EOS R5 Mark IIを購入したものの、実際のバッテリー持ちが気になっている方も多いのではないでしょうか。高解像度センサーと動画機能の進化により、バッテリー消費は大きく影響を受ける要素です。本記事では、キヤノン純正バッテリーであるLP-E6NHとLP-E6Pそれぞれの特性と、撮影スタイル別の実使用時間について詳しく解説します。静止画撮影や8K動画など、用途に応じたバッテリー管理のヒントも紹介します。
EOS R5 Mark IIのバッテリー持ちはどれくらい?静止画と動画で変わる実使用の目安
EOS R5 Mark IIでは、新たにLP-E6Pバッテリーが採用されましたが、従来のLP-E6NHも引き続き使用可能です。両者のバッテリー容量や通信性能の違いは、使用時間やカメラとの連携に影響を与えるため、正しく理解することが重要です。本記事では、静止画撮影と動画撮影の両面から、EOS R5 Mark IIのバッテリー持ちをわかりやすく分析し、使用シーンに応じた適切な運用法を提案します。
EOS R5 Mark IIのバッテリー持ちは実用に耐えるのか
- 静止画撮影時のバッテリー持ちはどの程度か
- 動画撮影時に気をつけたいバッテリー消費の特徴
- 設定と使い方でバッテリー持ちはどう変わるか
静止画撮影時のバッテリー持ちはどの程度か
EOS R5 Mark IIのバッテリー持ちは、従来機よりもわずかに改善されているものの、撮影スタイルによって大きく左右されます。CIPA基準ではファインダー使用時で約340枚、背面モニター使用時で約500枚とされていますが、これはストロボや連写、画像レビュー、通信機能を含まない条件での計測です。実際の撮影では、ファインダーとモニターの切り替え、手ブレ補正、オートフォーカス駆動、画像確認などが加わるため、バッテリーの消耗はやや早まります。しかし連写中心の運用やレビューを最小限に抑えることで、バッテリー1本あたり600枚以上の撮影が可能な場面もあり、バッテリー持ちが特別悪いとは感じにくい設計です。また、電源の自動オフ時間を短く設定したり、ファインダーのリフレッシュレートを60Hzにすることで待機中の電力を節約でき、持続時間の底上げにつながります。撮影モードによっても消費は異なり、電子シャッターやミラーレス特有の常時ライブビューによる電力消費は無視できない要素となりますが、こまめな電源管理と機能の見直しを行えば、従来のEOS Rシリーズと同等かそれ以上の実用性が得られます。さらに、使用するレンズや周辺アクセサリーによっても消費は変化し、例えばIS付き望遠レンズなどを使えば補正駆動により消費が増加します。このようにEOS R5 Mark IIのバッテリー持ちは絶対的な枚数ではなく、撮影環境や設定によって大きく変動するため、ユーザー側の工夫がバッテリー寿命を左右することを意識した運用が重要です。

動画撮影時に気をつけたいバッテリー消費の特徴
EOS R5 Mark IIは8K RAW記録や4K120pといった高解像度・高フレームレートの動画撮影が可能な機種であり、これらの機能を活用する場合、バッテリーへの負荷は非常に大きくなります。一般的な設定での動画撮影では、1本のバッテリーでおおよそ30分前後の連続撮影が可能ですが、使用するコーデックや記録形式によってはこれより短くなる場合もあります。特に内部記録を行いながらモニターとファインダーを併用し、AFも常時作動している状態では、実際の稼働時間はさらに短縮される傾向があります。また、高負荷な記録設定では本体の発熱も伴うため、発熱による一時停止も含めて電源管理を考える必要があります。モニターの明るさを下げる、Wi-FiやBluetoothをオフにする、撮影中に不要な設定画面を開かないなど、細かな配慮によってバッテリー消費を抑えることができます。長時間収録を行う場合は、バッテリー交換を見越した段取りが不可欠であり、モバイルバッテリーやUSB給電対応の電源管理も選択肢に入ります。動画撮影は連続動作となるため、一眼レフやミラーレスの静止画撮影よりもはるかに電力消費が激しく、満充電のバッテリーを複数本携行しても足りなくなる場面が出てくる可能性があります。予測できない撮影現場では特に、何分記録が可能かを事前に試算し、確実にバッテリー切れを防ぐ準備をしておくことが求められます。加えて、記録メディアの発熱がバッテリー温度に影響を与えることもあり、全体の熱管理が安定稼働に密接に関係しています。このように、動画撮影におけるバッテリー運用は単なる電力量だけでなく、発熱、周辺機器、給電経路まで含めた総合的な計画が必要になります。

設定と使い方でバッテリー持ちはどう変わるか
EOS R5 Mark IIを長時間安定して使用するためには、初期設定や撮影時の操作習慣を見直すことが非常に有効です。まず、撮影時に使用する液晶モニターの明るさやファインダーの表示更新頻度は、設定によって大きな差が出る項目です。不要な明るさ設定を避けるだけでも電力消費は目に見えて減少し、ファインダーのリフレッシュレートを120Hzから60Hzに下げれば、消費電力をさらに抑えることができます。また、自動電源オフやスリープ機能を有効にして、カメラが使用されていない時間帯の電力消費を制限することも重要です。加えて、BluetoothやWi-Fiは待機中でも微弱な電力を消費し続けるため、使用しない場合は速やかにオフにしておくことが望ましく、スマートフォン連携やファームウェアアップデートなどで一時的に使用する場合も、用が済んだら必ずオフにする習慣をつけるべきです。撮影中の画像確認やメニュー操作も、意外とバッテリーを消費するポイントであり、必要以上に確認を繰り返さないことがバッテリーの寿命を伸ばす一助となります。さらに、手ブレ補正機構やAFサーボの設定も電力消費に影響を与えるため、必要のない状況ではこれらの機能をオフにすることが望ましいです。こうした細かな積み重ねによって、同じ撮影条件でもバッテリー持ちは大きく変わってきます。運用においては、予備バッテリーの携行は当然として、それぞれの撮影スタイルに最適化された設定を事前に用意しておくことで、現場でのバッテリー切れや中断を防ぐことができます。EOS R5 Mark IIは高性能なカメラであるがゆえに、電力消費もまた多面的であり、ユーザーの使い方がその持続時間を決定づけるという点を理解しておく必要があります。

EOS R5 Mark IIのバッテリー持ちはどこまで信頼できるか
- 実撮影で感じるEOS R5 Mark IIのバッテリー持ち
- 動画撮影時にバッテリーが減る要因とは
- バッテリーを長持ちさせるためにできる工夫
実撮影で感じるEOS R5 Mark IIのバッテリー持ち
EOS R5 Mark IIのバッテリー持ちは、前モデルと同じLP-E6系の形状を採用しつつ、カメラ内部の電力効率が最適化されたことで、実使用時における安定性がわずかに向上しています。CIPA基準ではファインダー使用で約340枚、背面モニター使用で約500枚とされており、これはあくまで標準条件下での参考値に過ぎません。実際のフィールドでは、連写を多用する被写体やレビューを控えたスタイルであれば600枚を超えることもあり、状況次第でバッテリー消費の速度は大きく変わります。使用できるバッテリーとしては、従来のLP-E6NやLP-E6NHも対応していますが、EOS R5 Mark II専用に最適化されたLP-E6Pは最大6Aの連続放電に対応しており、特に電力負荷の大きな状況でも安定して駆動することができるため、高性能を引き出すうえでは最適な選択肢です。ただし、静止画撮影に限って言えば、LP-E6NHでも十分な持続時間を確保できる場面が多く、価格や在庫状況を踏まえてバッテリーを使い分ける運用も現実的です。さらに、スタンバイ時間の削減やファインダーのリフレッシュレートを60Hzに抑えることで、全体の消費を下げることが可能であり、使用者側の工夫がバッテリー持ちに直接影響を与えます。USB-PDによる給電やカメラ内充電にも対応しており、撮影途中でもモバイルバッテリーやアダプターからの補充ができる環境であれば、バッテリーの消耗を気にせずに撮影を継続できるという安心感もあります。

動画撮影時にバッテリーが減る要因とは
EOS R5 Mark IIは高性能な動画記録機能を搭載しており、特に8Kや4K120pなどの高負荷な動画撮影時にはバッテリーの消費が著しく速くなる傾向があります。1本のバッテリーで撮影可能な時間は、設定や撮影環境に大きく左右されるものの、平均して30分前後とされ、これは記録形式が高ビットレートであることや、センサーやプロセッサーの発熱による制限が影響しています。特に内部記録と同時にAFや手ブレ補正が常時作動している場合、消費電力が一気に上がるため、静止画のような持続は期待できません。こうした状況では、専用のLP-E6Pを使用することで安定した電流供給が確保され、途中での停止や電圧低下による機能制限のリスクが減るという点で大きなメリットがありますが、それでも動画撮影が中心となる運用では予備バッテリーが必須となります。USB-PDによる給電対応も備えており、撮影中にモバイルバッテリーや電源アダプターを使用することで長時間運用が可能となりますが、出力が不足している場合は給電しながらの撮影は制限されるため、使用機材の性能も重要です。また、録画中はモニターの点灯時間が長くなるため、液晶輝度を抑える設定や背面モニターを閉じたままの運用を選ぶことで、消費の抑制が可能です。さらに、Wi-FiやBluetoothを使用しない場合は確実にオフにしておくことが望ましく、バックグラウンドでの通信によってもバッテリーは徐々に消費されるため、細かな設定一つひとつが長時間撮影における差となって表れます。

バッテリーを長持ちさせるためにできる工夫
EOS R5 Mark IIを使用するうえで、バッテリーの消費を抑えるためには、あらかじめ設定を最適化することが非常に重要です。まず基本として、ファインダーの表示更新頻度は初期状態で120Hzに設定されていますが、これを60Hzに切り替えるだけで消費電力は大きく変わります。また、液晶モニターの輝度を抑えることで待機中の消費も抑制でき、モニターを閉じたままで撮影する運用にすればさらに効率は高まります。AFの動作モードも電力消費に影響し、AFサーボを常時オンにしていると無駄な動作が発生するため、必要に応じてワンショットAFやマニュアルフォーカスを併用することでバッテリー持ちが改善されます。加えて、手ブレ補正機能も常に作動させていると電力を消費し続けるため、三脚撮影などで必要のない場合にはオフにすることが理想です。BluetoothやWi-Fiを使用しない撮影では、無効化することで通信関連のバックグラウンド動作を停止でき、待機中のロスを防ぐことができます。さらに、撮影後のレビュー時間を短くしたり、画像再生時の自動ズームを切ることで、細かな部分での節電が積み重なり、全体の使用可能時間を引き上げる結果になります。LP-E6Pのような高出力対応バッテリーを使うことで電力供給の安定性が高まり、電圧低下による挙動不安定も防げますが、それだけに頼るのではなく、ユーザーの設定意識と日常の運用がバッテリー持ちに与える影響は決して小さくありません。現場で突然のバッテリー切れに見舞われないためにも、バッテリー本数の確保だけでなく、電力効率を意識した使い方を習慣化しておくことがEOS R5 Mark IIを活かすうえでの基本となります。

EOS R5 Mark IIのバッテリー持ちを改善する現実的な方法
- 最新型LP-E6Pの性能と推奨理由
- 設定の最適化による電力消費の抑制
- 撮影スタイルごとのバッテリー消耗の違い
最新型LP-E6Pの性能と推奨理由
EOS R5 Mark IIではキヤノンが正式に推奨しているLP-E6Pバッテリーを使用することが最も安定したバッテリー管理につながります。LP-E6Pは従来型であるLP-E6NやLP-E6NHと同じ形状ながら、最大6Aの高出力に対応しており、高解像度や高フレームレートの動画撮影においても供給電力が不足することなく、急なシャットダウンを防ぎます。一方でLP-E6NHは一見すると容量も大きく、上位互換に見えますが、EOS R5 Mark IIでは実際にバッテリーの減りが早いという声も多く、高負荷撮影時には残量がみるみるうちに減少してしまう現象が確認されています。LP-E6Nについては旧式であり、そもそもR5 Mark IIの性能に対して明らかに非力であり、予備用途として持っておく程度にとどめるのが現実的です。LP-E6Pはその点、出力だけでなく内部通信仕様も改良されており、カメラ本体側の電力制御と連携することで、消費を最適化する機能も内包しているため、信頼性が大きく向上しています。バッテリー1本での撮影可能時間を少しでも延ばしたい場合、まず第一にLP-E6Pを使用することが前提となります。

設定の最適化による電力消費の抑制
EOS R5 Mark IIは多機能かつ高性能である反面、初期設定のままで使い続けるとバッテリー消費が非常に早くなってしまいます。例えば、液晶モニターの明るさを標準よりも低めに設定するだけでも消費電力は大きく変わります。また、ファインダーのリフレッシュレートを120Hzにしていると非常に滑らかに表示される一方で、バッテリーの消耗速度は格段に上がってしまうため、通常の用途では60Hzに設定し直すことをおすすめします。さらにオートパワーオフの時間設定を短くする、Wi-FiやBluetoothを使わないときはオフにする、GPSを無効にするなどの小さな積み重ねによって、全体の消耗量を抑えることが可能になります。カスタムボタンに「画面オフ」や「Wi-Fi切替」などを割り当てておくと、不要なタイミングでの電力浪費を防げるだけでなく、実際の撮影現場での対応スピードも落ちません。つまりバッテリーの種類だけでなく、ユーザー側の設定と操作の工夫によってバッテリー寿命は大きく変わってくるのです。

撮影スタイルごとのバッテリー消耗の違い
EOS R5 Mark IIのバッテリー消費は撮影スタイルによっても大きく左右されます。たとえば静止画撮影だけに集中する場合と、動画撮影やライブビュー撮影を多用する場合とでは、1本のバッテリーで持つ時間がまったく異なります。特に8Kや4K 60p以上の動画撮影では、内部処理や記録データ量が非常に大きくなるため、LP-E6NHやLP-E6Nでは1時間持たずに交換が必要となるケースもあります。連写を多用したスポーツ撮影や野鳥撮影でも同様で、シャッター駆動だけでなく画像処理による電力消費も重なるため、撮影の合間にいかに省電力設定を活用できるかがポイントです。動画配信やインタビュー撮影など長時間同じ場所で撮る場合は、バッテリーグリップやUSB給電による外部電源の導入も現実的な選択肢となります。また、寒冷地での撮影はバッテリー性能が低下しやすいため、予備バッテリーを胸ポケットなど体温のある場所で保管するなどの工夫が必要です。このように、撮影内容や環境条件、そして使い方のクセによってもバッテリーの持ちには差が出るため、自分のスタイルに合った運用を見直すことが非常に重要です。

まとめ
EOS R5 Mark IIにおけるバッテリー持ちは、使用するバッテリーの種類や撮影モードによって大きく変動します。新採用のLP-E6Pはカメラとの通信機能が強化されている一方、LP-E6NHは実績のある容量性能で、撮影スタイルによって選択が可能です。静止画撮影ではおおむね300〜500枚、動画では4K記録で約90分前後が目安となりますが、設定や使用環境によっては変化します。8K撮影や連続録画を行う場合には、バッテリーグリップの導入や予備バッテリーの携行が推奨されます。さらに、電源オフ時の通信やBluetooth常時接続といった機能もバッテリーに影響を与えるため、必要に応じて設定を見直すことが長時間撮影のコツとなります。
