マクロレンズで風景撮影はできる?RF35mm・RF85mm・RF100mmの違いと使い分け
マクロレンズは花や昆虫を大きく写すためのレンズという印象が強いものの、風景撮影にも普通に使えます。マクロレンズだから遠景へピントが合わないということはなく、無限遠までピントを合わせられるため、山、海、街並み、森林、夕景なども撮影できます。
むしろマクロレンズで風景を撮る面白さは、広い景色だけで終わらないことです。山全体を撮ったあとに足元の花へ寄る、森を撮ったあとに木の葉や樹皮を大きく写す、海岸全体を撮ったあとに岩や貝殻の質感へ近づくといったように、同じ場所で「景色」と「景色を構成している細部」を一本のレンズで行き来できます。
Canon RFマウントでは、この使い方に向くレンズとしてRF35mm F1.8 MACRO IS STM、RF85mm F2 MACRO IS STM、RF100mm F2.8 L MACRO IS USMがあります。ただし3本は同じマクロレンズでも性格がかなり違います。35mmは周囲の景色を広く入れやすく、85mmは一部分を整理して切り取りやすく、100mmはさらに狭い範囲を圧縮して見せながら最大1.4倍の本格的なマクロ撮影まで行えます。
この記事では、マクロレンズで風景を撮影できる理由から、35mm・85mm・100mmで見え方がどう変わるのか、通常の単焦点レンズとの違い、風景撮影での絞りやピントの考え方まで詳しく解説します。
マクロレンズで風景撮影はできる?
マクロレンズは近距離専用ではなく無限遠まで撮影できる
マクロレンズは近距離撮影能力が高いレンズですが、近距離だけでしか使えないレンズではありません。一般的なRFマクロレンズは通常の単焦点レンズと同じように無限遠までフォーカスできるため、遠くの山、建築物、街並み、海、空なども撮影できます。
「マクロ」という名称は大きく写せる能力を示しているのであって、撮影距離を近距離だけへ制限する意味ではありません。RF35mm F1.8 MACRO IS STMなら35mm単焦点、RF85mm F2 MACRO IS STMなら85mm単焦点、RF100mm F2.8 L MACRO IS USMなら100mm単焦点として通常撮影にも使用できます。
マクロレンズそのものの特徴や最大撮影倍率、最短撮影距離の意味については、マクロレンズとは?特徴・選び方・使い方を初心者向けに解説でも詳しく整理しています。
風景の全体と細部を1本で撮れることが強み
風景撮影でマクロレンズを使う最大の利点は、遠景から接写まで撮影距離を大きく変えられることです。普通の風景撮影では山や湖、森といった大きな景色を撮ることが中心になりますが、実際の撮影場所には花、葉、水滴、石、木の実、樹皮、苔など小さな被写体も数多く存在します。
通常の単焦点レンズでもある程度は寄れますが、マクロ性能を持つレンズなら被写体へさらに接近できます。例えば森全体を撮影した直後に、葉に付いた水滴を画面いっぱいまで拡大することもできます。風景の「場所」を記録するだけでなく、その場所を構成する細部まで同じレンズで残せることがマクロレンズならではの魅力です。
Canonで使えるマクロレンズ全体を比較したい場合は、Canonマクロレンズ一覧|RF・EF・EF-S・EF-Mを比較して用途別に選ぶも参考になります。
マクロレンズだから風景の画質が悪くなるわけではない
マクロレンズは近距離で高い解像性能を得ることを重視して設計されていますが、それだけを理由に遠景撮影へ向かないわけではありません。風景ではピント位置、絞り、シャッタースピード、空気の揺らぎ、手ブレなども解像感へ影響するため、「マクロレンズだから遠景が甘い」と単純に判断することはできません。
特に高画素のEOS Rシリーズでは、絞りすぎによる回折の影響も考える必要があります。遠景だからF16やF22まで絞れば必ず高画質になるわけではなく、F5.6からF8程度でも十分な被写界深度を得られる場面は多くあります。手前から遠景まで深くピントを残したい場合も、まず必要な被写界深度を確認してから絞る方が合理的です。
レンズの解像力と撮影条件の関係については、レンズ解像度とは?解像力・シャープネスとの違いと画質を引き出す撮影方法でも詳しく解説しています。
RF35mm F1.8 MACRO IS STMで撮る風景
35mmは広い景色と主役を同時に入れやすい
RF35mm F1.8 MACRO IS STMは、フルサイズEOS Rシリーズで35mmの画角を使える広角寄りの単焦点レンズです。超広角のように景色全体を極端に広く入れるレンズではありませんが、目の前の主役とその周囲の環境を一緒に写しやすく、風景撮影では非常に扱いやすい焦点距離です。
例えば手前に花を置き、その後ろに山を入れる構図では、35mmなら花だけでなく周囲の地面や背景の山まで自然に取り込めます。海岸では岩を前景にしながら海と空を入れ、街中では建物と道路、人の流れまで一枚にまとめることができます。
RF35mm F1.8 MACRO IS STMの基本性能や0.5倍マクロの使い方については、Canon RF35mm F1.8 MACRO IS STMレビューで詳しく解説しています。
最短0.17m・最大0.5倍で前景へ大きく寄れる
RF35mm F1.8 MACRO IS STMは最短撮影距離0.17m、最大撮影倍率0.5倍に対応します。等倍マクロではありませんが、一般的な35mm単焦点より被写体へ大きく寄れるため、風景撮影では前景を強調する使い方ができます。
例えば花へ近づいて画面の手前へ大きく配置し、その後ろへ山や森を入れると、単純に遠くの景色だけを撮る場合より奥行きのある写真になります。地面の苔、落ち葉、岩、水滴などへ寄りながら背景を残す構図も35mmマクロなら作りやすくなります。
35mmは人物と周囲を同時に写す場合にも使いやすい画角です。人物を含む風景撮影については、RF35mm F1.8 MACRO IS STMでポートレートを撮る方法も参考になります。
F1.8を使えば風景でも大きな前後ボケを作れる
風景写真はF8前後まで絞って画面全体を鮮明にする撮り方が多いものの、RF35mm F1.8 MACRO IS STMでは開放F1.8を使った風景表現もできます。被写体へ近づき、背景との距離を取れば、35mmでも背景を大きくぼかせます。
例えば手前の花だけへピントを合わせ、遠くの森や夕景を柔らかくぼかす撮り方ができます。反対にF5.6からF8程度まで絞れば、前景から背景まで多くの情報を見せる風景写真に変えられます。同じ場所でも絞りによって写真の性格を大きく変えられる点がF1.8レンズの面白さです。
RFマウントの単焦点レンズを焦点距離や用途から比較する場合は、Canon RF単焦点レンズ完全ガイドも参考になります。
RF85mm F2 MACRO IS STMで撮る風景
85mmは広い景色から一部分を切り取るのに向く
RF85mm F2 MACRO IS STMは、35mmより画角がかなり狭い中望遠レンズです。雄大な風景全体を一枚へ収める用途より、遠くにある山の一部分、木々の並び、建物、夕日の周囲など、景色の中から主役を選んで切り取る撮影に向いています。
広角レンズでは画面へ余計なものが入りやすい場面でも、85mmなら撮りたい部分だけを整理しやすくなります。山肌の光と影、並木の一部分、海岸の岩、遠くの建築物など、肉眼で見つけた小さな景色を写真としてまとめる使い方ができます。
RF85mm F2 MACRO IS STMの画角、ボケ、0.5倍マクロについては、Canon RF85mm F2 MACRO IS STMレビューで詳しく紹介しています。
85mmでは背景が整理されて圧縮感も出しやすい
85mmでは35mmより狭い画角になるため、背景へ写り込む範囲も少なくなります。遠くの山並みや建物が画面内で大きく見え、被写体同士の距離が実際より近く感じられるような圧縮感を作りやすくなります。
例えば何層にも重なった山を撮る場合、35mmでは広く周囲まで入りますが、85mmでは山だけを大きく抜き出せます。夕日と遠くの建物を重ねたり、並木道の木を密集して見せたりする構図にも向いています。
マクロレンズを中望遠単焦点として使う考え方はポートレートにも共通します。85mmや100mmマクロの通常撮影については、マクロレンズでポートレートは撮れる?でも詳しく解説しています。
0.5倍マクロで景色から細部へそのまま移れる
RF85mm F2 MACRO IS STMは最短撮影距離0.35m、最大撮影倍率0.5倍に対応します。山や木々を85mmで切り取ったあと、その場に咲いている花や木の実へ近づいてハーフマクロ撮影へ移れます。
35mmマクロと比べると同じ大きさで写す場合でも被写体から少し距離を取りやすく、背景へ入る範囲も狭くなります。そのため花や植物の一部分を浮かび上がらせ、背景を大きくぼかす撮影に向いています。風景の中で見つけた小さな主役を整理して見せたい場合には85mmが使いやすい焦点距離です。
Canon RFのマクロレンズをまとめて比較したい場合は、Canon RFマクロレンズの特徴と選び方も参考になります。
RF100mm F2.8 L MACRO IS USMで撮る風景
100mmは遠くの景色をさらに大胆に切り取れる
RF100mm F2.8 L MACRO IS USMは、85mmよりさらに狭い100mmの画角を持つ中望遠マクロレンズです。風景全体を説明する写真より、景色の中で目に留まった部分を強く見せる写真に向いています。
山の稜線、紅葉した木々、遠くの島、建築物の一部分、夕日と雲などを画面いっぱいへ引き寄せるように構成できます。広角レンズでは周囲へ埋もれてしまう小さな要素でも、100mmなら主役として大きく見せられます。
RF100mm F2.8 L MACRO IS USMの通常撮影とマクロ性能については、Canon RF100mm F2.8 L MACRO IS USMレビューで詳しく解説しています。
最大1.4倍なら肉眼では気づきにくい風景まで撮れる
RF100mm F2.8 L MACRO IS USMは最大撮影倍率1.4倍に対応します。一般的な等倍マクロよりさらに大きく写せるため、風景撮影の途中で見つけた花粉、水滴、葉脈、苔、岩の表面などを大きく記録できます。
山や森を「大きな景色」として撮影した直後に、同じ場所の極小の世界まで記録できるのは100mmマクロならではです。特に自然風景では、遠景だけではその場所の質感までは伝わりにくいため、広い景色と細部の写真を組み合わせることで撮影場所の印象をより立体的に残せます。
マクロレンズの撮影倍率や焦点距離による違いについては、Canonマクロレンズ一覧と用途別の選び方でも比較できます。
685gあるため風景では携帯性とのバランスを考える
RF100mm F2.8 L MACRO IS USMは約685gあり、RF35mm F1.8 MACRO IS STMの約305g、RF85mm F2 MACRO IS STMの約500gより大きく重いレンズです。山歩きや旅行で長時間持ち歩く場合には、この重量差は無視できません。
その代わり、本格的な1.4倍マクロ、100mmの中望遠画角、Lレンズとしての設計、ハイブリッドIS、SAコントロールリングなど、35mmや85mmにはない機能を持っています。単純に軽いレンズを求める場合より、「風景撮影と本格マクロを一本で行いたい」という目的に向くレンズです。
RF100mmマクロを含めたRFレンズ全体の描写特性については、Canon RFレンズはなぜ高画質なのかも参考になります。
35mm・85mm・100mmで風景の見え方はどう変わる?
35mmは「場所」を写しやすい
35mmは周囲の景色をある程度広く入れられるため、「どこで撮ったのか」を写真として残しやすい焦点距離です。山、森、海、街並みの広がりを見せながら、前景へ花や岩などを置く構図にも向いています。
旅行写真や散歩写真では、風景だけでなく人や建物も自然に画面へ入れられます。35mmマクロは近接撮影能力を持ちながら、通常の35mm単焦点として幅広く使えるため、一本だけ持って出かける場合にも使いやすい構成です。
35mmという焦点距離の使い方は、RF35mm F1.8 MACRO IS STMの使い方でも詳しく紹介しています。
85mmは「景色の中の主役」を写しやすい
85mmになると画面へ入る範囲が狭くなるため、風景の中から主役を一つ選ぶ撮影に向きます。山の頂上、特徴的な木、夕日の当たる建物など、広い景色の中で目を引いた部分だけを抜き出すと写真が整理されます。
35mmのように場所全体を説明する能力は下がりますが、その代わり余計な要素を排除しやすくなります。風景写真を撮っていると「広角で全部入れたら散漫になった」という場面がありますが、そのようなときに85mmへ切り替えると構図を単純化できます。
85mmの画角とボケの特徴については、RF85mm F2 MACRO IS STMレビューも参考になります。
100mmは「景色の形や質感」を強調しやすい
100mmではさらに画角が狭くなり、風景を説明するより形や色、光、重なりを抽出する撮影へ向きます。遠くの山肌の模様、木々の色の重なり、波の形、建築物の反復などを画面いっぱいへ配置できます。
さらにRF100mm F2.8 L MACRO IS USMでは、そのまま最大1.4倍まで寄れるため、遠景から極端なクローズアップまで撮影距離の幅が非常に大きくなります。「遠くを切り取る」と「極端に近づく」という二つの使い方を一本で行えることが100mmマクロの特徴です。
100mmマクロの通常撮影と接写の違いについては、RF100mm F2.8 L MACRO IS USMの撮り方で詳しく確認できます。
マクロレンズで風景を撮るときの設定
風景全体を鮮明にするならF5.6からF8を基準にする
遠景の風景を撮影する場合、F5.6からF8程度を一つの出発点にできます。この範囲なら多くのレンズで解像性能を得やすく、被写界深度もある程度広くできます。必ずF8へ固定する必要はなく、被写体との距離や焦点距離に応じて調整します。
手前から遠くまでピントを残したいからとF16やF22まで絞ると、回折によって細部の解像感が低下することがあります。必要以上に絞らず、ピント位置や構図を調整して被写界深度を確保する方が画質を維持しやすくなります。
解像力と絞りの関係については、レンズ解像度とシャープネスを引き出す撮影方法も参考になります。
前景を強調するときは開放寄りで背景をぼかす
花、葉、岩、水滴などを前景へ大きく入れる場合は、F1.8、F2、F2.8など開放寄りの絞りを使うことで背景をぼかせます。マクロレンズでは被写体へ近づくほど被写界深度が浅くなるため、同じF値でも通常の遠景撮影より大きなボケを作れます。
ただし、被写体へ極端に近づいた場合は開放ではピントが合う範囲が狭すぎることがあります。その場合はF4、F5.6、F8と少しずつ絞り、見せたい部分がどこまで鮮明に写るか確認します。
マクロ撮影で被写界深度が変化する理由については、マクロレンズの使い方と撮影の基本でも詳しく解説しています。
三脚がなくてもISを使って手持ち風景を撮れる
RF35mm F1.8 MACRO IS STM、RF85mm F2 MACRO IS STM、RF100mm F2.8 L MACRO IS USMはいずれもレンズ内手ブレ補正を備えています。風景撮影で三脚を持ち歩かない場合でも、光量が少ない夕方や森林などでシャッタースピードを落として撮影しやすくなります。
ただし、手ブレ補正は風で揺れる花や葉を止める機能ではありません。被写体そのものが動いている場合はシャッタースピードを上げる必要があります。静止した岩や建物なら低速シャッターを使いやすく、動く植物ならISO感度を上げてシャッタースピードを確保するという使い分けが必要です。
RFマクロレンズそれぞれの手ブレ補正や撮影用途については、Canon RFマクロレンズの特徴も参考になります。
普通の単焦点レンズとマクロレンズは風景で何が違う?
最大の違いは近接撮影できる範囲
通常の単焦点レンズとマクロレンズを風景撮影で比較した場合、遠景だけを撮るなら違いが分かりにくいことがあります。どちらも無限遠へピントを合わせられるため、山や街並みを撮るだけなら同じ焦点距離のレンズとして使用できます。
差が大きくなるのは被写体へ近づいたときです。RF35mm F1.8とRF85mm F2は最大0.5倍、RF100mm F2.8 Lは最大1.4倍まで拡大できます。一般的な単焦点では撮れない大きさまで花や小物へ寄れるため、風景撮影中に見つけた細部をそのまま記録できます。
通常の単焦点を含むRFレンズの焦点距離と用途は、Canon RF単焦点レンズ完全ガイドで比較できます。
マクロレンズはAF移動量が大きくなる場合がある
マクロレンズは無限遠から非常に近い距離までピントを合わせる必要があるため、通常レンズよりフォーカスの移動範囲が広くなります。近接位置から突然遠景へピントを移したり、その反対を行ったりすると、AFが大きく移動する場合があります。
風景だけを撮っている間は大きな問題になりませんが、遠景とマクロを頻繁に切り替える場合にはレンズごとのAF特性を理解しておくと使いやすくなります。RF100mm F2.8 L MACRO IS USMではフォーカス範囲を制限する機能も利用できるため、通常撮影と接写を切り替えながら使えます。
RF100mmマクロのAFやフォーカスリミッターについては、RF100mm F2.8 L MACRO IS USMレビューで詳しく解説しています。
ポートレートまで考えるなら35mm・85mm・100mmすべて使える
風景撮影の途中で人物も撮る場合、3本のRFマクロはいずれも通常の単焦点レンズとして利用できます。35mmは人物と背景を一緒に見せる環境ポートレート、85mmは人物を自然な距離から切り取る中望遠ポートレート、100mmは背景をさらに整理したバストアップや顔の撮影に向きます。
つまりマクロレンズは「風景+接写」だけでなく、「風景+接写+人物」を一本で担当できます。旅行や散歩でレンズ交換を減らしたい場合には、この汎用性が大きな利点になります。
マクロレンズを人物撮影へ使うメリットとデメリットについては、マクロレンズでポートレートは撮れる?で詳しく解説しています。
風景撮影なら35mm・85mm・100mmのどれを選ぶ?
風景を広く撮る機会が多いならRF35mm F1.8
旅行、街歩き、山、海、建築物など、場所全体を見せる写真が多いならRF35mm F1.8 MACRO IS STMが最も使いやすい選択です。約305gと軽く、F1.8で暗所にも比較的強く、0.5倍マクロまで利用できます。
広角端が35mmなので超広角風景には向きませんが、人間の視野に近い自然な広がりを残しながら、前景へ寄れることが魅力です。一本だけ持ち歩くマクロ付き単焦点としても使いやすいレンズです。
RF35mmを風景以外も含めて活用する方法は、RF35mm F1.8 MACRO IS STMレビューで確認できます。
風景の一部分を切り取るならRF85mm F2
山、森、街並みの一部分を整理して切り取りたい場合や、人物撮影も多い場合はRF85mm F2 MACRO IS STMが使いやすくなります。85mmは35mmより遠くの被写体を大きく写せ、背景へ入る範囲を狭くできます。
最大0.5倍マクロにも対応するため、遠景を切り取ったあとに花や植物へ寄ることもできます。約500gなので35mmより重くなりますが、100mm Lマクロよりは軽く、風景、人物、ハーフマクロを一本でこなす中間的な存在です。
RF85mm F2のマクロと通常撮影の使い分けは、RF85mm F2 MACRO IS STMレビューも参考になります。
本格マクロまで重視するならRF100mm F2.8 L
風景撮影だけでなく、花、昆虫、植物の細部などを本格的に大きく写したいならRF100mm F2.8 L MACRO IS USMが最も強力です。最大1.4倍という撮影倍率は35mmと85mmの0.5倍を大きく上回り、通常の風景撮影から極端なクローズアップまで一つのレンズで対応できます。
一方で約685gあり、35mmや85mmより持ち歩きの負担は増えます。風景散歩で軽さを重視するなら35mm、人物も撮るなら85mm、本格的なマクロ表現まで含めるなら100mmという分け方が分かりやすくなります。
RF100mmの1.4倍マクロやSAコントロールの特徴については、RF100mm F2.8 L MACRO IS USMレビューで詳しく紹介しています。
まとめ
マクロレンズは接写専用ではなく、無限遠までピントを合わせられるため風景撮影にも使用できます。通常の単焦点レンズと同じように山、海、街並み、森林などを撮影しながら、花、葉、水滴、岩、苔など風景を構成する細部へ大きく寄れることが特徴です。
RF35mm F1.8 MACRO IS STMは、35mmの画角で景色全体と前景を一緒に入れやすく、最短撮影距離0.17m、最大0.5倍まで寄れます。約305gと軽いため、旅行や散歩で風景とマクロを一本で撮りたい場合に向いています。
RF85mm F2 MACRO IS STMは、景色の中から主役を選んで切り取る撮影に向いています。85mmの中望遠画角によって背景を整理しやすく、0.5倍マクロを利用して花や植物へ寄ることもできます。人物撮影との相性も良いため、風景、ポートレート、マクロを一本で行いたい場合に使いやすいレンズです。
RF100mm F2.8 L MACRO IS USMは100mmの狭い画角で遠くの景色を切り取りながら、最大1.4倍という本格的なマクロ撮影まで行えます。約685gと重くなりますが、風景の遠景から肉眼では見えにくい細部まで一本で撮影できる表現範囲の広さが魅力です。
風景全体を広く残したいなら35mm、景色の一部分を整理して切り取りたいなら85mm、遠景の圧縮と本格的なマクロ撮影を重視するなら100mmという違いがあります。マクロレンズを風景へ使う価値は、単に「遠くも撮れる」ことではありません。一つの場所を大きな景色から小さなディテールまで連続して記録できることにあります。


