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RF28-70mm F2.8 IS STM 徹底レビュー・解説

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RF28-70mm F2.8 IS STM 徹底レビュー・解説 レンズ
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RF28-70mm F2.8 IS STM 徹底レビュー・解説

キヤノンのRFマウント用交換レンズ「RF28-70mm F2.8 IS STM」は、2024年9月27日に発売された標準ズームレンズです。ズーム全域で開放F値2.8という明るさを持ちながら、軽量・コンパクトな設計で注目を集めています。本記事では、RF28-70mm F2.8 IS STMの基本スペックから画質、使い勝手、競合レンズとの比較、価格動向やユーザーレビューに至るまで、あらゆる観点を網羅的に解説します。プロユースにも迫る描写力を備えつつ持ち運びやすい本レンズの魅力と弱点を詳しく見ていきましょう。

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基本スペックと技術解説

RF28-70mm F2.8 IS STMは、35mmフルサイズ対応の標準ズームレンズで、焦点距離28mmから70mmをカバーします。開放絞りはズーム全域でF2.8と明るく、暗所での撮影や浅い被写界深度によるボケ表現が可能です。最小絞りはF22まで絞ることができ、風景撮影などで高い被写界深度を必要とする場合にも対応します。レンズ構成は12群15枚で、特殊低分散ガラス(UDレンズ)を2枚、ガラスモールド非球面レンズを2枚含む高度な光学設計です。これにより色収差や球面収差を良好に補正し、高コントラストかつシャープな描写を実現しています。

絞り羽根は9枚の円形絞りを採用しており、点光源のボケも円に近い形状で滑らかに表現されます。フィルター径は67mmと小さめで、フィルターやレンズ保護フィルターの入手・交換も容易です。最短撮影距離は広角端(28mm)で約0.27m(オートフォーカス時)※、望遠端(70mm)では約0.35mとなっており、最大撮影倍率は0.24倍です。クローズアップ撮影では被写体にかなり寄ることができ、テーブルフォトや小物の撮影にも十分対応できます(なお、マニュアルフォーカス時には広角端で約0.24mまで寄ることが可能です)。

外形寸法は収納時で約φ76.5×92.2mmと、缶コーヒー程度の高さしかない非常にコンパクトなサイズです。質量も約495gと、従来のプロ向け大口径標準ズーム(例えばRF24-70mm F2.8 L IS USMの約900g)に比べて半分程度の軽さを達成しています。この軽量コンパクト化を可能にした大きな要因は、沈胴式(収納機構)の採用とイメージスタビライザー(IS、手ブレ補正機構)の小型化にあります。使用時にはズームリングを28mm位置よりさらに回して繰り出すことで撮影状態となり、収納時には鏡筒を短縮して携行性を高められる設計です。沈胴機構により携帯時の全長を短く抑えつつも、撮影時にはしっかりと固定される構造になっており、不用意に鏡筒が伸びたり縮んだりしない工夫がされています。

また、本レンズは防塵・防滴に配慮した設計となっており、マウント部にゴム製シーリングが施されています※。完全な防滴仕様のLレンズと比べれば簡易的な耐候性ではありますが、多少のホコリや水滴がかかる状況でも安心感があります。鏡筒外装には軽量化のため高品質なポリカーボネート(樹脂)素材が使われており、前玉のフィルターねじ部やフード装着部も樹脂製です。金属製よりも傷が付きやすい点には注意が必要ですが、その分重量軽減に貢献しています。マウントは堅牢な金属製で、頻繁な着脱にも耐える作りです。

  • 焦点距離:28-70mm(フルサイズ対応)
  • 開放絞り:F2.8(全域一定) / 最小絞り:F22
  • レンズ構成:12群15枚(UDレンズ2枚、非球面レンズ2枚含む)
  • 画角:水平約65°〜29°(対角線画角で約75°〜34°)
  • 絞り羽根:9枚(円形絞り)
  • 最短撮影距離:0.27m(28mm, AF時) / 0.35m(70mm)
  • 最大撮影倍率:0.24倍(70mm時)
  • フィルター径:67mm
  • 手ブレ補正効果:5.5段(レンズ単体, CIPA基準) / 協調IS時最大7.5段
  • 寸法・質量:約φ76.5×92.2mm・約495g
  • 発売日:2024年9月27日(希望小売価格:オープン*)

* キヤノンオンラインショップ参考価格:税込188,100円(発売時点)

画質・描写力とボケ特性

RF28-70mm F2.8 IS STMは、その軽量さからは想像できないほど高い光学性能を備えています。中心部の解像力は開放F2.8から非常に高く、被写体の細部まで鮮明に描写します。周辺部に関しても、デジタル補正を前提とした設計ではあるものの、実写では充分にシャープな画質が得られています。特にF4〜F5.6程度に絞れば画面の隅々まで解像感が向上し、風景写真などでも安心して使用できます。一方で、28mm広角端では開放F2.8時に周辺光量落ち(ビネッティング)が比較的強く出ますが、これはカメラ内の補正や現像時の補正で改善可能です。また歪曲収差も広角側では補正前提の大胆な光学設計となっており、RAW現像時には樽型歪曲が目立ちます。しかしCanon純正ソフトやカメラJPEGでは自動補正されるため、通常の撮影では歪みを意識することはほぼありません。

色再現やコントラストについても、最新のRFレンズらしく非常に良好です。逆光耐性も十分で、コーティング技術によりフレアやゴーストの発生は抑えられています(高価なLレンズに採用されるASCコーティングには及ばないものの、実用上問題ないレベルです)。全体として、Lレンズに匹敵する解像感とクリアな描写が得られると評価されています。実際にRF24-70mm F2.8 L IS USMと撮り比べても、細かな条件でよく見比べない限り差がわからないほどシャープだという意見もあります。

ボケ描写については、開放F2.8の明るさと9枚羽根の円形絞りの効果で、ズームレンズとしてはとても滑らかで柔らかなボケ味を示します。ピント面からボケへの移行も自然で、ポートレート撮影では被写体を美しく際立たせることができます。背景の点光源も円形に近く大きくボケるため、夜景ポートレートなどでも絵作りがしやすいでしょう。RF24-70mm F2.8 Lと比較しても遜色ないボケ質と評価されており、「ズームレンズとしては十分にきれいなボケ」という声が多いです。ただし、背景に複雑な枝葉や細かなディテールが重なるシーンでは、ボケがややうるさく感じられる場合もあります。また、強い点光源のボケ玉にはごくわずかに同心円状のパターン(いわゆるオニオンリング)が見られることがありますが、通常の撮影ではほとんど気になりません。周辺部のボケ像は、開放ではわずかにラグビーボール状の流れるような形になる(口径食や非点収差による)傾向がありますが、絞ることで改善します。

総じて、RF28-70mm F2.8 IS STMの描写力・画質は、日常のスナップから本格的な作品撮りまで幅広く信頼できる水準と言えます。キヤノン自身も「Lレンズに迫る高画質」と謳っており、実際ユーザーからも「ほぼLレンズ」と評される優秀な写りを示しています。

写真の表現力を高める画質の本質とは なめらかな階調と正確な色再現の力
画質とは解像度に留まらず、階調や色再現性、ノイズ低減、ダイナミックレンジ、コントラスト、複数の要素が相互作用し、撮影意図に応じた最適化で写真の表現力を最大化します。機材選びや撮影設定、画像処理も含めた総合的なアプローチで理想の画質を実現する

静止画および動画撮影での使い勝手

本レンズは静止画・動画の両方で使いやすさが考慮されています。オートフォーカス駆動にはリードスクリュータイプのSTM(ステッピングモーター)を採用し、高速かつ静粛なピント合わせを実現しています。実際の撮影では、静止画撮影時に被写体にスッと正確に合焦し、迷いやハンチングも少なく安定しています。動体追従も良好で、カメラ側のAF性能と相まって子供やペットの動きにも十分ついていける速さとの評価があります。STM駆動はUSM(超音波モーター)に比べて静音性に優れるため、動画撮影時にもフォーカス音がほとんど記録されません。屋内でのインタビュー撮影やVlog(ブイログ)撮影でも、ピント駆動音を気にせず快適に使えるでしょう。

加えて、本レンズはフォーカスブリージング(ピント移動に伴う画角変動)が極めて少なく抑えられています。シネマレンズほど完全ではないにせよ、通常の写真用ズームレンズとしてはブリージングが目立たず、動画撮影でのピント送り(フォーカスラック)を行っても違和感の少ない映像が得られます。これは動画クリエイターにとって大きな利点で、被写体にピントを合わせ直す際の画角変化が抑えられるため、プロフェッショナルな映像演出が可能です。

手ブレ補正も動画・静止画問わず役立つ機能です。レンズ内に光学式の手ブレ補正機構(IS)を内蔵し、レンズ単体で最大5.5段※のシャッタースピード低減効果があります。さらにボディ内手ブレ補正(IBIS)を搭載したEOS Rシリーズのカメラと組み合わせることで協調制御が働き、最大で7.5段相当(中央部)の補正効果を発揮します。例えば夕景のスナップ撮影や暗い室内での手持ち撮影、さらには歩き撮りの動画撮影などでも、ブレを抑えたシャープな結果が得られるでしょう。ただし、メーカー公称の「7.5段」は理論値であり、実際には個人差や状況によって効果は異なります。長秒露光の手持ち撮影は過信せず、慎重に構えることが推奨されます。

操作性の面では、側面にAF/MF兼コントロール切替スイッチと、手ブレ補正ON/OFFスイッチがあります。AF/MFスイッチは中央ポジションが存在しない2段式で、AF位置ではフォーカスリングが「コントロールリング」として機能し、MF位置ではマニュアルフォーカス操作となります。このスイッチにより、普段は露出補正や絞り値設定などをフォーカスリングに割り当て、必要な時だけMFに切り替えてピント調整するといった使い方が可能です。ただし、ファインダーを覗きながらスイッチを操作する際には指先の感触のみで切り替えを判断する必要があり、慣れないうちは若干戸惑う場合もあります。

ズームリングやフォーカスリングのトルク感も適度で、ズームリングは滑らかに回りながらもしっかりとした抵抗があり、構図を決める際に微調整しやすいフィーリングです。沈胴式ではありますが、撮影状態での操作に不安はなく、リングを28mm位置に戻せばカチッとした手応えとともに収納ポジションにロックされます。動画撮影でズーミング操作を行う場合も、その節度のおかげで急激な画角変化を防ぎスムーズな移動が可能です(ただし、一般的な写真用ズームレンズであるため、いわゆるパラフォーカル〈ズーミングしてもピント位置がずれない設計〉ではありません。ズームしながらの撮影では都度ピントを調整する必要があります)。

総合すると、RF28-70mm F2.8 IS STMはスチル(静止画)・ムービー(動画)の両面で快適な撮影をサポートしてくれるレンズです。静止画では高速AFと高い描写力で決定的瞬間を逃さず、動画では静音フォーカス・低ブリージング・強力な手ブレ補正によりプロ品質の撮影を身近なものにしてくれます。

携帯性とサイズ感・重量バランス

RF28-70mm F2.8 IS STM最大の特徴の一つが、その携帯性です。重量約495g、全長わずか92.2mm(収納時)というサイズは、同クラスの大口径標準ズームとしては驚異的なコンパクトさです。日常的にカメラを持ち歩きたいスナップ愛好家や旅行撮影をする人にとって、この軽さと小ささは大きなメリットになります。実際、RF24-70mm F2.8 L IS USM(約900g)から乗り換えたユーザーからは、「長時間の撮影でも疲労感が激減した」「カメラバッグ内で他の機材と併せても荷物が軽くなった」といった声が聞かれます。カメラに装着した際のバランスも良好で、中級機のEOS R6 Mark IIや小型軽量のEOS R8などに付けても前玉の重さで前傾しすぎることなく、安定して構えられます。

沈胴機構のおかげで、未使用時はレンズを縮めておけるため持ち運び時にかさばりません。旅先でカメラをバッグに収める際や、散歩の途中でさっとカメラをしまいたい時にも、この沈胴式は便利です。多くの沈胴レンズは撮影前にロック解除操作が必要ですが、本レンズはズームリングをひねるだけで撮影状態にでき、わずらわしさがありません。28mm位置に戻して少しひねればカチッと収納状態に固定されるため、不用意に伸びてしまう事故も防げます。構造上、鏡筒を伸ばした撮影状態では伸縮部に若干のガタつきを感じる場合がありますが、撮影画像に影響するようなブレは生じません。

携帯性とトレードオフになる要素としては、広角端が24mmではなく28mmからである点が挙げられます。つまり風景や建築物の撮影でより広い画角が必要な場合、RF24-70mm F2.8 L IS USMやRF15-30mm F4.5-6.3 IS STMなど、他の広角寄りのレンズが必要になるケースもあるでしょう。しかしながら、28mmでもスナップやポートレート、日常風景には十分対応可能であり、4mmの差は実用上大きな制約とはならないという意見も多いです。それよりも携行性の利点の方が勝り、「24mmのために倍の重量を持ち歩くより、28mmスタートでも軽い方が出番が増える」というユーザーもいます。

結果として、RF28-70mm F2.8 IS STMは「カメラと一緒に常に持ち出せる標準ズーム」として高い評価を受けています。かさばらず軽快なセットアップはシャッターチャンスを逃さずカメラを取り出す機会を増やし、写真撮影そのものをより身近なものにしてくれるでしょう。

他のレンズとの比較

RF24-70mm F2.8 L IS USMとの比較

キヤノンのプロ用標準ズームであるRF24-70mm F2.8 L IS USMは、本レンズと画角が近く比較対象に挙がります。最大の違いは、そのサイズ・重量と耐久性です。RF24-70mm F2.8 Lは全長約125.7mm、重量約900gと本レンズの2倍近い重さがあり、金属鏡筒や防塵防滴シーリングもしっかり施された堅牢な造りです。描写性能は開放F2.8から優秀で、プロの要求に応える隅々までの高い解像とコントラスト、およびコーティングによる逆光耐性(ASCコーティング採用)を備えます。RF28-70mm F2.8 IS STMも実写上はほぼ同等にシャープとの評価がありますが、光学補正に電子補正を前提としている点や、周辺減光・歪曲収差の補正余地などに差があります。24mmの画角が必要な風景撮影や建築写真ではLレンズの優位性があります。またAF駆動にはナノUSMモーターを採用し、より静かで高速なAFであること、ボディ側の操作リングとは別に専用のコントロールリングを備えるなど、細かな操作性でもプロ志向の設計です。

一方、RF28-70mm F2.8 IS STMは半分程度の重量であるため機動力で優れ、価格も約半額以下と導入しやすい点で勝ります。実際の画質差が僅少であることから、「よほど24mmの広角が必要でなければRF28-70mmで十分」という声も多く、用途と予算次第ではLレンズではなくこちらを選ぶ価値が大いにあります。特に旅行や長時間の撮影では軽さが正義となるため、画質と携行性のバランスを求めるユーザーにはRF28-70mm F2.8 IS STMが魅力的な選択肢と言えるでしょう。

RF24-70mm F2.8L IS USMの魔法:Canonの魅惑的な描写力
Canon RF 24-70mm F2.8L IS USMは、広角から中望遠までの焦点距離をカバーし、F2.8の明るい開放絞りと手振れ補正を備えた魔法のようなズームレンズです。風景からポートレートまで幅広いシーンで活躍し、高い解像度と美しいボケが被写体を引き立てます。防塵・防滴構造により、あらゆる環境で安定したパフォーマンスを発揮するこのレンズは、特にクリアな描写と操作性の良さで撮影者を魅了します。

RF24-105mm F4 L IS USMとの比較

焦点距離のレンジという点では、RF24-105mm F4 L IS USMも比較に挙がります。こちらは開放F値が4と一段暗い代わりに、105mmまでの望遠側をカバーする高倍率標準ズームです。Lレンズのため堅牢な防塵防滴構造とプロユース想定の設計で、質量約700gとRF28-70mm F2.8 STMよりは重めですがRF24-70mm F2.8 Lよりは軽量です。画質は良好で、特に中心から中間域にかけてシャープ、ただし周辺部の解像はF8程度まで絞るとベストになる傾向があります。

RF28-70mm F2.8 IS STMと比較すると、明るさ(ボケ量やシャッタースピード余裕)はF2.8の本レンズに軍配が上がります。一方、24mmと105mmというレンジの利便性はRF24-105mm F4 Lに分があり、旅行でレンズ交換したくない場合や被写体距離の変化が大きいイベント撮影などでは便利です。価格帯も両者近しく(キヤノンオンラインショップ価格でほぼ同程度)、ユーザーの用途次第で選択が分かれるところです。広いズーム範囲を取るか、明るさと画質を取るかというトレードオフになりますが、「ズームレンジの広さよりF2.8の明るさ・ボケを重視するならRF28-70mm F2.8 IS STM」「望遠105mmまで1本で済ませたいならRF24-105mm F4 L」といった棲み分けになるでしょう。

RF24-105mm F4L IS USM 魅惑のズーム その多用途性と描写力
「RF 24-105mm F4L IS USM」は、キヤノンの魔法的ズームレンズとして、24mmから105mmまでの広範囲をカバーし、風景からポートレート、日常のスナップまで多彩な撮影に対応します。ズーム全域でF4の明るさを維持し、手振れ補正や防塵・防滴性能を搭載しているため、どんな環境でも安定した描写を提供。長時間の使用にも耐え、初心者から上級者まで、あらゆるシーンで「魅惑のズーム」として活躍する一本です。

RF28-70mm F2 L USMとの比較

キヤノンRFレンズにはもう一つユニークな標準ズーム、RF28-70mm F2 L USMがあります。こちらは世界初の開放F2通しズームとして2018年に登場し、その圧倒的な描写力で話題となりました。開放F2という本レンズより1段明るいメリットがある反面、重量約1430g・フィルター径95mm・価格も実売300,000円超と、まさに「巨砲」と言える代物です。画質面ではズームとは思えないボケの柔らかさと解像力で単焦点に迫りますが、手ブレ補正(IS)は非搭載であり、携行性も含めてかなり使用者を選ぶレンズです。

RF28-70mm F2.8 IS STMはその「F2ズーム」の兄貴分と比べると、明るさこそ一段劣るものの重量は約1/3、価格も1/3以下と非常に現実的で扱いやすい選択肢です。描写傾向も異なり、開放F2の絵作りは独特ですが、F2.8でも実用上は十分大きなボケを得られるため、多くの場面で本レンズの方が取り回しの良さも相まって使いやすいでしょう。「究極の描写」を求めるごく一部のプロやハイアマ以外は、RF28-70mm F2.8 IS STMのコストパフォーマンスと機動性に軍配が上がるはずです。

なお、RFマウント対応のサードパーティー製標準ズーム(タムロンやシグマなど)は2025年現在存在しないため、純正レンズで上記のようなラインナップから選ぶ必要があります。EFマウント時代のレンズをマウントアダプター経由で使うことも可能ですが、EF24-70mm F2.8L II USMですら約805gあり、本レンズの軽さが際立ちます。そうした点でも、RF28-70mm F2.8 IS STMはRFシステムに最適化された「軽さと性能」の恩恵を存分に享受できるレンズと言えます。

Canon RF28-70mm F2L USM:魔法のような描写力と圧倒的な明るさ
Canon RF 28-70mm F2L USMは、ズームレンズとしては珍しい明るさ「F2」を持ち、標準ズームでありながら単焦点に匹敵する描写性能を備えています。ポートレートから風景、夜景まで、シーンを選ばず美しいボケと高解像度を実現し、あらゆる瞬間を魔法のように引き立てます。その重厚な設計と高品質なLレンズの光学性能が、プロフェッショナルの撮影を支える一方で、幅広いシーンに対応できる柔軟性も備えています。

価格推移とコストパフォーマンス

RF28-70mm F2.8 IS STMの発売時のメーカー参考価格(キヤノンオンラインショップ)は税込188,100円でした。Lレンズではないとはいえ、高性能な標準ズームとしては比較的手頃な価格設定と言えます。実売価格は発売直後で160,000円前後からスタートし、その後少しずつ値動きが見られますが、大きな値崩れは起きていません。2025年現在、新品の実勢価格はおおむね150,000円台後半~160,000円程度で推移しており、人気の高さを反映して安売りはあまりされていない印象です。ただし、キャンペーンやセール時には一時的に約100,000円台前半(海外では999ドルセールなど)まで下がるケースも報告されています。

コストパフォーマンスの面では、同じF2.8通しのRF24-70mm F2.8 L IS USM(実売300,000円前後)と比較すると圧倒的に優秀です。描写性能がほぼ同等レベルでありながら価格は半額以下である点は、予算の限られるユーザーにとって大きな魅力となります。また、これまでキヤノン純正で同価格帯に存在した標準ズームRF24-105mm F4 L IS USM(実売160,000~180,000円前後)と比べても、開放F値の明るさを考慮すれば遜色ない価格設定です。むしろ「F2.8の明るさをこの価格で提供してくれた」ことに対し、ユーザーからは歓迎の声が上がっています。

中古市場では発売から間もないこともあり玉数は少なめですが、徐々に出回り始めています。中古価格は新品より1~2割安い程度が相場で、状態の良いもので130,000~140,000円台といったところです。供給が潤沢ではないため、良品を見つけたら早めの購入を検討してもよいでしょう。将来的には後継モデルや競合の登場も考えられますが、現時点ではRF28-70mm F2.8 IS STMは唯一無二の存在であり、その価値を長期間保ち続ける可能性が高いと考えられます。

総合して、本レンズの価格設定は非常に良心的であり、描写力・機能性とのバランスに優れる「買って損のない一本」と言えるでしょう。プロクオリティに迫る画質と利便性を約150,000円前後で手に入れられることは、EOS Rシステムユーザーにとって朗報であり、多くのユーザーがその価値に満足しています。

コストパフォーマンスで選ぶ最適なカメラ・レンズ
カメラやレンズの選定は、撮影のクオリティに直結する重要なポイントです。限られた予算内で最高のパフォーマンスを実現するため、各機材の性能、耐久性、そして将来的な価値を総合的に判断することが求められます。コストパフォーマンスで選ぶ最適なカメラ・...

実写レビューの傾向とユーザー評価

発売以降、RF28-70mm F2.8 IS STMを実際に使ったユーザーやレビューアーからは概ね高い評価が寄せられています。多くの人がまず驚くのは「本当に写りが良い」という点です。従来、軽量コンパクトな標準ズームは画質面でプロ仕様のレンズに劣る場合がありましたが、本レンズはその常識を覆しています。実写レビューでは「Lレンズと見紛う描写力」「24-70mm F2.8Lと比較して遜色ないシャープネス」といったコメントが多く、キヤノンのレンズ設計技術の高さが窺えます。特に、同じRF24-70mm F2.8 L IS USMを所持していたユーザーが乗り換え後に「画質の差を感じない」と述べるケースもあり、相当自信を持って良い画質と言えるでしょう。

また、携帯性のメリットを実感する声も多数です。「常にカメラバッグに入れて持ち歩ける」「旅行で一日中首から下げていても負担が少ない」など、約500gという軽さが撮影スタイルにプラスの変化をもたらしたという意見が目立ちます。結果として「出番が増えた標準ズームだ」という声も聞かれ、重いレンズだと敬遠しがちだった日常のシーンでも気軽に使えるとのことです。

一方、いくつか指摘されている点もあります。例えば、最広角が28mm止まりであることに不便を感じるユーザーも一部存在します。室内撮影や風景撮影であともう少し広く撮りたい場面では、サブとしてRF16mmやRF15-30mmなどの広角レンズを併用する必要があるでしょう。また、沈胴機構ゆえの耐久性を不安視する声や、プラスチックパーツが多いことへの懸念(フィルターのネジ山が樹脂なので扱いは丁寧に、など)も少数ながらあります。もっとも、実際に壊れやすいという報告はなく、通常の使用で問題が起きるレベルではありません。

総じてユーザー満足度は非常に高く、「待望の軽量大口径ズームが期待以上だった」という評価に集約されます。ネット上のレビューやSNSでも肯定的な意見が多く見られ、「赤ハチマキ(Lレンズ)が無くても大満足」「これがあればLレンズはいらないかも」といった声も上がるほどです。キヤノンが提案する新しいスタンダードズームとして、市場でしっかり受け入れられていると言えるでしょう。

作例に見る描写特性

実際の作例写真からもRF28-70mm F2.8 IS STMの描写特性がよく分かります。例えばポートレートの作例では、開放F2.8で撮影すると被写体(人物)の輪郭がシャープに浮かび上がり、背景は美しく大きくボケて被写体が際立っています。瞳の輝きや髪の質感など細部まで解像しつつ、背景の街明かりは柔らかな玉ボケとなり、人物を引き立てる描写が得られています。絞りをF4やF5.6に調整すれば、人物全体によりフォーカスが合い、背景のディテールも少しずつ判別できるようになりますが、それでもボケの滑らかさは健在で、自然な立体感のある描写です。

風景写真の作例では、絞りF8前後まで絞った際のコーナーまでの解像力に注目です。遠景の山並みや建物の細部まで粘り強く解像しており、広角端28mmでも中心から周辺までクリアな画像が得られています。空に太陽が入るような逆光気味のシーンでも、大きなフレアは発生せず、コントラストがしっかり維持されています。また、絞り込んだ際に光源が点となった場合、美しい光芒(サンスター)が現れます。9枚絞りによる18本の鋭い光芒が夜景の街灯や星空撮影などで確認でき、風景描写にアクセントを加えてくれます。

近接撮影の作例として、テーブルフォトで花瓶の花を撮った写真では、約0.3mまで寄って背景を大きくぼかすことで、主題の花を浮き立たせる描写が見られます。ボケの滲み具合はとても滑らかで、背景にある他の飾りや窓の外の景色は完全にぼけて絵画のような柔らかさです。周辺部では玉ボケがやや楕円形になる様子も見られますが、画面の印象を損なうほどではなく、むしろソフトな雰囲気に寄与しています。

総じて、作例から読み取れるのは「解像力とボケ味の高次元な両立」です。どの焦点距離でも被写体の質感をしっかり描写しつつ、背景や前景は美しくぼかして被写体を強調できます。このバランスの良さこそが、本レンズが様々なシーンで重宝される理由と言えるでしょう。初心者から上級者まで、作例写真を見るだけでも本レンズのポテンシャルに魅了されるはずです。

描写性能の頂点へ 解像度とボケが織りなす美の世界
「描写性能」にフォーカスしたカメラとレンズの奥深い世界へご案内します。解像力、色再現性、ボケの質など、魅惑的な描写性能が生み出す写真の魔法を徹底解説。各レンズが持つ独自の描写力を理解し、表現力豊かな一枚を撮影するための知識を深めましょう。撮影者が求める透明感や奥行き感を実現するための描写性能の秘密に迫り、あらゆるシーンで活躍するレンズ選びをサポートします。

おすすめの使用シーンと適したユーザー層

RF28-70mm F2.8 IS STMは、その汎用性の高さから幅広い撮影シーンで活躍します。まず、スナップ撮影日常の記録に最適です。軽くて持ち出しやすいため、街歩きや旅行のお供にカメラバッグへ常備しておけば、出会った被写体を逃さず撮影できます。カフェでの何気ない一枚から旅先の風景、イベント会場でのスナップまで、28-70mmの画角範囲は人間の視覚に近い自然な写りを提供し、様々なシーンを違和感なく切り取れます。

ポートレート撮影においても本レンズは大いに力を発揮します。70mm・F2.8で得られる浅い被写界深度により、背景をぼかして人物を浮かび上がらせるポートレートが手軽に撮れます。屋外ロケでもスタジオでも、中望遠70mmは被写体との適度な距離感を保ちつつ、圧縮効果で背景をコントロールしやすい焦点距離です。複数人の集合写真ではズームを調整してフレーミングしやすく、F2.8で必要十分なシャッタースピードを確保できるため屋内撮影でも活躍します。

風景・建築撮影では、広角端28mmがやや狭いものの、遠景の山並みや街並みを切り取るには十分な画角と言えます。特に旅行先などでレンズ交換をせずにサッと撮影したい場合、28-70mm一本で風景からクローズアップまで対応できるのは便利です。夜景撮影でもF2.8の明るさは有利で、ISO感度を抑えつつ撮影できる場面が増えるでしょう。

動画撮影においては、VlogやYouTube向けのコンテンツ制作から本格的な映像制作まで幅広く適しています。自撮り用途では28mmはギリギリ収まる画角で、手持ちVlogならレンズアームを伸ばして顔と背景をバランスよく入れられます。STM駆動の静音AFと強力な手ブレ補正により、歩き撮りの映像も滑らかでピントも安定しています。焦点距離70mm側は商品紹介動画での物撮りやインタビュー撮影でも活躍し、一本のズームで様々なカットを撮れる利便性があります。

こうした特性から考えると、RF28-70mm F2.8 IS STMは初心者から中級者、そしてサブ用途で使うプロまで幅広いユーザー層におすすめできます。初めて明るい標準ズームを手にするエントリーユーザーにとっては、レンズ交換の頻度を減らしつつ表現の幅を広げてくれる頼もしい一本となるでしょう。重量級の機材を避けたい女性やシニアの愛好家にも、この軽さは大きなアドバンテージです。また既にLレンズ等を所有するプロ・ハイアマチュアにとっても、取材やロケハン、プライベート旅行など「機動性を優先したい場面」で画質妥協なく使えるサブレンズとして重宝するはずです。

弱点・注意点

優れた性能で人気のRF28-70mm F2.8 IS STMですが、いくつか注意すべきポイントも存在します。まず、繰り返しになりますが焦点距離が28mmスタートである点です。広角24mm相当の画角に慣れていると、室内やダイナミックな風景で「あもう少し広く撮りたい」と感じる場面があるかもしれません。このため、本格的に風景撮影をする場合は別途超広角レンズを用意するか、あるいはパノラマ合成など工夫が必要です。

次に、電子補正前提の光学設計であること。前述の通り、28mm側では歪曲収差や周辺減光が補正なしでは大きめです。JPEGで撮る分には問題ありませんが、RAWで撮影して補正を切ったままだと像が歪んだり4隅が暗く落ち込んだりします。これは最近のミラーレス用レンズ全般に言えることではありますが、本レンズも例外ではありません。RAW現像時にはレンズプロファイルによる補正を忘れないようにしましょう。

また、ビルドクオリティに関する不安を挙げる声も少数ながらあります。具体的には、鏡筒の多くが樹脂製であるため、強い衝撃を与えた際の耐久性や、フィルターのねじ込み部の摩耗などが懸念されています。これに関しては実際に使用する上で丁寧に取り扱うことで大半は回避可能です。レンズフード(別売のフードEW-73D)を装着して前玉を保護したり、持ち運びの際にはクッション性のあるケースに入れるなどの対策をすると良いでしょう。沈胴機構に関しても、砂埃の多い環境で頻繁に繰り出し操作をすると微細なゴミの混入リスクはゼロではないため、その点も配慮が必要です。

AF速度や精度に関しては概ね良好ですが、極端な高速動体やスポーツ撮影では、より上位のUSM搭載レンズ(例:RF70-200mm F2.8 L IS USMなど)には一歩譲る可能性があります。AF-Cで被写体を追従する際のレスポンスなど、カメラ本体との組み合わせによっては差が出る場合もあるため、動きもの中心の方はその点を把握しておくとよいでしょう。

最後に、付属品についての注意点です。本レンズにはLレンズとは異なりレンズフードが同梱されていません(別売)。購入したら必要に応じてフードを追加購入することをおすすめします。また、防滴仕様ではありますが完全防水ではないため、雨天での長時間使用などは避け、防水カバーを併用するなどの注意が望まれます。

以上のような弱点・注意点はあるものの、それらは本レンズの長所と比べれば大きな欠点とは言えません。適切に取り扱い、補完することで十分にカバーできる事項ばかりです。

総合評価と結論

RF28-70mm F2.8 IS STMは、キヤノンEOS Rシステムにおける新たなスタンダード標準ズームとして極めて魅力的な一本です。従来は重量増や高価格とトレードオフだった「F2.8通しズーム」のハードルを大きく下げ、より多くのユーザーに開放しました。その描写性能はLレンズに肉薄し、携行性は従来にないほど高く、写真・動画を問わずあらゆる場面で活躍できる懐の深さがあります。

もちろん完璧なレンズというわけではなく、28mmスタートゆえの広角不足や電子補正前提の光学設計、ビルド面での一部コストカットなど、割り切られた部分もあります。しかし、それらの弱点を踏まえてもなお余りあるメリットが本レンズには備わっています。実際に使ってみれば、その扱いやすさと映りの良さにきっと驚かされることでしょう。

総合的に見て、RF28-70mm F2.8 IS STMは「高画質と軽快さのベストバランス」を実現したレンズだと言えます。プロフェッショナルからアマチュアまで、幅広いユーザーが恩恵を享受できる一本であり、標準ズーム選びにおいて有力な選択肢となっています。もしあなたがEOS Rシリーズで本格的な撮影に挑戦したいと考えているなら、このレンズはその期待に応えてくれる心強い相棒になるでしょう。

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