Canon EF300mm F4L IS USMレビュー|軽量な300mm F4単焦点を今使う魅力
Canon EF300mm F4L IS USMは、1997年に発売されたEFマウントの望遠単焦点レンズです。発売からかなりの年月が経過していますが、300mmという本格的な望遠域、開放F4、約1,190gという重量、リングUSM、光学式手ブレ補正、最短撮影距離1.5mという組み合わせは、現在でも独特の魅力を持っています。
300mmの単焦点というと、野鳥やスポーツのような限られた用途を思い浮かべるかもしれません。しかし実際には、航空機や鉄道、動物、風景、花、昆虫など、300mmの狭い画角と圧縮効果を生かせる被写体は多くあります。ズームレンズのようにその場で焦点距離を変えることはできませんが、300mmという一つの画角に集中して撮影することで、ズームとは異なる写真の作り方を楽しめるレンズです。
EFマウントの一眼レフに直接装着できるほか、マウントアダプター EF-EOS Rを使用すればEOS Rシリーズでも使えます。発売当時のEOSフィルム一眼レフから、EOS 5Dシリーズ、EOS 7Dシリーズ、そして現在のEOS Rシリーズまで、長い世代をまたいで使えるところもEFレンズならではです。
- EF300mm F4L IS USMの基本スペック
- 300mm F4という焦点距離の魅力
- EF300mm F4L IS USMの描写
- 最短撮影距離1.5mはEF300mm F4L IS USMの大きな特徴
- リングUSMとフォーカスリミッター
- 約2段分の手ブレ補正とISモード2
- 野鳥撮影で使うEF300mm F4L IS USM
- スポーツ、航空機、鉄道にも使いやすい
- EF100-400mmとの違い
- EF300mm F2.8Lとの違い
- EOS Rシリーズでも使える
- EOS一眼レフで使うEF300mm F4L IS USM
- 中古でEF300mm F4L IS USMを選ぶときの確認点
- EF300mm F4L IS USMは現在でも独自の立ち位置を持つ300mm単焦点
EF300mm F4L IS USMの基本スペック
EF300mm F4L IS USMは、焦点距離300mm、開放F値F4の望遠単焦点レンズです。レンズ構成は11群15枚で、色収差を抑えるためにUDレンズを2枚採用しています。絞り羽根は8枚、最小絞りはF32、最短撮影距離は1.5m、最大撮影倍率は0.24倍、フィルター径は77mmです。
最大径は約90mm、全長は約221mm、重量は約1,190gあります。1kgを超えるため小型軽量レンズとは呼べませんが、300mmのL単焦点として見ると持ち運びやすい部類に入ります。特に300mm F2.8クラスと比べると大幅に軽く、徒歩で移動しながら撮影する場合や、長時間手持ちで構える場合には大きな違いになります。
AFにはリングUSMを採用し、素早いピント合わせに対応しています。フォーカスリミッターも備えているため、遠距離の被写体だけを狙う場合にはAFの移動範囲を制限できます。手ブレ補正は約2段分で、通常撮影用のモード1と流し撮り用のモード2を切り替えられます。
フードは一般的な着脱式ではなく、鏡筒に組み込まれています。撮影するときには前方へ引き出し、収納するときには鏡筒側へ戻す仕組みです。フードを別に持ち歩く必要がなく、紛失する心配もありません。三脚座も標準で備えているため、三脚や一脚を使用するときにはカメラ側ではなくレンズ側を支点にできます。
300mm F4という焦点距離の魅力
300mmは遠くの被写体を大きく写すだけの焦点距離ではない
300mmという焦点距離の第一の特徴は画角の狭さです。遠くにいる野鳥やスポーツ選手を大きく写せることはもちろんですが、それだけが300mmの役割ではありません。広い風景の一部分だけを切り取ったり、遠くの建物を重ねたり、山並みの一部だけを強調したりすることで、広角や標準レンズとはまったく違う写真を作れます。
望遠レンズでは、遠くにある背景が大きく写るため、被写体と背景の距離が実際より近く見える圧縮効果が強く表れます。たとえば並木道を300mmで撮れば、木々の間隔が詰まって見えます。鉄道を正面に近い角度から狙えば、線路や架線が密集した迫力のある構図になります。風景でも、幾重にも重なる山を一枚の画面に押し込むような表現ができます。
単焦点なので、撮影者は300mmの画角に合わせて撮影位置を決める必要があります。ズームリングを回して構図を整えることができない分、自分が動いて構図を作ることになります。最初は不便に感じても、使い続けると300mmでどの程度の範囲が写るのかが感覚として分かるようになり、ファインダーをのぞく前から構図を予測しやすくなります。
300mm単焦点の使い方については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。

F4でも300mmなら背景は十分にぼかせる
EF300mm F4L IS USMの開放F値はF4です。300mm F2.8と比べれば1段暗いものの、300mmという長い焦点距離そのものが大きな背景ボケを作りやすいため、F4でも被写体を背景から大きく浮かび上がらせることができます。
特に、被写体と背景の距離を十分に取れる場面では効果が大きくなります。野鳥の後ろにある葉や枝、人物の後ろにある木々、花の後ろにある草むらなどを大きくぼかし、被写体だけを明確に浮かび上がらせることができます。300mmでは画角そのものが狭いため、背景に入り込む余計な物も減らしやすく、ボケ量と画面整理の両方で有利です。
F2.8に比べて1段暗い代わりに、レンズの大きさと重量を大きく抑えられていることも重要です。300mm F2.8クラスになると重量は2kgを大きく超え、持ち歩き方も撮影スタイルも変わります。EF300mm F4L IS USMは、F2.8ほどの明るさを必要としない場面で、300mm単焦点らしい描写と携行性を両立させたレンズと考えると分かりやすいでしょう。
300mm F2.8との違いについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。

EF300mm F4L IS USMの描写
UDレンズ2枚によって望遠レンズで目立ちやすい色収差を抑える
300mmのような望遠レンズでは、明暗差の大きい輪郭部分に色付きが現れる色収差が問題になりやすくなります。EF300mm F4L IS USMではUDレンズを2枚使用し、長焦点レンズで発生しやすい色収差を抑える光学設計が採用されています。
開放F4から中央部の解像感を得やすく、野鳥の羽毛や動物の毛並み、鉄道車両の細かな文字、航空機の機体表面など、細部をしっかり写したい被写体との相性があります。少し絞れば周辺部まで安定しやすくなりますが、このレンズは開放F4で背景をぼかしながら使う場面も多いため、開放から実用できることに意味があります。
単焦点レンズは一つの焦点距離だけに光学設計を集中できます。ズームレンズのように複数の焦点距離を一つのレンズで成立させる必要がないため、300mmという焦点距離を目的として選ぶ場合には、単焦点ならではの描写を楽しめます。
EF望遠単焦点レンズの特徴については、こちらの記事でも紹介しています。

背景を大きくぼかしながら主題を明確にできる
EF300mm F4L IS USMを使うと、被写体そのものだけでなく背景の見え方が大きく変わります。300mmという狭い画角によって背景から余計な物を排除しやすく、さらに望遠特有の大きなボケを利用できるため、画面全体を整理しやすくなります。
野鳥撮影では、鳥のすぐ後ろに枝があると背景がうるさくなりますが、撮影位置を少し変えて鳥と背景の距離を確保できれば、枝や葉を柔らかくぼかせます。花の場合も、背景の花や葉を大きな色の面として扱うことで、主役の一輪だけを目立たせることができます。
人物撮影でも300mmは独特です。撮影距離は長くなりますが、背景を大きく引き寄せながらぼかせるため、85mmや135mmとは異なる遠近感を作れます。撮影場所を選ぶ焦点距離ではあるものの、広い場所で使えば望遠単焦点らしい強い背景整理能力を発揮します。
300mmという画角を生かした撮影については、こちらの記事も参考になります。

最短撮影距離1.5mはEF300mm F4L IS USMの大きな特徴
花や昆虫を離れた場所から大きく写せる
EF300mm F4L IS USMは最短撮影距離1.5m、最大撮影倍率0.24倍です。300mmの望遠単焦点としては比較的近くまで寄れるため、遠距離の被写体だけでなく、花や昆虫、小動物などにも使えます。
最大撮影倍率0.24倍は等倍マクロには及びませんが、300mmという焦点距離によって撮影距離を確保しながら被写体を大きく写せる点に価値があります。蝶やトンボのように、撮影者が近づくと逃げてしまう被写体では特に有効です。100mm前後のマクロレンズより離れた場所から撮影できるため、被写体を驚かせにくくなります。
花の撮影でも、300mmなら前後のボケを大きく取り入れられます。少し離れた位置から一輪だけを狙い、前景と背景を大きくぼかせば、望遠単焦点らしい柔らかな画面を作れます。遠くのものを大きく写すだけのレンズだと思っていると、この近接性能は意外に感じる部分です。
EFレンズ全体から用途に合うレンズを探す場合は、キヤノン大全から各レンズの記事を確認できます。

リングUSMとフォーカスリミッター
撮影距離に合わせてAFの移動範囲を制限できる
EF300mm F4L IS USMはリングUSMを搭載しています。EF望遠Lレンズらしい高速なAF駆動が特徴で、野鳥、スポーツ、航空機、鉄道など動きのある被写体にも対応できます。
望遠レンズでは、いったん被写体からピントが外れると、レンズが近距離から無限遠まで大きくピントを探すことがあります。特に野鳥撮影では、鳥の前を枝が横切ったり、背景へAFが抜けたりすると、再び鳥へピントを戻すまで時間がかかることがあります。
そこで役立つのがフォーカスリミッターです。遠くの被写体しか撮らない場合には近距離側を除外することで、AFが必要以上に大きく移動するのを防げます。撮影距離がある程度決まっているスポーツや航空機でも、同じ考え方でAFの無駄な移動を減らせます。
リングUSMはフルタイムマニュアルにも対応しているため、AFでおおよその位置に合わせた後、フォーカスリングを回して微調整できます。枝の間にいる鳥や、細かな位置へピントを置きたい場面では便利です。
EOS RシリーズでEFレンズを使う方法については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

約2段分の手ブレ補正とISモード2
流し撮りに対応するISモード2を搭載する
EF300mm F4L IS USMには光学式手ブレ補正が搭載されています。補正効果は約2段分で、現在の基準では大きな数字ではありませんが、300mmという焦点距離ではファインダー像を安定させるだけでも撮影しやすさが変わります。
300mmではわずかな手の動きでも画面上では大きな揺れになります。手ブレ補正を作動させるとファインダー像の動きが落ち着くため、小さな野鳥や遠くの航空機を狙うときに構図を維持しやすくなります。手ブレ補正は単に低速シャッターを使うための機能ではなく、望遠撮影時のフレーミングを助ける役割もあります。
通常撮影ではISモード1を使用します。ISモード2は流し撮り用で、鉄道、自動車、航空機など、被写体の進行方向に合わせてカメラを動かす撮影に向いています。意図して行っているカメラの動きまで通常の手ブレとして補正しないようにするためのモードです。
一方、飛んでいる野鳥や走る選手のように被写体自体が動いている場合は、手ブレ補正だけで動きを止めることはできません。被写体ブレを防ぐためには十分なシャッタースピードが必要で、そのうえで撮影者側の揺れをISで抑えるという使い方になります。
手ブレ補正の仕組みについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。

野鳥撮影で使うEF300mm F4L IS USM
300mm単体とエクステンダー装着を使い分けられる
野鳥撮影では、被写体までの距離によって300mmの評価が変わります。公園の水鳥、大型の鳥、比較的人に慣れていて近くまで来る鳥であれば、300mmでも十分に撮影できます。一方、小型の野鳥を遠距離から大きく写したい場合には、300mmだけでは焦点距離が足りない場面もあります。
EF300mm F4L IS USMはエクステンダーに対応しており、1.4倍を装着すると420mm F5.6として使えます。300mm単体では少し足りない場面で420mmまで伸ばせるため、野鳥撮影との相性があります。2倍では600mm F8になりますが、1.4倍に比べると明るさやAF、画質への影響が大きくなるため、使い方はより限定されます。
APS-CのEOSへ装着した場合は、300mmレンズの画角が35mm判換算約480mm相当になります。焦点距離そのものが480mmへ変化するわけではありませんが、写る範囲が狭くなるため、小さな鳥を画面内で大きく見せやすくなります。
300mm F4の約1,190gという重量も野鳥撮影では重要です。500mmや600mmの大口径超望遠レンズほど重くないため、林や公園を歩きながら鳥を探し、見つけたときにすぐ手持ちで構える撮影ができます。長時間持ち歩くことを考えると、この機動力は焦点距離や明るさと同じくらい重要な要素です。
エクステンダーの使い方については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

スポーツ、航空機、鉄道にも使いやすい
撮影位置を決められる場面では300mm固定が使いやすい
屋外スポーツでは、撮影位置から選手まである程度距離がある場合に300mmが使いやすくなります。野球、サッカー、陸上競技などでは、選手を大きく写しながら背景をぼかすことができます。F4なので晴天の日中であれば高速シャッターを確保しやすく、動きを止めながら被写体を背景から分離できます。
単焦点なので、被写体が急に近づいてきたときに画角を広げることはできません。この点では100-400mmのような望遠ズームが有利です。一方、選手が通過する位置や撮影場所がある程度決まっている場合には、300mm固定でも大きな問題になりません。焦点距離を変更する操作がなくなるため、ピント合わせとシャッターを切る瞬間に集中できます。
航空機撮影でも同様です。滑走路や進入経路など、撮影する位置と機体との距離がある程度予測できる場所では300mm単焦点を使いやすくなります。飛行中の機体を追うだけでなく、離着陸時に背景を大きく取り込むことで、望遠ならではの圧縮感を出すこともできます。
鉄道では、線路の正面方向から狙う構図や、遠くの列車を風景の一部として切り取る構図に向きます。ISモード2を使った流し撮りもできるため、高速で通過する列車を低速シャッターで追う撮影にも対応します。
300mm単焦点の用途については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。

EF100-400mmとの違い
焦点距離を変えられる便利さと300mm単焦点の性格は大きく異なる
EF300mm F4L IS USMと比較されやすいのが、EF100-400mmクラスの望遠ズームです。100mmから400mmまで自由に焦点距離を変更できるため、被写体との距離が頻繁に変化する撮影では100-400mmが便利です。野鳥が急に近くへ来てもズームを戻せますし、スポーツ選手がこちらへ走ってきても画角を広げて追い続けられます。
EF300mm F4L IS USMではその操作ができません。被写体が近すぎれば画面からはみ出し、遠すぎれば小さく写ります。そのため、撮影者自身が300mmの画角に合わせて立ち位置を決める必要があります。
一方、300mmだけを使うと決めている撮影では、ズームである必要はありません。焦点距離を迷うことなく、最初から300mmの画角を前提に撮影できます。ズームリングの操作がなく、レンズの役割が明確なのも単焦点の特徴です。
現在の100-400mmクラスは光学性能や近接性能、手ブレ補正も非常に高く、万能性では優れています。EF300mm F4L IS USMを選ぶ理由は、100-400mmより便利だからではなく、300mm単焦点そのものを使いたいからというところにあります。
EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。

EF300mm F2.8Lとの違い
開放F4にすることで300mm単焦点を約1.2kgに抑えている
同じ300mm単焦点でも、F2.8とF4では性格がかなり違います。300mm F2.8は1段明るいため、同じISO感度ならF4より速いシャッタースピードを使えます。夕方や曇天、屋内スポーツなどでは、この1段の差が大きくなります。背景ボケもF2.8の方がさらに大きくなります。
その代わり、300mm F2.8は大幅に重くなります。EF300mm F2.8L IS II USMは約2,350gあるのに対し、EF300mm F4L IS USMは約1,190gです。約1.16kgの差があるため、手持ち撮影や徒歩移動ではまったく違う機材に感じられます。
日中の野鳥、航空機、鉄道、屋外スポーツなど、F4でも十分にシャッタースピードを確保できる撮影なら、約1.2kgで300mm単焦点を持ち歩けるメリットが大きくなります。F2.8が必要な撮影ではF2.8を選び、機動力を優先するならF4を選ぶという関係です。
EF300mm F2.8L IS II USMについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。

EOS Rシリーズでも使える
マウントアダプター EF-EOS Rを介して300mm F4をそのまま利用できる
EF300mm F4L IS USMはEFマウントのため、EOS Rシリーズへ直接装着することはできません。マウントアダプター EF-EOS Rをカメラとレンズの間に装着することで使用できます。
通常のマウントアダプター EF-EOS Rには焦点距離を変える光学系が入っていないため、フルサイズのEOS Rシリーズへ装着した場合は300mmのままです。EOS R7やEOS R10などAPS-C機で使用すると、画角は35mm判換算約480mm相当になります。
EOS Rシリーズでは、人物や動物などを認識するAF機能を利用できる機種があります。レンズそのもののAFモーターや光学設計が新しくなるわけではありませんが、カメラ側のAF方式が変わることで、一眼レフ時代とは異なる使い勝手になります。
古いEFレンズをミラーレスへ移行した後も使い続けられることは、EFシステムの大きな利点です。EF300mm F4L IS USMのように現在のRFレンズには同じ仕様の製品が存在しない場合、アダプターを介して使う意味はさらに大きくなります。
EOS RシリーズでEFレンズを使う方法については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

EOS一眼レフで使うEF300mm F4L IS USM
光学ファインダーで300mm単焦点を追う楽しさがある
EF300mm F4L IS USMは、もともとEOS一眼レフのために作られたレンズです。EOS 5Dシリーズ、EOS 6Dシリーズ、EOS-1Dシリーズ、EOS 7Dシリーズなどへ直接装着でき、マウントアダプターを必要としません。
光学ファインダーで300mmの狭い画角を見ながら動く被写体を追う撮影は、ミラーレスとは違った感覚があります。ズームレンズなら一度広角側へ戻して被写体を探し、見つけてから望遠側へ戻す方法がありますが、300mm単焦点では最初から狭い画角の中へ被写体を捉えなければなりません。
慣れるまでは難しく感じても、使い続けることで300mmの画角で被写体を捉える感覚が身についていきます。ファインダーへ被写体を導入し、AFで捉え、動きを追いながらシャッターを切るという一連の操作そのものが撮影の楽しさになります。
EOS 5D Mark IIのような旧世代のフルサイズ一眼レフと組み合わせれば、EFレンズが設計された本来のシステムで撮影できます。最新機種の被写体認識AFとは違い、撮影者が自分で被写体を見つけ、AFポイントを合わせて追う必要があります。その操作を含めて一眼レフ撮影を楽しみたい場合には、EF300mm F4L IS USMとの組み合わせは興味深いものになります。
EOS 5D Mark IIについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。

中古でEF300mm F4L IS USMを選ぶときの確認点
レンズ内部だけでなくAF、IS、フード、三脚座まで確認したい
EF300mm F4L IS USMは1997年発売のレンズなので、中古市場では製造から長い年月が経過した個体が中心です。そのため、外観がきれいかどうかだけで判断せず、各機構の動作まで確認する必要があります。
光学系では、前玉と後玉の傷だけでなく、内部のカビやクモリを確認します。多少のホコリは古い望遠レンズでは珍しくありませんが、クモリやカビが広がっている個体ではコントラスト低下の原因になります。強い光を通して内部を見ると状態を確認しやすくなります。
AFは近距離から遠距離、遠距離から近距離へ何度か動かし、途中で止まったり異音が出たりしないかを確認します。フォーカスリミッターの切り替えも試し、それぞれの設定で正常にAFが動くかを確認しておくと安心です。
ISについても動作確認が重要です。シャッターボタンを半押ししてISを作動させ、ファインダー像が安定するかを確認します。補正がまったく働かない、異常に大きな音が続く、ファインダー像が激しく動くといった症状がないかを見ます。
組み込みフードはスムーズに引き出せるか、収納位置で不自然にぐらつかないかを確認します。三脚座は固定ノブを締めたときにしっかり固定されるか、緩めたときに回転できるかを確認します。古いレンズでは光学系以外の細かな部分にも個体差が出るため、全体を見て判断したいところです。
EFレンズ全体の記事は、キヤノン大全から確認できます。

EF300mm F4L IS USMは現在でも独自の立ち位置を持つ300mm単焦点
EF300mm F4L IS USMは、現在の基準で見れば古いレンズです。手ブレ補正は約2段分で、最新レンズほど強力ではありません。AFも最新RFレンズとは世代が異なります。300mm固定なので、100-400mmのようにその場で焦点距離を変えることもできません。
それでも、300mm F4という焦点距離と明るさを約1,190gにまとめ、リングUSM、光学式手ブレ補正、最短撮影距離1.5m、最大撮影倍率0.24倍、エクステンダー対応という機能を備えた構成は、今でも独自性があります。
野鳥を探しながら歩き、見つけた瞬間に手持ちで構える。航空機を追いながらシャッターを切る。スポーツ選手を遠くから背景ごと切り取る。山並みや街並みの一部分だけを圧縮して写す。花や昆虫を離れた場所から大きく撮る。必要に応じて1.4倍エクステンダーを装着し、420mm F5.6として使う。EF一眼レフでは直接装着し、EOS Rシリーズではマウントアダプターを介して使うことができます。
ズームの便利さを求めるなら100-400mmがあります。さらに明るさを求めるなら300mm F2.8があります。さらに長い焦点距離が必要なら500mmや600mmがあります。その中でEF300mm F4L IS USMは、300mm単焦点らしい描写と、持ち歩いて使える現実的な重量を両立させたレンズです。
発売から長い年月が経っても、300mm F4を約1.2kgで持ち歩けるという基本的な価値は変わっていません。現在のEOS一眼レフで使っても、EOS Rシリーズへ引き継いでも、300mm単焦点ならではの撮影を楽しめる一本です。



