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LAOWA「24mm F2 Zero-D Tilt-Shift」正式発表|6マウント対応・価格・仕様を解説

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LAOWA「24mm F2 Zero-D Tilt-Shift」正式発表|6マウント対応・価格・仕様を解説 レンズ

LAOWA「24mm F2 Zero-D Tilt-Shift」正式発表|6マウント対応・価格・仕様を解説

LAOWA(ラオワ)を展開するVenus Opticsは2026年11月5日、「Laowa 24mm f/2 Zero-D Tilt-Shift」を正式発表しました。フルサイズ対応の24mm広角レンズに、±12mmのシフト機構と最大±10°のティルト機構を搭載し、開放F2という明るさを実現したマニュアルフォーカスレンズです。対応マウントはSony E、Nikon Z、Canon RF、Lマウント、Fujifilm GFX、Hasselblad XCDの6種類で、フルサイズだけでなく中判ミラーレスカメラにも対応しています。

ティルト・シフトレンズは、建築物の垂直線を保つパース補正や、ピント面の傾きを変える特殊な撮影に使用するレンズです。従来の24mmクラスではF3.5程度の製品が代表的でしたが、Laowa 24mm F2 Zero-D Tilt-Shiftは開放F2によって暗い室内や夕景、夜間撮影にも対応しやすくなっています。さらに67mmの大きなイメージサークル、360°の回転機構、77mmフィルター対応など、実用的な仕様も備えています。

今回の正式発表では、海外価格が1,249米ドルと明らかになり、メーカー公式サイトでも販売が開始されました。従来から紹介してきたCanon RFマウントでの用途に加え、今回は正式発表された仕様、6マウントの対応状況、中判カメラでの使い方、実際のティルト・シフト可動範囲、国内購入時の確認点を中心に詳しく解説します。

Laowa 24mm F2 Zero-D Tilt-Shiftが正式発表

Laowa 24mm F2 Zero-D Tilt-Shiftは、ティルト・シフト機構と開放F2の明るさを組み合わせたフルサイズ対応の広角単焦点レンズです。メーカーは建築、インテリア、風景、商品撮影などを主な用途として紹介しています。従来のティルト・シフトレンズでは明るさよりも収差補正や広いイメージサークルが優先されてきましたが、本製品は光量の少ない環境での撮影にも重点を置いています。

2026年11月5日に正式発表、海外価格は1,249ドル

Venus Opticsは2026年11月5日にLaowa 24mm F2 Zero-D Tilt-Shiftを発表し、メーカー公式オンラインストアで1,249米ドルの価格を掲載しました。欧州向けの販売案内では1,609ユーロという価格も示されており、地域ごとに販売条件が設定されています。欧州の販売代理店Focus Nordicは2026年12月からの出荷を案内していますが、日本国内の正式な税込価格と発売日は別途確認が必要です。

製品の中心となる仕様は、焦点距離24mm、開放F2、絞り最小F22、シフト±12mm、ティルト最大±10°です。メーカーは同クラスのF3.5ティルト・シフトレンズと比較して約1.6段明るいと説明しています。F2という大口径は単に暗所撮影に有利なだけでなく、ティルト操作でピント面を傾けた際のボケ表現にも大きく関係します。

従来の建築用ティルト・シフトレンズは、日中に三脚を使用して絞り込む撮影が中心でした。本製品では夕暮れの都市景観や照明の少ない室内でも、開放F2を利用してシャッター速度やISO感度を調整できます。キヤノンユーザー向けの使い方については、Laowa 24mm F2 Zero-D Tilt-ShiftはCanon RFで何ができる?TS-E24mmとの違いで詳しく紹介しています。

主要スペック一覧

正式発表された仕様では、光学系は10群13枚で構成されています。欧州向けの製品発表資料によると、EDレンズ5枚、高屈折率レンズ4枚、非球面レンズ2枚を採用しています。絞り羽根は14枚で、最短撮影距離25cm、最大撮影倍率0.194倍に対応しています。

項目 仕様
製品名 Laowa 24mm f/2 Zero-D Tilt-Shift
メーカー Venus Optics(LAOWA)
焦点距離 24mm
対応フォーマット フルサイズ・中判
開放F値 F2
最小絞り F22
レンズ構成 10群13枚
絞り羽根 14枚
シフト量 ±12mm
ティルト角度 最大±10°
回転機構 360°
イメージサークル 67mm
最短撮影距離 25cm
最大撮影倍率 0.194倍
フォーカス方式 マニュアルフォーカス
フィルター径 77mm
最大径 93mm
全長 119mm
重量 約860g
海外公式価格 1,249米ドル
発表日 2026年11月5日

全長119mm、重量約860gという数値は、開放F2の大口径とティルト・シフト機構を組み合わせたレンズとしては比較的コンパクトにまとめられています。一方、一般的な24mm F2単焦点レンズと比較すれば、大型で重量のある特殊レンズです。ティルト・シフト撮影では三脚や雲台との組み合わせも重要になるため、レンズ単体の重量だけでなく撮影システム全体の構成を考える必要があります。

キヤノン純正の24mmティルト・シフトレンズとの比較では、TS-E24mm F3.5L II 建築撮影の必須レンズ|歪み補正と高精細描写も参考になります。

大口径F2とZero-D設計を両立

Laowa 24mm F2 Zero-D Tilt-Shiftの特徴は、ティルト・シフト機能に加えて開放F2の明るさを備えた点です。F3.5と比較すると、F2では同じシャッター速度でISO感度を低く設定でき、同じISO感度なら短い露光時間を選択できます。夕景の建築撮影や照明の暗いインテリア撮影では、こうした露出設定の自由度が実用上の利点になります。

製品名に含まれるZero-Dは、LAOWAが採用する低ディストーション設計を意味します。建築物の窓枠や柱など、直線が多い被写体では樽型や糸巻き型の歪曲収差が目立ちやすくなります。Zero-D設計はこうした光学的な歪みを抑えることを目的としていますが、シフト機構によるパース補正とは役割が異なります。

シフトはカメラを傾けずに写る範囲を移動させる機能で、建物の垂直線がすぼむ現象を抑えるために利用します。Zero-Dはレンズ自体の歪曲収差を抑える光学設計であり、両者を組み合わせることで建築物の直線を自然に描写しやすくなります。この違いについては、シフトレンズとは?ティルトとの違いと建築写真で垂直線を保つ使い方で詳しく説明しています。

6種類のマウントに対応する幅広い製品展開

Laowa 24mm F2 Zero-D Tilt-Shiftは、フルサイズ用ミラーレスカメラだけでなく、富士フイルムとハッセルブラッドの中判ミラーレスカメラにも対応します。正式発表された対応マウントは合計6種類で、それぞれ専用マウント版が用意されています。従来の特殊レンズでは一部マウントのみが販売されることも多いため、中判用を含む幅広い対応は注目点です。

Sony E・Nikon Z・Canon RF・Lマウント

フルサイズミラーレスカメラ向けには、Sony E、Nikon Z、Canon RF、Lマウントの4種類が用意されています。それぞれのマウント版を選択することで、対応するボディへ直接装着できます。マウントアダプターを使用せずにティルト・シフト機構を利用できるため、機材構成を簡潔にできます。

Canon RF版では、EOS R5シリーズやEOS R6シリーズなどのフルサイズ機と組み合わせることができます。キヤノン純正のTS-E24mm F3.5L IIはEFマウント用なので、EOS RシリーズではマウントアダプターEF-EOS Rが必要です。LaowaはRFマウントに直接対応するため、アダプターを使わずに24mmのティルト・シフト撮影を行えます。

Lマウント版については、メーカー公式サイトに互換性の制限が掲載されています。Panasonic LUMIXのS5II、S5IIX、S1II、S1IIE、S1RIIに該当するモデルは非対応と案内されています。Lマウントという名称が共通でもすべてのカメラで使用できるわけではないため、この制限は購入時に重要です。

Canon RFでの具体的な撮影操作や純正TS-Eレンズとの比較については、Laowa 24mm F2 Zero-D Tilt-ShiftはCanon RFで何ができる?を参照してください。

Fujifilm GFXとHasselblad XCDにも対応

本製品はFujifilm GFXマウントとHasselblad XCDマウントにも対応しています。両シリーズはフルサイズより大きな撮像素子を採用する中判ミラーレスカメラで、建築、広告、商品、風景などの撮影分野で使用されています。67mmのイメージサークルを備える本製品は、こうした大型センサーでの使用も想定されています。

中判カメラでは、同じ24mmレンズでもフルサイズと画角が異なります。一般的な44×33mmセンサーの場合、24mmは35mm判換算で約19mmの広角に相当します。建築物の全景や狭い室内など、広い範囲を写す必要がある撮影では、この画角が有効です。

さらに、中判カメラでティルト・シフト機構を使用できる点も特徴です。高画素の中判センサーとシフト機構を組み合わせれば、建物の垂直線を保ちながら細部まで記録できます。中判カメラのアオリ撮影については、ARCA-SWISS PicoでハッセルブラッドHレンズが使用可能に|対応12本・価格・アオリ撮影を解説でも関連する技術を紹介しています。

67mmのイメージサークルが持つ意味

ティルト・シフトレンズでは、通常のレンズより大きなイメージサークルが必要になります。シフト操作によってレンズの光軸を移動させても、撮像素子全体に光が届くように設計する必要があるためです。Laowa 24mm F2 Zero-D Tilt-Shiftは67mmのイメージサークルを確保しています。

フルサイズセンサーの対角線は約43.3mmなので、67mmという数値には大きな余裕があります。この余裕を利用してレンズを上下左右にシフトさせ、撮影する範囲を移動できます。レンズを上方向へシフトすると、カメラ本体を傾けずに建築物の上部を画面へ取り込めます。

中判の44×33mmセンサーは対角線が約55mmとなり、フルサイズより広いイメージサークルを必要とします。本製品は中判センサーをカバーしながら±12mmのシフトにも対応すると案内されていますが、最大シフト時の周辺光量や収差は撮影条件によって変化します。大きなシフト量を常用する撮影では、周辺部の描写を確認することが重要です。

シフト機構と画角の関係については、シフトレンズとは?ティルトとの違いと建築写真で垂直線を保つ使い方で解説しています。

±12mmシフトと最大±10°ティルトの仕組み

本製品の中心となる機能は、レンズを平行移動するシフトと、光軸を傾けるティルトです。両者は似た機構に見えますが、撮影結果に与える効果は異なります。シフトは主に構図と遠近感の補正に使用し、ティルトはピント面の方向を変えるために使用します。

シフト±12mmで建築物の垂直線を保つ

高い建物を通常の広角レンズで撮影する場合、建物の上部まで画面に入れるためにカメラを上へ向けることがあります。このとき撮像面が建物の垂直面と平行ではなくなり、建物の左右の線が上へ向かってすぼむように写ります。これは遠近法による現象であり、レンズの歪曲収差とは区別する必要があります。

シフトレンズではカメラを水平に保ち、レンズの光学系を上方向へ移動させます。これによって建物の上部まで構図へ入れながら、垂直線を平行に近い状態で記録できます。Laowa 24mm F2 Zero-D Tilt-Shiftのシフト量は±12mmであり、建築物や室内空間の撮影で活用できます。

また、シフトは高解像度の合成写真を制作する際にも利用できます。カメラ本体を固定してシフト位置を変え、複数の写真を撮影して合成することで、通常の1枚撮影より広い範囲を高画素で記録できます。この撮影方法ではカメラ位置が固定されるため、カメラを回転させるパノラマ撮影とは異なる特徴があります。

建築撮影でのシフト操作については、TS-E24mm F3.5L II 建築撮影の必須レンズ|歪み補正と高精細描写でも詳しく紹介しています。

最大±10°ティルトでピント面を制御

ティルト機構は、レンズの光軸を撮像面に対して傾ける機能です。通常のレンズでは基本的に撮像面と平行な方向にピント面が形成されますが、ティルトを利用するとピント面の向きを変更できます。これによって、撮影者が被写体の配置に合わせて合焦範囲を調整できます。

たとえば、手前から遠くまで地面が続く風景では、ティルトによってピント面を地面に沿わせることができます。一般的なレンズでは絞りを小さくして被写界深度を深くしますが、ティルトではピント面そのものを傾けることで、手前から遠方までを鮮明に写す方法が取れます。適切に調整すれば、必要以上に絞り込まずに撮影できる場合があります。

反対に、ピント面を意図的に傾けて画面の一部分だけを鮮明にし、周囲をぼかす表現もできます。ミニチュア風の写真はその代表例で、街並みや鉄道、人物などを模型のように見せる撮影方法です。Laowaは最大±10°のティルト角度を備えており、ピント面を大きく変える撮影にも対応します。

ティルト機構の構造とピント面の関係については、チルトレンズの基本構造と原理|ピント面を操る撮影技術と表現の広がりで詳しく解説しています。

最大ティルトと最大シフトの同時使用には制限

Laowaの公式仕様では、最大±10°のティルトと±12mmのシフトが示されています。一方、両方の最大値をすべての撮影距離で同時に使用できるわけではありません。メーカーは撮影距離とマウントによって可動範囲が変化することを説明し、具体的な制限表を公開しています。

フルサイズ用のE、Z、RF、Lマウント版では、無限遠から5mの撮影距離で±12mmのシフトを使用する場合、ティルトは±3°までとなります。同じ条件でティルトを±4°にすると、シフト範囲は±6mmに制限されます。撮影距離が近くなると可動範囲が広がり、0.4mから最短撮影距離25cmでは最大±10°のティルトと±12mmのシフトが使用できると案内されています。

GFXとXCDマウント版では、無限遠から5mの撮影距離で±12mmのシフトと±4°のティルトが使用できます。ティルトを±5°にすると、シフトは±6mmまでとなります。このように中判用とフルサイズ用では可動範囲の条件が異なるため、建築撮影などで遠距離の被写体を撮る場合は特に重要です。

撮影距離 フルサイズ用マウント GFX・XCD
無限遠~5m ティルト±3°・シフト±12mm ティルト±4°・シフト±12mm
1.5m ティルト±4°・シフト±12mm ティルト±5°・シフト±12mm
1m ティルト±5°・シフト±12mm ティルト±5.5°・シフト±12mm
0.5m ティルト±8°・シフト±12mm ティルト±8°・シフト±12mm
0.4~0.25m ティルト±10°・シフト±12mm ティルト±10°・シフト±12mm

この表はメーカーが示した代表的な可動範囲を整理したものです。遠距離撮影では最大ティルト角度が制限される一方、近接撮影では可動範囲が広がります。レンズの最大仕様だけでなく、撮影距離と操作量の関係を理解して使用することが重要です。

ティルトとシフトを連動させた制御技術については、キヤノン、チルト撮影のピント合わせを自動化する新特許を公開でも関連する技術を紹介しています。

建築・風景・商品撮影での実用性

Laowa 24mm F2 Zero-D Tilt-Shiftは、特殊な光学機構を備えていますが、用途は建築写真だけに限定されません。広角24mm、開放F2、ティルト、シフトを組み合わせることで、風景や商品撮影でも独自の表現ができます。実際の撮影では、それぞれの機能を何のために使用するかを明確にすることが重要です。

建築撮影では垂直線と構図を調整

建築写真では、建物の垂直線を自然に保つことが重要です。通常の広角レンズでカメラを上へ傾けると建物がすぼんで写りますが、シフト機構を使用すればカメラを水平に保ちながら上部を構図へ取り込めます。特に高層建築、神社仏閣、歴史的建造物、商業施設などの撮影で効果を発揮します。

24mmという焦点距離は、建物全体と周囲の環境を一緒に写す際に利用しやすい広角です。狭い場所から撮影する場合にも有利で、室内では壁や天井、家具の配置を広く記録できます。Zero-D設計によって光学的な歪曲収差を抑えることも、直線が多い建築物との相性を高めています。

ただし、シフト操作で補正できるのは撮影時の構図と遠近感であり、あらゆる歪みが自動的に解消されるわけではありません。カメラを正確に水平に設置し、レンズのシフト方向を調整する必要があります。建築撮影の設定については、建築写真におすすめの高画素カメラランキング|Canon・Sony・Nikonの3機種を比較も参考になります。

風景撮影では手前から遠景までピント面を調整

風景撮影では、手前の岩や草花から遠くの山までを鮮明に写したい場面があります。一般的なレンズではF8やF11などへ絞り込んで被写界深度を確保しますが、ティルト機構を利用すればピント面を被写体の配置に合わせて傾けられます。地面に沿うようにピント面を設定すると、前景と遠景の両方を鮮明にしやすくなります。

ティルト撮影では、単にレンズを大きく傾ければよいわけではありません。適切な角度はカメラの高さ、被写体までの距離、ピント位置によって変わります。最初はティルトをゼロにした状態で構図を決め、少しずつ角度を変えながら拡大表示でピントを確認する操作が有効です。

また、開放F2を備えていることは、夕暮れや夜間の風景撮影でも特徴となります。ティルトを利用してピント面を調整しながら、F2によって露光時間を短縮する撮影が考えられます。ティルトの原理については、チルトレンズの基本構造と原理|ピント面を操る撮影技術で詳しく解説しています。

商品撮影ではピント面とボケを演出

商品撮影でも、ティルト機構は独自の効果を生み出します。机の上に斜めに置いた商品や、奥行き方向に並んだ複数の被写体を撮影する場合、通常のレンズでは被写界深度を深くするために絞り込む必要があります。ティルトを使ってピント面を商品の配置に合わせれば、必要な部分を鮮明に保ちながら背景を処理できます。

反対に、ピント面を斜めに傾けることで、商品や人物の一部分だけを鮮明にする表現も可能です。開放F2では被写界深度を浅くできるため、ティルトと組み合わせた選択的なピント表現ができます。一般的な24mm単焦点レンズとは異なるボケの配置ができる点も、本製品の特徴です。

ポートレートや創作的な撮影では、ピント面の方向そのものを作品表現に利用できます。通常のレンズでは難しい斜め方向の合焦や、画面の一部分だけを強調した写真を制作できます。具体的な撮影表現については、TS-Eレンズでポートレート撮影|ティルト・シフトで作る幻想的なボケとピント面で解説しています。

キヤノンTS-E24mm F3.5L IIとの違い

Laowa 24mm F2 Zero-D Tilt-Shiftの比較対象として、キヤノンの「TS-E24mm F3.5L II」が挙げられます。どちらも焦点距離24mmで±12mmのシフト機構を備えていますが、開放F値、ティルト角度、対応マウント、操作構造に違いがあります。キヤノン純正レンズと新しいLAOWA製レンズでは、撮影目的に応じた選択が重要です。

F2とF3.5では約1.6段の明るさの差

Laowa 24mm F2 Zero-D Tilt-Shiftの開放F値はF2で、Canon TS-E24mm F3.5L IIはF3.5です。この差は約1.6段に相当し、同じシャッター速度を使用する場合、Laowaの方が低いISO感度で撮影できます。夜景や室内など光量の少ない環境では、F2という明るさが実用上の利点になります。

ただし、建築撮影ではレンズの周辺解像度や被写界深度を重視してF8前後まで絞る場面も多くなります。その場合、開放F値の差が露出設定へ直接影響するわけではありません。一方、ティルトを利用した浅いピント表現では、F2を積極的に利用する意味があります。

F2という大口径を採用したことで、Laowaは従来の建築用ティルト・シフトレンズとは異なる撮影領域へ用途を広げています。夕景、夜景、室内、創作的なピント表現まで利用したい場合には、F2の特徴が際立ちます。TS-E24mm F3.5L IIの基本性能は、TS-E24mm F3.5L II 建築撮影の必須レンズで詳しく紹介しています。

ティルト角度はLaowaが最大±10°

Canon TS-E24mm F3.5L IIのティルト角度は±8.5°で、Laowa 24mm F2 Zero-D Tilt-Shiftは最大±10°です。シフト量は両製品とも±12mmなので、最大値だけを比較した場合、ティルト角度ではLaowaの方が大きくなっています。特に近接撮影でピント面を大きく傾けたい場合には、この差が利用できます。

一方、Laowaは撮影距離によってティルトとシフトを同時に使用できる範囲が変化します。遠距離撮影で±12mmのシフトを使用する場合、ティルト角度には制限があるため、最大値だけで単純に比較することはできません。建築物など遠距離の被写体を撮影する際には、メーカーが公開している制限表を確認する必要があります。

ティルトの角度は大きいほど常に優れているわけではありません。重要なのは、撮影したい被写体の配置に応じて必要な角度を正確に設定できることです。Canon TS-Eシリーズ全体の特徴については、Canon TS-Eレンズ完全ガイド|17mm・24mm・50mm・90mm・135mmの違いと使い方で比較しています。

Canon RFではマウントアダプター不要

Canon TS-E24mm F3.5L IIはEFマウント用レンズなので、EOS RシリーズではマウントアダプターEF-EOS Rを使用します。これに対してLaowa 24mm F2 Zero-D Tilt-ShiftにはCanon RFマウント版が用意されており、EOS Rシリーズへ直接装着できます。フルサイズEOS Rでティルト・シフト撮影を行う場合には、機材構成を簡潔にできる利点があります。

また、LaowaにはSony E、Nikon Z、L、GFX、XCDマウント版も用意されているため、キヤノン以外のミラーレスカメラでも専用設計のティルト・シフトレンズを選択できます。従来の一眼レフ用レンズをマウントアダプターで利用する方法とは異なり、直接装着できることが特徴です。マニュアルフォーカス操作が基本となるため、各カメラの拡大表示やピーキング機能を活用することになります。

Canon RF版とTS-E24mm F3.5L IIの比較については、Laowa 24mm F2 Zero-D Tilt-ShiftはCanon RFで何ができる?TS-E24mmとの違いで詳しく解説しています。

購入前に確認したい仕様と注意点

Laowa 24mm F2 Zero-D Tilt-Shiftは、一般的な広角単焦点レンズとは使用方法が異なります。ピント合わせ、シフト、ティルト、回転機構を手動で操作するため、撮影時にはカメラとレンズの設定を理解する必要があります。マウントの互換性や可動範囲に加え、三脚との組み合わせも重要です。

マニュアルフォーカス専用レンズ

本製品はマニュアルフォーカス専用レンズで、AFには対応していません。撮影者がフォーカスリングを操作し、ファインダーや背面モニターで合焦状態を確認する必要があります。ティルト操作によってピント面を傾けた場合、通常のレンズとは異なる位置にピントが合うため、画面内の複数箇所を確認しながら調整します。

建築撮影では、まずカメラを水平に設置して構図を決め、必要なシフト量を設定します。その後、被写体の奥行きに応じてティルト角度を調整し、拡大表示でピントを確認します。シフトとティルトを調整した後には、画面周辺部の解像状態や光量も確認することが重要です。

AFの利便性を重視する一般的なスナップ撮影とは異なり、ティルト・シフト撮影では一枚ずつ設定を追い込む操作が中心となります。特殊なレンズ操作の考え方については、シフトレンズとは?ティルトとの違いと建築写真で垂直線を保つ使い方で解説しています。

77mmフィルターと三脚用支持機構

Laowa 24mm F2 Zero-D Tilt-Shiftは77mmのフィルター径に対応しています。通常の円形フィルターを装着できるため、NDフィルターやPLフィルターなどを利用した撮影にも対応できます。建築撮影では反射の調整や長時間露光、風景撮影では水面や雲の動きを表現する際に役立ちます。

また、レンズにはアルカスイス互換の支持機構が採用されています。ティルト・シフト撮影ではカメラ本体を固定しながらレンズの光学系を移動させるため、安定した三脚設置が重要です。レンズ側の支持機構を利用することで、重量のあるレンズを安定して設置しやすくなります。

さらに360°の回転機構によって、シフトやティルトの方向を変更できます。建築物の垂直方向だけでなく、横方向のシフトや斜め方向のピント調整にも対応できます。ティルトとシフトを組み合わせた撮影方法は、Canon TS-Eレンズ完全ガイドでも紹介しています。

日本国内価格と発売日の確認

2026年11月8日時点で、LAOWA公式サイトには1,249米ドルの価格が掲載されています。欧州向けの販売代理店は1,609ユーロという価格と2026年12月からの出荷予定を発表しています。日本国内の税込販売価格と発売日については、国内向けの正式な案内を確認する必要があります。

海外価格を日本円へ換算する場合、為替相場だけでなく、輸入費用や消費税なども関係します。そのため、米ドル価格を単純に円換算した金額が国内販売価格になるわけではありません。購入を検討する際には、国内正規販売品の価格と保証条件を比較することが重要です。

また、マウントごとに対応するカメラが異なるため、注文時には製品名だけでなくマウントを正確に選択する必要があります。特にLマウント版にはメーカーが明示した非対応機種が存在するため、使用するボディとの組み合わせを確認することが欠かせません。Laowaの他の特殊レンズを含めた製品展開は、Laowa 24mm F2 Zero-D Tilt-ShiftのCanon RF対応と特徴でも紹介しています。

まとめ

Venus Opticsは2026年11月5日、「Laowa 24mm f/2 Zero-D Tilt-Shift」を正式発表しました。24mmのフルサイズ対応広角レンズに、開放F2、シフト±12mm、最大ティルト±10°、67mmのイメージサークルを組み合わせた製品です。Sony E、Nikon Z、Canon RF、Lマウント、Fujifilm GFX、Hasselblad XCDの6種類に対応し、フルサイズだけでなく中判カメラでも利用できます。

本製品の最大の特徴は、従来の24mmクラスのティルト・シフトレンズと比較して明るいF2を採用した点です。建築物のパース補正に加え、夕景や夜景、室内、商品撮影、ミニチュア風の表現など、撮影用途が広がります。また、Zero-D設計によって光学的な歪曲収差を抑え、建築物や直線の多い被写体の撮影に対応しています。

一方、最大ティルト角度と最大シフト量は、すべての撮影距離で同時に使用できるわけではありません。メーカーが公開している可動範囲の制限表を確認し、使用するマウントと撮影距離に応じて調整する必要があります。特に遠距離の建築撮影では、この仕様が実際の使い勝手を左右します。

海外公式価格は1,249米ドルで、欧州向けには2026年12月からの出荷が案内されています。日本国内価格と発売日は正式な国内案内が注目されます。24mmの広角、F2の明るさ、ティルト・シフト機構、中判対応を組み合わせたLaowa 24mm F2 Zero-D Tilt-Shiftは、建築写真から創作的な特殊撮影まで幅広い用途を持つレンズとして注目される製品です。

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