Thypoch「Simera-C 100mm T1.9」発表|ソニーE・ライカM用シネレンズの特徴と価格
Thypoch(タイポック)は2026-10-23、フルサイズ対応のシネマ用単焦点レンズ「Simera-C 100mm T1.9」を発表しました。ソニーEマウントとライカMマウントの2種類を用意し、開放T1.9、16枚羽根の絞り、最短撮影距離0.85mを備えています。映像制作者向けに開発されたSimera-Cシリーズの7本目にあたり、これまで75mmが最長だったシリーズに100mmの望遠域が加わりました。
本製品は、人物のクローズアップや表情の変化、背景をぼかした印象的な映像表現を想定したシネレンズです。フォーカスリングの回転角は210度で、フォローフォーカスを使用する動画撮影にも対応する設計です。この記事では、Simera-C 100mm T1.9の光学仕様、描写の特徴、マウントごとの違い、シリーズ全7本の構成、価格と発売情報を詳しく解説します。
Thypoch Simera-C 100mm T1.9とは
Simera-C 100mm T1.9は、Thypochが展開する小型シネマレンズシリーズの望遠単焦点モデルです。フルサイズセンサーに対応し、35mm判の画角を生かした人物撮影や物語性のある映像制作を想定しています。100mmという焦点距離によって、広角や標準レンズでは得にくい被写体の切り取り方と背景の整理ができます。
100mmの望遠域を追加した新モデル
従来のSimera-Cシリーズでは、75mmが最も長い焦点距離でした。今回100mmが加わったことで、16mmから100mmまでの7本がそろい、広い空間を見せるカットから人物の細かな表情を捉えるカットまで、同じレンズシリーズで撮影できる構成になりました。100mmは人物の顔や手元などを画面内で大きく見せる用途に適しており、背景の情報量を抑えた構図にも活用できます。
映像制作では、同じ被写体を異なる焦点距離で撮影することで、場面の印象を変えられます。35mmや50mmでは人物と周囲の環境を同時に見せ、75mmや100mmでは人物の表情や細部に視線を集中させる構成ができます。100mmの追加は、単に望遠レンズが1本増えたというだけでなく、映像の構成を考える際の選択肢を広げるものです。
100mm前後の焦点距離による背景の見え方については、中望遠レンズとは?85mm・100mm・135mmの使い方と背景ボケ・圧縮効果でも解説しています。
ソニーEマウントとライカMマウントに対応
Simera-C 100mm T1.9には、ソニーEマウント版とライカMマウント版が用意されています。ソニーEマウント版は、対応するソニー製ミラーレスカメラやシネマカメラに直接装着できる構成です。ライカMマウント版は、ライカMマウントを採用したカメラに装着できるほか、マウントアダプターを組み合わせた運用も想定されています。
Thypochは、ライカMマウントレンズを複数のカメラシステムで使用する「M TO ALL」という考え方を展開しています。専用のポジティブロック式アダプターを利用することで、ソニー、キヤノン、富士フイルム、LUMIX、DJIなどの対応カメラで使用する構成を実現しています。複数メーカーのカメラを使う映像制作では、Mマウント版を中心にレンズシステムを構築できる点が特徴です。
小型軽量のフルサイズ対応シネレンズ
ソニーEマウント版の全長は86.4mm、重量は477gです。ライカMマウント版は全長76.6mm、重量451gで、マウントによって寸法と重量が異なります。100mmのシネレンズとしてコンパクトな鏡筒を採用しており、比較的小型のカメラシステムにも組み込みやすい設計です。
映像撮影では、レンズ本体の重量だけでなく、カメラ、ケージ、モニター、フォローフォーカスなどを組み合わせた全体のバランスが重要になります。軽量なレンズはジンバルや小型リグを使う撮影で扱いやすく、移動を伴う撮影でも機材全体の負担を抑えられます。Simera-Cシリーズは焦点距離が異なるレンズ間で操作系を共通化しており、レンズ交換を前提とした撮影にも配慮しています。
Simera-C 100mm T1.9の光学性能と描写の特徴
Simera-C 100mm T1.9は、8群11枚の光学構成と16枚羽根の絞りを採用しています。Thypochは、被写体の細部を捉える描写と、柔らかく自然な背景ボケの両立を特徴として説明しています。ピントが合った部分から背景へ移る際の描写にも配慮した設計です。
開放T1.9と16枚羽根による背景ボケ
本製品の開放値はT1.9で、絞りはT16まで対応しています。T値はレンズを実際に通過する光量を基準とした値であり、動画撮影で露出を管理する際に使用されます。写真用レンズで一般的なF値とは数値の意味が異なり、複数のシネレンズを組み合わせた撮影ではT値による露出管理が重要になります。
100mmという焦点距離と明るい開放値を組み合わせることで、人物と背景を分離した映像を撮影できます。さらに16枚の絞り羽根を採用しているため、絞った状態でも絞り開口部を円形に近い形状に保つことを狙った構造です。背景に光源や反射物が入る場面では、ボケの輪郭や形状が映像全体の印象に影響します。
Thypochは本製品について、柔らかなボケと自然なピントの移行を重視した描写を説明しています。人物の表情や衣服の質感を明瞭に捉えながら、背景を穏やかにぼかす表現が想定されています。背景の整理と人物への視線誘導を両立させたい場面で、100mm T1.9という仕様が生きる設計です。
8群11枚の光学構成と色収差への配慮
光学構成は8群11枚で、Thypochは色収差の抑制を重視した設計であると説明しています。色収差は明暗差の大きい輪郭などに色のにじみが生じる現象で、特に開放付近ではレンズの設計が描写に影響します。人物の髪の毛や逆光の輪郭などでは、こうした収差の現れ方が映像の仕上がりに関係します。
Simera-Cシリーズは、焦点距離が異なるレンズを組み合わせても、色やコントラストの印象をそろえやすいことを設計上の特徴としています。映像制作では、広角で撮影した場面と望遠で撮影した場面を編集でつなぐため、レンズごとの描写の統一感が重要です。100mmモデルも同シリーズの一員として、既存レンズとの組み合わせを想定しています。
開放で背景を大きくぼかす撮影では、ピント面の描写と背景の柔らかさを同時に考える必要があります。100mmの望遠画角は背景に写る範囲を狭くできるため、撮影位置と背景までの距離を工夫すると、被写体を引き立てる構図を作れます。こうした表現は、レンズの明るさだけでなく、撮影距離や背景の配置によっても変化します。
最短撮影距離0.85mで細部を捉える
Simera-C 100mm T1.9の最短撮影距離は0.85mです。この数値はセンサー面から被写体までの距離を示しており、レンズ先端からの距離ではありません。100mmという焦点距離と組み合わせることで、人物の顔や手元、小物などをクローズアップする場面に利用できます。
物語性のある映像では、人物の視線や指先の動きなど、細かな表現を撮影する場面があります。広角レンズでは被写体に接近する必要がある構図でも、100mmなら一定の距離を保ちながら大きく写せます。カメラを人物に極端に近づけずに撮影できることは、演技や自然な動作を撮る際にも役立ちます。
一般的な100mmマクロレンズと同じ焦点距離ですが、本製品はマクロ撮影専用として設計されたレンズではありません。撮影用途の中心は映像制作であり、シネマ用の操作性と描写の統一感を重視しています。100mmという画角そのものの特徴は、中望遠レンズの使い方ガイド|85mm・105mm・135mmの違いと撮影のコツでも紹介しています。
動画撮影に対応する操作性と鏡筒設計
Simera-C 100mm T1.9は、写真用の一般的なオートフォーカスレンズとは異なり、マニュアルフォーカスによる映像撮影を前提としています。フォーカスと絞りの操作部分には、シネマ用アクセサリーと組み合わせるためのギアを装備しています。焦点距離が異なるレンズ間でも操作感をそろえることで、撮影現場での使い勝手を高める設計です。
210度のフォーカス回転角
フォーカスリングの回転角は210度に設定されています。大きな回転角を確保することで、ピント位置を細かく調整しやすく、人物の動きに合わせた滑らかなフォーカス操作にも対応します。動画撮影では、単に被写体へピントを合わせるだけでなく、どの速度でピント位置を移動させるかも表現の一部になります。
例えば、画面の手前に置かれた物体から奥にいる人物へピントを移す場合、急激な操作では映像の印象が変わります。210度の回転角があれば、フォーカス位置を段階的に動かす操作を行いやすくなります。被写界深度が浅い条件でも、ピント位置を細かく制御することを重視した設計です。
0.8MODギアによるフォローフォーカス対応
フォーカスリングと絞りリングには0.8MODのギアを採用しています。0.8MODはシネマ用フォローフォーカス機器で広く使用されるギア規格です。対応するフォローフォーカスを組み合わせることで、手動やモーターによるフォーカス操作を行えます。
フォローフォーカスは、レンズのフォーカスリングを外部の操作装置から回転させる仕組みです。撮影者がカメラを操作しながらピントを変更する場合や、別の担当者がピント操作を受け持つ場合に利用されます。Simera-C 100mm T1.9はこのような機材構成に対応し、シネマレンズとしての実用性を確保しています。
絞りリングにもギアを備えているため、対応する機器を使った絞り操作ができます。撮影中に露出を調整する場面では、操作の滑らかさが映像の自然さに影響します。写真用レンズとは異なる操作体系を採用している点が、本製品の大きな特徴です。
前枠72mm・フィルター径67mm
レンズ前枠の外径は72mmで、フィルターネジはM67×0.75です。67mmのフィルターを使用できる構造で、同シリーズの75mmモデルとフィルター径が共通しています。複数のレンズを交換しながら撮影する場合、フィルターを共用できることは機材の準備を簡単にします。
動画撮影では、シャッタースピードを一定に保つため、NDフィルターを使用する場面が多くなります。レンズごとにフィルター径が異なると、交換作業やステップアップリングの管理が必要です。75mmと100mmで67mmのフィルターを共用できることは、望遠側の2本を組み合わせる際の利点です。
また、シリーズ全体でギア位置や鏡筒設計の共通化が図られています。レンズ交換時のフォローフォーカスや周辺アクセサリーの調整を少なくすることを想定した構成です。頻繁に焦点距離を変更する撮影では、こうした機械的な統一感が作業効率に関係します。
Simera-Cシリーズ全7本のラインナップ
100mm T1.9の登場によって、Simera-Cシリーズは16mm、21mm、28mm、35mm、50mm、75mm、100mmの7本構成となりました。16mmと100mmは開放T1.9で、中間の5本は開放T1.5を採用しています。広角から望遠までの焦点距離をそろえ、同じシリーズで映像を構成できるラインナップです。
焦点距離と開放T値の一覧
Simera-Cシリーズは、それぞれの焦点距離に応じた用途を想定しています。16mmは広い空間や遠近感を生かした構図、35mmや50mmは人物と周囲の関係を描く場面、75mmや100mmは人物や物体を大きく切り取る撮影に利用できます。焦点距離を変えることで、同じ場面でも映像の印象を変えられます。
| 焦点距離 | 開放T値 | 主な撮影用途 |
|---|---|---|
| 16mm | T1.9 | 広い空間、建築、風景、環境描写 |
| 21mm | T1.5 | 広角の人物撮影、空間を生かす映像 |
| 28mm | T1.5 | 日常的な場面、人物と周囲の関係 |
| 35mm | T1.5 | 会話場面、自然な距離感の人物撮影 |
| 50mm | T1.5 | 標準画角の人物撮影、細部描写 |
| 75mm | T1.5 | 人物のクローズアップ、背景の整理 |
| 100mm | T1.9 | 表情、手元、細部のクローズアップ |
7本のうち5本がT1.5で、16mmと100mmはT1.9です。このため、すべての焦点距離で開放T値が統一されている構成ではありません。撮影時には各レンズのT値を把握し、カットごとの露出を整えることが重要になります。
75mm T1.5と100mm T1.9の使い分け
75mmと100mmは、ともに人物のクローズアップに適した焦点距離です。75mmは100mmと比べて画角が広く、人物の顔だけでなく肩や周囲の背景を含めた構図を作りやすくなります。100mmは画角が狭くなるため、同じ撮影位置なら被写体を大きく捉え、背景に写る範囲を限定できます。
75mmモデルは開放T1.5で、100mmモデルは開放T1.9です。開放値の違いによって取り込める光量に差が生じるため、同じ撮影条件で交換するときには露出設定を考える必要があります。画角の違いだけでなく、被写体との距離や背景の配置も考慮することで、2本の特徴を生かせます。
この2本は、ソニーEマウント版の全長が86.4mmで共通しています。フィルター径も67mmでそろっており、アクセサリーを共用しやすい構成です。100mmモデルの重量は477gで、75mmモデルの453gとの差は24gとなっています。
広角から望遠までの描写の統一感
シネマレンズをシリーズでそろえる意義は、焦点距離の選択肢だけではありません。撮影した映像を編集でつなぐ際には、色合いやコントラスト、背景ボケの印象などが重要になります。ThypochはSimera-Cシリーズで、焦点距離間の描写と操作系の統一を重視しています。
例えば、16mmで建物全体を見せた後、50mmで人物を捉え、100mmで手元を大きく映す構成ができます。同じレンズシリーズを使用することで、レンズ交換のたびに描写傾向が大きく変化することを抑える狙いがあります。特に物語性のある映像では、場面のつながりを意識した機材選択が重要です。
焦点距離そのものが画角に与える影響は、画角とは?焦点距離との関係と広角・標準・望遠の違いでも詳しく解説しています。レンズの焦点距離を変えた場合、撮影位置と被写体の距離によって背景の見え方も変わります。100mmを活用する際にも、こうした画角と撮影距離の関係を把握すると構図を考えやすくなります。
Simera-C 100mm T1.9の仕様とマウント別の違い
Simera-C 100mm T1.9の基本仕様は、ソニーEマウント版とライカMマウント版で共通しています。焦点距離、開放T値、光学構成、絞り羽根枚数、最短撮影距離は同じです。違いはレンズの全長と重量、装着できるカメラシステムに見られます。
主な製品仕様
メーカー発表による主な仕様を整理すると、100mmの望遠単焦点レンズでありながら、比較的小型の鏡筒にシネマ用の操作系を備えていることが分かります。16枚羽根の絞りや210度のフォーカス回転角は、映像制作を重視した構造です。フルサイズ対応のイメージサークルを確保しているため、フルサイズセンサーを使用するカメラで100mmの画角を生かせます。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| メーカー | Thypoch |
| 製品名 | Simera-C 100mm T1.9 |
| レンズ形式 | シネマ用単焦点レンズ |
| 焦点距離 | 100mm |
| 対応フォーマット | フルサイズ |
| イメージサークル | 43.2mm |
| 対応マウント | ソニーE、ライカM |
| 絞り範囲 | T1.9~T16 |
| レンズ構成 | 8群11枚 |
| 絞り羽根 | 16枚 |
| 最短撮影距離 | 0.85m |
| フォーカス方式 | マニュアルフォーカス |
| フォーカス回転角 | 210度 |
| ギア規格 | 0.8MOD |
| レンズ前枠外径 | 72mm |
| フィルター径 | 67mm(M67×0.75) |
| 水平画角 | 約21.4度(フルサイズ) |
| カラー | ブラック |
ソニーEマウント版とライカMマウント版の比較
2種類のマウントは、カメラへの装着方法と鏡筒の寸法が異なります。ソニーEマウント版は全長86.4mm、重量477gで、ライカMマウント版は全長76.6mm、重量451gです。ライカMマウント版は全長が9.8mm短く、重量も26g軽い構成です。
| 項目 | ソニーE | ライカM |
|---|---|---|
| 全長 | 86.4mm | 76.6mm |
| 重量 | 477g | 451g |
| 焦点距離 | 100mm | 100mm |
| 開放T値 | T1.9 | T1.9 |
| 絞り羽根 | 16枚 | 16枚 |
| フィルター径 | 67mm | 67mm |
| 希望小売価格 | 879米ドル | 959米ドル |
ソニーEマウントのカメラを中心に使用する場合は、Eマウント版を直接装着する構成が考えられます。複数のカメラマウントを組み合わせて使用する場合は、Mマウント版と対応アダプターを利用する構成が選択肢になります。使用するカメラやアクセサリーの構成によって、適したマウントが異なります。
ライカMマウント版の拡張性
ライカMマウント版は、マウントアダプターを介した使用を想定した構成にも対応しています。Thypochはポジティブロック式アダプターを展開しており、対応する複数のカメラシステムで同じレンズを使用できることを特徴としています。レンズを複数のカメラで共用したい映像制作者に向けた設計です。
一般的なマウントアダプターは、レンズとカメラのフランジバックの違いを利用して装着します。ライカMマウントはフランジバックが短いため、さらに短いフランジバックを持つミラーレスカメラなどでアダプターを使用する構成が可能です。実際の運用では、対応するカメラマウントとアダプターの組み合わせを選ぶことになります。
マウントとフランジバックの関係については、画角とは?焦点距離との関係と広角・標準・望遠の違いで紹介している焦点距離や画角の基本と合わせて理解すると、カメラシステムの違いを整理しやすくなります。異なるセンサーサイズのカメラで使用すると、実際に記録される画角も変わります。レンズの焦点距離100mmという仕様は共通ですが、撮像範囲によって構図が変化する点が特徴です。
価格と発売情報
ThypochはSimera-C 100mm T1.9の出荷開始時期を2026年10月下旬と発表しました。海外での希望小売価格は、ソニーEマウント版が879米ドル、ライカMマウント版が959米ドルです。ユーロ建ての価格も公表されており、Eマウント版が799ユーロ、Mマウント版が869ユーロとなっています。
マウント別の希望小売価格
2種類のマウントでは、ライカMマウント版の価格が高く設定されています。米ドル建てでは80ドルの差があり、ユーロ建てでは70ユーロの差です。光学仕様は共通しているため、購入時にはカメラとの組み合わせやマウントの運用方法が選択の中心になります。
| マウント | 米ドル価格 | ユーロ価格 |
|---|---|---|
| ソニーE | 879ドル | 799ユーロ |
| ライカM | 959ドル | 869ユーロ |
ユーロ価格は付加価値税込みの価格として案内されています。Thypochは公式オンラインストアと各地域の正規販売店を通じた販売を案内しています。国内での購入を検討する際には、日本国内向けの販売価格と取扱状況を確認することになります。
付属品とバックフォーカス調整
製品にはフロントキャップ、リアキャップ、バックフォーカス調整用シム、マウント用工具、保証書が付属します。バックフォーカス調整用シムは、レンズの光学的な位置関係を調整するための部品です。シネマレンズでは、こうした調整によってピント位置の精度を管理する構造が採用されることがあります。
本製品はマニュアルフォーカスを基本としたレンズであり、焦点距離や絞り値の操作を撮影者が管理します。Thypochの公式仕様では、Simera-Cシリーズに電子接点は搭載されていません。カメラ側のレンズ情報連携に依存しない、機械的な操作を中心とする構成です。
どのような動画制作者に適したレンズか
Simera-C 100mm T1.9は、人物を中心とした映像制作で100mmの画角を活用したい制作者に適しています。開放T1.9と16枚羽根の絞りによって背景を柔らかく見せる表現を想定しており、表情や細部を切り取る撮影に向いた仕様です。210度のフォーカス回転角や0.8MODギアは、マニュアルフォーカスを積極的に使用する撮影環境で生きる構造です。
ソニーEマウント版はソニーの対応カメラを中心とした撮影に組み込みやすく、ライカMマウント版はアダプターを使用した複数システムでの運用を想定できます。75mmモデルと共通する鏡筒寸法やフィルター径も、シリーズでレンズをそろえる際の特徴です。単独の100mmレンズとしてだけでなく、Simera-Cシリーズ全体の一部として使用することを重視した製品となっています。
まとめ
Thypochの「Simera-C 100mm T1.9」は、フルサイズ対応の小型シネマレンズシリーズに加わった望遠単焦点モデルです。2026-10-23に発表され、ソニーEマウント版とライカMマウント版が用意されています。開放T1.9、8群11枚の光学構成、16枚羽根の絞り、最短撮影距離0.85mを備え、人物のクローズアップや背景をぼかした映像表現を想定しています。
フォーカスリングは210度の回転角を持ち、フォーカスと絞りの操作部分には0.8MODギアが採用されています。レンズ前枠外径は72mm、フィルター径は67mmで、75mmモデルとのアクセサリー共用にも配慮されています。重量はソニーEマウント版が477g、ライカMマウント版が451gです。
100mmモデルの追加によって、Simera-Cシリーズは16mmから100mmまでの全7本がそろいました。海外希望小売価格はソニーEマウント版が879米ドル、ライカMマウント版が959米ドルで、2026年10月下旬からの出荷が案内されています。コンパクトなシネレンズを組み合わせ、広角から望遠まで統一感のある映像制作を行いたいユーザーに向けた新製品です。


