSi製品は、アダプターとUVフィルターが一体化しているため、別々の部品を重ねて取り付ける構成とは異なります。レンズ先端の構成を小さくまとめながら、マグネット式フィルターに対応できる設計です。
外周には指で回しやすい加工が施され、取り付けや取り外しを行いやすい形状になっています。カメラ本体へ固定する部分はねじ込み式で、前面に追加するJetMag Pro 49MAGフィルターがマグネット式です。レンズフィルターのねじ込み規格と外径の関係については、レンズの最大径とフィルター径の違いを解説した記事でも詳しく紹介しています。
マクロ撮影時のレンズ繰り出しを妨げない設計
X100シリーズのレンズは、近距離の被写体にピントを合わせる際にレンズ鏡筒が前方へ移動する構造です。レンズ先端に装着するアクセサリーでは、この鏡筒の動きを妨げないことが重要になります。今回のアダプターは、内部にレンズ鏡筒が移動するための空間を確保し、近接撮影でもレンズと接触しないよう設計されています。
NiSiは、アダプターを取り付けた状態でもX100シリーズの近接撮影範囲を維持できると案内しています。例えば、料理、花、小物、テーブルフォトなどを撮影する場合でも、アダプターを取り外さずにピント合わせを行えます。レンズ先端の動作空間を確保する構造は、固定レンズを搭載するX100シリーズ専用アクセサリーならではの特徴です。
また、カメラがアダプターをワイドコンバージョンレンズやテレコンバージョンレンズとして認識することもありません。通常の撮影設定を維持したまま、UVフィルターとマグネット式フィルターを使用できます。近接撮影で重要になるピント合わせや被写体との距離については、写真の撮影ジャンルとマクロ撮影の基本を解説した記事で紹介しています。
富士フイルム純正レンズキャップも使用できる
NiSiは、JetMag Pro NC UV 49MAG Adapterを取り付けた状態でも、X100シリーズの純正レンズキャップを使用できると案内しています。一般的なフィルターアダプターでは、レンズ先端の形状が変化することで純正キャップを取り付けられなくなる製品もあります。今回のアダプターは、既存のレンズキャップとの組み合わせも考慮された設計です。
普段の持ち運びでは純正レンズキャップを使用し、撮影時には必要に応じてJetMag Pro 49MAGフィルターを取り付ける運用ができます。追加のマグネット式レンズキャップも49MAGシステムに用意されているため、撮影機材の構成に合わせて選択できます。フィルターを装着していない状態でも内蔵UVフィルターがレンズ前面を覆うため、アダプターを日常的に装着したまま使用することを想定した製品です。
X100シリーズの魅力は、レンズ一体型の小型ボディを持ち歩き、撮影機会に素早く対応できることです。フィルター交換のために大きなアクセサリーを取り付ける構成では、携帯性に影響することがあります。軽快な撮影と機材構成の関係については、スナップ写真の撮り方完全ガイドでも詳しく解説しています。
内蔵NC UVフィルターの性能とレンズ保護機能
JetMag Pro NC UV 49MAG Adapterは、単なるマグネットフィルター用の取り付けリングではありません。アダプターの内部にNC UVフィルターを組み込み、X100シリーズのレンズ前面を保護する役割も担っています。NiSiは、光の透過率99.3%、ガラス両面の低反射ナノコーティング、撥水・撥油性能などを製品の特徴として案内しています。
透過率99.3%のUVフィルターを内蔵
メーカー公表値によると、内蔵NC UVフィルターの光透過率は99.3%です。UVフィルターは紫外線を抑える役割を持ち、レンズ前面を保護するためのアクセサリーとしても使用されます。今回の製品は、UVフィルターをアダプター本体へ組み込むことで、保護フィルターとマグネットフィルター用マウントを一体化しています。
X100シリーズはレンズ交換式カメラではないため、前玉が損傷した場合にレンズだけを交換する通常のレンズ交換式カメラとは構造が異なります。撮影中の砂ぼこり、水滴、指紋などがレンズ前面に付着することを考えると、保護フィルターを使用する意味は大きくなります。アダプターにUVフィルターが内蔵されていれば、ほかのフィルターを取り外した状態でもレンズ前面の保護を維持できます。
光学性能では、フィルターの透過率だけでなく、反射やフレア、ゴーストを抑えるコーティングも重要です。透明なフィルターであっても、ガラス面の反射が撮影結果に影響する場面があります。UVフィルターの特徴と一般的な保護フィルターとの違いについては、フォクトレンダーUV Filterの特徴を解説した記事でも詳しく取り上げています。
両面ナノコーティングでフレアとゴーストを低減
JetMag Pro NC UV 49MAG Adapterの内蔵ガラスには、両面に低反射ナノコーティングが施されています。NiSiは、このコーティングによって光の透過率を高め、不要な反射によるフレアやゴーストを抑えると説明しています。逆光での風景撮影や夜間の街灯を含むスナップ撮影など、強い光源が画面に入る場面を想定した仕様です。
フレアは強い光がレンズ内部などで反射・散乱することによって、画面のコントラストが低下したり光が広がって見えたりする現象です。ゴーストは光源の形に関連した不要な像が画面に現れる現象で、レンズやフィルターの反射が原因となります。フィルターを追加すると光が通過するガラス面が増えるため、反射を抑えるコーティングが重要になります。
今回の製品では、アダプター単体でUVフィルターとして機能するため、通常の保護フィルターを別に重ねる必要がありません。NDフィルターやCPLフィルターを装着する場合には、内蔵UVフィルターの前面に追加する構成になります。光の反射やレンズフィルターの撮影効果については、カメラ用レンズフィルター完全ガイドで詳しく解説しています。
撥水・撥油コーティングで日常の手入れを簡単にする
内蔵NC UVフィルターの外側には、撥水・撥油性能を持つコーティングが施されています。水滴をはじき、指紋や油汚れが付着した際にも拭き取りやすいことが特徴です。屋外で撮影することが多いX100シリーズでは、レンズ前面の清掃を簡単にできることが実用的な利点になります。
例えば、街中のスナップ撮影では、カメラをバッグから出し入れする際にレンズ先端へ指が触れることがあります。水辺や雨上がりの撮影では、細かな水滴がフィルター表面に付着する場面も考えられます。コーティングを施したガラス面であれば、対応するクリーニングクロスなどを使用して表面を清掃しやすくなります。
フィルター表面の清潔さは、撮影結果の安定性にも関係します。特に夜景や逆光では、ガラス面に付着した汚れが光の広がりとして見える場合があります。夜間や逆光のスナップ撮影については、スナップ写真の撮り方と光の使い方を解説した記事も参考になります。
JetMag Pro 49MAGのマグネット式フィルターで何が変わるのか
JetMag Pro 49MAGは、NiSiが展開するマグネット式レンズフィルターシステムです。フィルターを磁力で素早く装着し、回転操作によってロックする構造を採用しています。今回のアダプターをX100シリーズへ取り付けることで、49MAG規格のフィルターをステップアップリングなどを追加せずに装着できます。
磁力で装着し、回転操作でロックする仕組み
JetMag Proのフィルターは、対応するマウントへ近づけると磁力によって吸着します。その後、フィルターの小さなつまみを回し、マウント側の目印に合わせることでロックする構造です。磁石による素早い取り付けと、回転ロックによる固定を組み合わせています。
一般的なねじ込み式フィルターは、フィルターの外周を何度も回転させてレンズ先端に取り付けます。JetMag Proでは、フィルターをマウントへ吸着させた後に短い回転操作で固定できるため、フィルター交換の操作を簡略化できます。例えば、CPLフィルターで反射を調整した後、NDフィルターへ切り替える場合などに役立ちます。
また、JetMag Proにはフィルターの種類を区別しやすい色分けされたつまみが設けられています。複数のフィルターを持ち歩く場合でも、つまみの色を手掛かりに必要なフィルターを選べます。フィルターの用途と交換する場面については、PL・ND・保護フィルターの効果と選び方で詳しく紹介しています。
True Color CPLフィルターで反射と色彩を調整
JetMag Pro 49MAGには、True Color CPLと呼ばれる円偏光フィルターが用意されています。CPLフィルターは、水面やガラス、葉などで発生する特定の反射を調整するために使用します。風景撮影では、反射の状態を変えることで被写体の色や質感を表現しやすくなります。
例えば、湖や川を撮影する場合、水面に映り込む空の反射を抑えることで、水中の様子や水面下の色が見えやすくなることがあります。森林では葉の表面に生じる白っぽい反射を調整し、緑の色を鮮やかに表現する用途にも使われます。X100シリーズの35mm判換算35mm相当という画角は、風景全体と近くの被写体を一緒に写す撮影にも適しています。
CPLフィルターの効果は、光の向きや被写体の反射状態によって変化します。フィルターを装着した後に回転操作を行い、ファインダーやモニターで反射の変化を確認しながら撮影します。風景撮影でCPLフィルターを活用する方法については、神秘的な風景写真の撮り方とPLフィルターの使い方を解説した記事が参考になります。
NDフィルターでシャッタースピードを調整
NDフィルターは、レンズへ入る光の量を減らすためのフィルターです。明るい屋外でシャッタースピードを遅くしたい場合や、絞りを開けて撮影したい場合に使用します。JetMag Pro 49MAGシステムには複数のNDフィルターが用意されており、撮影条件に合わせて選択できます。
例えば、日中の水辺でシャッタースピードを遅くすると、水の流れを滑らかに写す表現ができます。明るい環境で人物を撮影するときには、光量を減らすことで開放絞りを使用しやすくなります。動画撮影では、フレームレートに合わせたシャッタースピードを維持するためにNDフィルターを利用することもあります。
X100VやX100VIには、4段分の減光に対応するNDフィルターが内蔵されています。内蔵NDフィルターを使用する場面と、外付けの高濃度NDフィルターを使用する場面を区別することで、撮影条件に合わせた選択ができます。NDフィルターを使用した長時間露光については、長時間露光で風景を撮影する方法を解説した記事でも紹介しています。
ブラックミストなどの効果フィルターにも対応
JetMag Pro 49MAGシステムには、CPLフィルターやNDフィルターだけでなく、写真の描写を変えるための効果フィルターも用意されています。ブラックミスト、ピュアミスト、フィルムグロウなどを使用すると、光の拡散やハイライトの表現を変えることができます。今回のアダプターは、こうしたフィルターをX100シリーズで使用するための取り付け口として機能します。
ブラックミストで柔らかな光の表現を作る
ブラックミストは、明るい部分の光を拡散させ、ハイライトを柔らかく表現するためのフィルターです。強い光源の周囲に淡いにじみを作ることで、写真全体の印象を変える効果があります。X100シリーズでは、フィルムシミュレーションと組み合わせた撮影表現も考えられます。
例えば、夕方の街並みや夜のネオン、窓から光が差し込む室内などでは、ブラックミストによる光の広がりを利用できます。人物撮影では、肌や背景のハイライトを柔らかく見せるために使用する方法があります。通常のクリアな描写とミストフィルターを使用した描写を撮り分ける際に、マグネット式の素早い交換が役立ちます。
ブラックミストの効果は、フィルターの濃度や光源の状態によって変化します。撮影目的に合わせて濃度を選び、光を拡散させる範囲を調整することが重要です。ミスト系フィルターの効果については、マルミ「ブラックミストクロス」の特徴を解説した記事でも紹介しています。
ピュアミストやフィルムグロウで描写を変える
NiSiの49MAGシリーズには、ピュアミストやフィルムグロウなどの効果フィルターも展開されています。これらは写真に光学的な効果を加え、通常のレンズ描写とは異なる雰囲気を作るための製品です。X100シリーズのフィルムシミュレーションと組み合わせることで、カメラ内の画像処理と光学フィルターの両方を活用できます。
フィルムシミュレーションは、富士フイルムが用意する色再現や階調表現の設定です。これに対してミスト系フィルターは、レンズへ入射する光そのものを拡散させるため、画像処理による色調の変更とは役割が異なります。両者を組み合わせることで、光のにじみと色彩表現を同時に調整できます。
X100VIでは複数のフィルムシミュレーションが利用でき、被写体や撮影目的に合わせた画像の仕上がりを選択できます。ミストフィルターを使用する場合は、同じ構図をフィルターの有無で撮影し、ハイライトやコントラストの変化を比較すると効果が分かりやすくなります。X100VIのフィルムシミュレーションと画質については、FUJIFILM X100VI完全ガイドで詳しく解説しています。
複数の49MAGフィルターを組み合わせる使い方
JetMag Proシステムは、対応するフィルターを重ねて使用する構成にも対応しています。NiSiは、マグネットによる装着と回転ロックを組み合わせることで、複数のフィルターを固定できる仕組みを採用しています。例えば、NDフィルターとブラックミストを組み合わせることで、減光と光の拡散を同時に利用する撮影が考えられます。
フィルターを重ねる場合は、それぞれの役割を分けて考えると撮影条件を整理できます。NDフィルターは光量を調整し、CPLフィルターは反射を調整し、ブラックミストは光の広がりを変える役割を持っています。目的に合ったフィルターを選択することで、必要な効果を組み合わせられます。
今回のアダプターにはUVフィルターが内蔵されているため、通常の使用では保護フィルターを追加する必要がありません。光学効果を持つフィルターを選ぶ際は、X100シリーズの画角と使用するフィルターの構成を考えることが重要です。フィルターの重ね合わせと撮影効果については、レンズフィルターの種類と使い方を解説した記事でも紹介しています。
純正アダプターリングや従来のNiSi製品との違い
X100シリーズでは、これまでも富士フイルム純正アクセサリーやNiSi製のUVフィルターを使用して、レンズ前面にフィルターを取り付ける方法が用意されていました。今回のJetMag Pro NC UV 49MAG Adapterは、UVフィルターと49MAG用マグネットマウントを直接組み合わせた製品です。従来の49mmねじ込み式フィルターを使用する構成とは、取り付け方式と交換操作が異なります。
富士フイルム純正AR-X100・PRF-49との違い
富士フイルム純正のフィルター構成では、専用アダプターリング「AR-X100」とプロテクトフィルター「PRF-49」を組み合わせて使用します。X100VとX100VIでは、富士フイルムが案内するこの組み合わせによってレンズ前面の防塵・防滴対応が実現します。今回のNiSi製品は、UVフィルターとアダプターを一体化し、その前面を49MAG規格のマグネットマウントにした構成です。
| 比較項目 | 富士フイルム純正構成 | NiSi新アダプター |
|---|---|---|
| 基本構成 | AR-X100+PRF-49 | UVフィルター内蔵アダプター |
| フィルター固定方式 | 49mmねじ込み式 | 49MAGマグネット式 |
| 保護フィルター | PRF-49を装着 | 本体にNC UVを内蔵 |
| フィルター交換 | ねじ込み操作 | 磁力で装着し回転ロック |
| 対応する追加フィルター | 49mmねじ込み式 | JetMag Pro 49MAG |
| 外観カラー | ブラック・シルバー系 | ブラック・シルバー |
純正構成は49mmねじ込み式フィルターを使用する方式で、今回のNiSi製品は専用のマグネット式フィルターを直接装着する方式です。すでに49mmねじ込み式フィルターを複数所有している場合と、49MAGシステムを新しく導入する場合では、必要なアクセサリーの構成が変わります。X100VIの純正アクセサリーとカメラ本体の特徴は、FUJIFILM X100VI完全ガイドでも詳しく紹介しています。
従来のNiSi製X100用UVフィルターとの違い
NiSiは、X100シリーズ向けに49mmの前面ねじを備えたNC UV Filter IIなどのアクセサリーも展開しています。従来の構成では、UVフィルターをレンズ先端へ取り付け、その前面に49mmねじ込み式フィルターを追加する方法が使用されます。49MAGシステムに対応させる場合には、49mm-49MAG変換リングを組み合わせる方法も用意されています。
今回のJetMag Pro NC UV 49MAG Adapterは、前面が最初から49MAG規格になっているため、別の変換リングを追加せずに対応フィルターを装着できます。UVフィルターによる保護とマグネットフィルターの取り付けを1つの部品で行えることが、従来の構成との違いです。49MAGフィルターを中心に運用する場合は、アダプターの構成を簡潔にまとめられます。
通常の49mmねじ込み式フィルターと49MAGフィルターは、取り付け方式が異なります。今回のアダプターを選ぶ際には、手元のフィルターがどちらの方式に対応しているかを確認することが重要です。フィルター径と取り付け規格の基本については、レンズの最大径とフィルター径の違いを解説した記事が参考になります。
49MAGシステムをほかのカメラと共用できる
JetMag Pro 49MAGシステムには、異なるフィルター径のレンズを対応させるためのアダプターリングが用意されています。NiSiが案内しているのは、39mm、40.5mm、43mm、46mm、49mmなどのフィルターねじに対応するリングです。これらを使用することで、同じ49MAGフィルターを別の対応レンズでも使用できます。
例えば、X100VIで使用しているCPLフィルターを、49MAGアダプターリングを取り付けた別のレンズと共用する構成が考えられます。レンズごとに同じ種類のフィルターを購入する代わりに、共通の49MAGフィルターを使用する方法です。複数のカメラやレンズを使い分ける撮影者にとって、フィルターの共用は機材管理を簡単にする利点があります。
JetMag Proには49MAG以外にも複数のサイズが展開されています。フィルターを共用する場合は、49MAGに対応するアダプターとフィルターを組み合わせることが基本です。フィルターを用途別に選ぶ方法については、カメラ用レンズフィルター完全ガイドでも解説しています。
X100シリーズでJetMag Pro NC UV 49MAG Adapterを使う撮影シーン
今回のアダプターは、X100シリーズのレンズを保護するだけでなく、撮影条件に合わせたフィルター交換を簡単にするアクセサリーです。特にスナップ撮影、風景撮影、動画撮影など、光の状態や表現を変更する場面で役立ちます。X100シリーズの小型ボディと固定焦点レンズを活かしながら、光学フィルターを使用した撮影表現を取り入れられます。
スナップ撮影ではフィルターを素早く交換できる
街中のスナップ撮影では、被写体や光の状態が短時間で変化します。建物の影から日向へ移動したり、逆光で人物を撮影したりする場面では、撮影条件に合わせてフィルターの有無を変更することがあります。マグネット式のJetMag Proなら、対応フィルターを吸着させてロックする操作で交換できます。
例えば、通常の街並みをクリアな描写で撮影し、夕方の逆光ではブラックミストを使用して光を柔らかく表現する方法があります。ショーウインドーや水面の反射を調整したい場合には、CPLフィルターを使用できます。撮影目的に応じてフィルターを交換することで、同じカメラとレンズでも異なる描写を選択できます。
X100シリーズは35mm判換算35mm相当の画角を持ち、人物と背景を同時に写すスナップ撮影にも適しています。フィルターによる光学効果を使い分けながら、構図やシャッターチャンスに集中できる構成です。スナップ撮影の基本については、スナップ写真の撮り方完全ガイドで詳しく解説しています。
風景撮影ではCPLとNDフィルターを使い分ける
風景撮影では、光の反射を調整するCPLフィルターと、光量を減らすNDフィルターが代表的なアクセサリーです。CPLフィルターは水面や葉の反射を調整するために使用し、NDフィルターはシャッタースピードを遅くして水や雲の動きを表現するために使用します。JetMag Pro 49MAGシステムを導入すると、これらのフィルターを撮影目的に応じて交換できます。
例えば、湖の風景ではCPLフィルターを使用して水面の反射を調整し、別の構図ではNDフィルターを使用して水の流れを滑らかに写す方法があります。日中の明るい環境でも、NDフィルターによって長い露光時間を設定しやすくなります。撮影内容に応じてフィルターを交換できることは、固定レンズを搭載するX100シリーズでも表現を増やす手段になります。
風景撮影ではフィルターの効果だけでなく、光の方向、構図、露出、シャッタースピードを組み合わせて仕上がりを決めます。X100シリーズの画角を活かし、広い風景の中から主題を選んで撮影することが重要です。光とフィルターを組み合わせた撮影方法については、神秘的な風景写真の撮り方を解説した記事でも紹介しています。
動画撮影ではNDフィルターの交換が便利
動画撮影では、フレームレートに合わせてシャッタースピードを設定することが一般的です。明るい場所ではシャッタースピードを維持すると露出が高くなるため、NDフィルターによって光量を調整する方法が使われます。JetMag Pro 49MAGシステムでは、対応するNDフィルターを素早く交換できるため、撮影場所の明るさが変化する場合にも対応できます。
例えば、屋外で動画を撮影している際に、日陰から日向へ移動すると光量が大きく変化します。固定濃度のNDフィルターを使い分ける場合でも、マグネット式なら交換操作を簡単にできます。撮影条件に合ったNDフィルターを選択することで、絞りやシャッタースピードを維持した撮影が可能になります。
X100VIは静止画だけでなく動画撮影にも対応しているため、NDフィルターを活用する機会があります。内蔵NDフィルターと外付けNDフィルターの役割を整理し、必要な減光量に応じて使い分ける方法が考えられます。動画撮影での減光量の選び方は、可変NDフィルターの選び方と動画撮影での使い方を解説した記事で詳しく紹介しています。
まとめ
NiSiが発表した「JetMag Pro NC UV 49MAG Adapter」は、富士フイルムX100シリーズをマグネット式フィルターに対応させる専用アクセサリーです。初代X100からX100VIまでの6機種に対応し、ブラックとシルバーの2色が用意されています。レンズ先端の飾りリングと交換して装着し、前面にJetMag Pro 49MAGフィルターを直接取り付けられる構造です。
アダプターには光透過率99.3%のNC UVフィルターが内蔵され、レンズの保護とマグネットフィルター用マウントの役割を1つにまとめています。ガラス両面の低反射ナノコーティングや撥水・撥油性能を備え、X100シリーズの近接撮影時に生じるレンズ鏡筒の繰り出しにも対応しています。純正レンズキャップを使用でき、ワイド・テレコンバージョンレンズの設定変更を必要としないことも特徴です。
JetMag Pro 49MAGシステムには、True Color CPL、ND、ブラックミストなどのフィルターが用意されており、撮影目的に応じて素早く交換できます。X100シリーズのコンパクトな構成を活かしながら、反射の調整、長時間露光、光の拡散などの撮影表現を追加できます。米国での販売価格は54.99ドルで、日本国内の発売日と販売価格は未発表となっています。


