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Nikon Z5IICで水族館を撮影|魚認識AFの実写評価と暗い水槽をきれいに撮る方法

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Nikon Z5IICで水族館を撮影|魚認識AFの実写評価と暗い水槽をきれいに撮る方法 ミラーレス

Nikon Z5IICで水族館を撮影|魚認識AFの実写評価と暗い水槽をきれいに撮る方法

ニコンのフルサイズミラーレスカメラ「Nikon Z5IIC」が、水族館撮影という分野で注目されています。その理由は、ニコンのカメラとして初めて被写体検出に「魚」を追加したことです。従来の人物、犬、猫、鳥などに加え、水槽の中を泳ぐ魚をカメラが認識し、オートフォーカスで追えるようになりました。暗い水槽、不規則に泳ぐ小魚、ガラス越しの撮影という難しい条件を考えると、魚認識AFは水族館で写真を撮る人にとって気になる機能です。

実際に2026年10月17日には、Real Sound Techで写真家・前田賢紀氏によるZ5IICの実写紹介が公開されました。記事では水族館を訪れ、カクレクマノミ、テッポウウオ、金魚などを撮影しながら、魚認識AFの働きやレンズによる写りの違いが紹介されています。さらにニコンの公式製品ページにも魚を撮影した作例と撮影データが掲載されており、機能の名称だけでは分からない実用性を考える材料がそろっています。

この記事では、公開された実写紹介とニコンの公式仕様を基に、魚認識AFでどのような被写体を撮影できるのか、水族館ではどのような設定が必要なのかを掘り下げます。実写例の結果は各撮影者が公開したものとして扱い、当サイトで撮影したという記述は行いません。また、魚認識AFだけに頼らず、シャッタースピード、ISO感度、露出補正、ガラスの反射、レンズ選びまで含めて水族館撮影の方法を解説します。水槽の中の魚を鮮明に写したい場合にも、青い光に包まれた幻想的な水族館の風景を残したい場合にも役立つ内容です。

  1. Nikon Z5IICの水族館実写で分かった魚認識AFの特徴
    1. ニコン初の魚認識AFは水槽内の魚を撮るための新機能
    2. カクレクマノミの実写は小魚撮影の難しさも示している
    3. 金魚とテッポウウオの作例から撮影対象による違いを考える
  2. 水族館で魚認識AFを使いこなす設定方法
    1. 被写体検出を「魚」にしてAF-Cと組み合わせる
    2. 魚を認識しない場合はガラス・距離・背景を確認する
    3. プリキャプチャーで魚が動く直前の瞬間を記録する
  3. 暗い水槽で魚を鮮明に写す露出設定
    1. 泳ぐ魚には1/250秒から1/500秒を出発点にする
    2. 公式の魚作例は75mm・1/400秒・F6.3・ISO1600
    3. 露出補正をマイナスにすると水槽の暗さを残しやすい
  4. 水槽のガラス越しで失敗しない撮影方法
    1. ガラスの反射は撮影位置とレンズの向きで減らす
    2. 青い水槽ではホワイトバランスをどこに合わせるかが重要
    3. 水槽の照明による縞や色の変化にも注意する
  5. 水族館撮影に向くNIKKOR Zレンズを比較する
    1. 24-50mm F4-6.3は水槽全体と近くの魚を撮り分けられる
    2. 40mm F2なら暗い水槽でもシャッタースピードを確保しやすい
    3. 遠い魚には望遠ズーム、近い魚には明るい標準レンズを考える
  6. 水族館らしい写真を残す構図と撮影の工夫
    1. 魚の目だけでなく泳ぐ方向と背景の余白を意識する
    2. クラゲや大水槽は魚認識に頼らず光と形を優先する
    3. 撮影マナーと写真の選別まで考える
  7. まとめ

Nikon Z5IICの水族館実写で分かった魚認識AFの特徴

ニコン初の魚認識AFは水槽内の魚を撮るための新機能

Nikon Z5IICは2026年9月28日に発表されたフルサイズミラーレスカメラで、10月23日の発売が予定されています。有効約2450万画素のフルサイズCMOSセンサーと画像処理エンジンEXPEED 7を搭載し、人物、犬、猫、鳥、魚、車、バイク、自転車、列車、飛行機という10種類の被写体検出に対応しています。このうち魚の認識はZ5IICで新たに加わった機能です。魚の目や身体を認識してピント合わせを補助するため、背景の岩や水草が複雑に重なった水槽でも、狙いたい魚にピントを合わせやすくなることが期待できます。

ただし、魚認識AFを利用するには、カメラの「AF/MFの被写体検出設定」で「魚」を選択する必要があります。被写体の種類を自動判定する設定だけで、必ず魚の認識が働くという仕組みではありません。水族館へ到着してから撮影を始めるときは、まず被写体検出を魚へ切り換え、魚の近くに認識枠が表示されるか確認することが重要です。人物や建物を撮影する場合には設定を変更する必要があるため、撮影対象ごとにAFを使い分けることになります。従来モデルとの機能差についてはNikon Z5IICとZ5IIの比較でも詳しく解説しています。

カクレクマノミの実写は小魚撮影の難しさも示している

Real Sound Techの実写紹介では、水族館で人気のカクレクマノミが撮影対象として取り上げられています。オレンジと白の模様が特徴的なカクレクマノミは、魚の輪郭を確認しやすい一方、イソギンチャクの間を素早く移動するため、撮影者には難しい被写体です。公開された撮影レポートでも、小さな魚は動きが素早く、カクレクマノミはイソギンチャクの中にいる時間が長いため、撮影が容易とは限らないことが述べられています。魚認識AFがあっても、被写体の姿が障害物に隠れると追尾できなくなるという、水族館特有の問題が分かります。

カクレクマノミを撮るときは、常に泳いでいる魚を追い続ける方法だけでなく、イソギンチャクから姿を見せる場所を決めて待つ方法があります。魚が同じ経路を何度も通る場合は、その位置を画面の中央付近に収めて待つと、カメラを大きく振らずに撮影できます。魚認識が外れたときは、狙う魚の近くへAFエリアを移し、再認識させる操作が必要です。魚の動きに対するAFの性能と、撮影者がシャッターチャンスを予測することは別の役割であり、両方を組み合わせることで成功率を高められます。AFの基本性能やボディの操作性はNikon Z5IICの背面モニター撮影にも関連しています。

金魚とテッポウウオの作例から撮影対象による違いを考える

同じ実写紹介では、金魚とテッポウウオも撮影されています。金魚は比較的ゆったりと泳ぐ場面があり、動きの予測が難しい小魚と比べて構図を整えながら撮影しやすい被写体です。一方、テッポウウオは水面に向けて水を吐く行動が知られており、その瞬間を写真に残すにはタイミングが重要になります。魚認識AFが魚を捕捉できたとしても、水を吐く瞬間に合わせてシャッターを切る必要があるため、ピント合わせと瞬間の記録は分けて考える必要があります。

実写レポートでは、魚認識によってピントが合った写真を比較的高い割合で得られたという評価が示されています。ただし、この評価は撮影者が訪れた水族館と撮影条件に基づくものであり、すべての魚種や水槽で同じ結果になることを示すものではありません。魚の身体の色、背景との明暗差、泳ぐ速度、ガラスの状態、使用レンズによって撮影の難しさは変わります。実写で良好な結果が示されたことは魚認識AFの可能性を裏付けますが、撮影者が被写体に合わせた露出とシャッタースピードを選ぶことも欠かせません。暗所での設定の考え方は高感度撮影とISO感度の関係で確認できます。

水族館で魚認識AFを使いこなす設定方法

被写体検出を「魚」にしてAF-Cと組み合わせる

水族館では魚が前後左右へ動くため、基本的にはAF-Cを利用する方法が考えられます。AF-Cは被写体との距離が変化するときにピントを合わせ続ける設定で、魚認識AFと組み合わせることで動く魚への追従を狙えます。まず静止画撮影モードでAF-Cを選び、被写体検出設定を「魚」に変更します。次に水槽の中で撮影したい魚へカメラを向け、認識枠が狙った魚を捉えるか確認します。魚の周囲に複数の認識候補がある場合は、カメラがどの魚を追っているかを見ながら撮影する必要があります。

水族館の魚は背景と同じような色をしていたり、別の魚と重なったりすることがあります。そうした場面では、広いAFエリアだけに任せると意図しない魚を優先する場合があります。Z5IICはワイドエリアAFやシングルポイントAFなども備えているため、認識しにくい状況ではAFエリアを絞って撮影する方法が有効です。特に岩の陰から顔を出す魚や、ガラスの近くを泳ぐ魚では、狙いたい場所を限定してからAFを動作させることでピントの迷いを減らせます。Z5IICの操作系とモニターでのAF位置指定についてはZ5IICのファインダーなし撮影スタイルで説明しています。

魚を認識しない場合はガラス・距離・背景を確認する

魚認識AFが期待したように働かない場合、最初に確認したいのは魚の見え方です。水槽の反射で魚の輪郭が不明瞭になっていたり、魚が水草の奥に隠れていたりすると、カメラにとって認識しにくい状況になります。特に透明な魚、背景と似た色の魚、画面の中で非常に小さく写る魚では、被写体を識別するための情報が不足する場合があります。魚認識はあくまでピント合わせを補助する機能なので、状況によっては通常のAFエリアやマニュアルフォーカスへ切り換える必要があります。

認識が安定しないときは、ズームして魚を大きく写す、撮影位置を少し変えて背景との重なりを減らす、反射の少ない場所へ移動するといった方法が考えられます。ガラス表面の汚れや映り込みにAFが反応する場合は、ガラスに近いものと水槽の奥の魚との距離差を意識することも重要です。手前の魚を認識していても奥の魚を撮りたい場合は、AFエリアを狙った位置へ移して再度ピントを合わせます。認識結果が変わる理由を理解することが、単にAF性能の良し悪しを判断すること以上に実用的です。従来のZ5IIとのAF機能の違いはZ5IICとZ5IIのオートフォーカス比較で取り上げています。

プリキャプチャーで魚が動く直前の瞬間を記録する

Z5IICはハイスピードフレームキャプチャー+に対応しており、C15では最高約15コマ/秒、C30では最高約30コマ/秒の撮影が可能です。さらにプリキャプチャー機能を利用すれば、シャッターボタンを全押しする直前の画像を残せます。魚の動きが予測しにくい水族館では、泳ぎ始めた瞬間や水面へ飛び出す動きなどに利用できる機能です。テッポウウオの水を吐く瞬間のように、目で見てから反応したのでは間に合わない場面では、撮影開始前の画像を記録できる意味があります。

ただし、C15やC30を使ったハイスピードフレームキャプチャー+は、通常のRAW連写と同じ条件で撮影できる機能ではありません。撮影する画像の形式や利用できる設定に制約があるため、RAW現像の自由度を重視する写真と、決定的瞬間を優先する写真で使い分けることになります。また、大量の写真が記録されるため、撮影後には魚の目にピントが合っているか、ヒレの形が自然か、背景との重なりが少ないかを確認して選別します。高速連写だけで成功率を判断するのではなく、どの瞬間を残せたかが重要です。動体撮影でのシャッタースピードとISO感度の関係は高感度撮影の基本と動体への対応で詳しく解説しています。

暗い水槽で魚を鮮明に写す露出設定

泳ぐ魚には1/250秒から1/500秒を出発点にする

水族館の撮影で失敗しやすい原因の一つが、魚の動きによる被写体ブレです。暗い水槽ではカメラが十分な明るさを確保しようとしてシャッタースピードを遅くすることがありますが、魚はその間も動いているため、身体の輪郭が流れてしまいます。比較的ゆっくり泳ぐ魚なら1/250秒程度から試し、動きが速い小魚や方向を急に変える魚では1/500秒以上を検討します。魚が泳ぐ速度だけでなく、画面にどの程度大きく写っているかによってもブレの見え方は変わります。小さな魚を大きく写すほど、わずかな移動でも画像上では目立ちやすくなります。

シャッタースピードを優先して決めたい場合は、Sモードを使う方法があります。例えば1/500秒に設定すれば、カメラはレンズの絞りやISO感度との組み合わせで明るさを調整します。レンズの開放F値が大きく、必要な光量を得られない場合はISO感度が上がるため、ノイズとブレのどちらを優先するかが判断の中心になります。水槽内の岩や水草を静かに撮る場合は遅いシャッタースピードを選べますが、動きのある魚では速度を確保することが重要です。シャッタースピードとISO感度の関係はISO感度と暗所撮影の設定方法で説明しています。

公式の魚作例は75mm・1/400秒・F6.3・ISO1600

ニコンのZ5IIC公式製品ページには、魚を撮影した作例として焦点距離75mm、シャッタースピード1/400秒、絞りF6.3、ISO1600という撮影データが掲載されています。撮影者はもなみん氏で、フルサイズのFXフォーマットを使用した写真です。この数値から分かるのは、魚を写すために必ずしもF1.4やF2の大口径レンズが必要とは限らないことです。被写体へ十分な光が届いていれば、F6.3という絞りでも1/400秒を確保でき、比較的低いISO1600で記録できる場合があります。水族館の照明は場所によって大きく異なるため、こうした撮影条件を確認することが実用的です。

F6.3で撮影できる水槽でも、魚が暗い場所へ移動すると必要なISO感度は上がります。同じ1/400秒を維持する場合、光量が半分になればISO感度を約2倍へ上げる必要があるため、撮影者は水槽内の明るさの変化を見ながら設定を調整することになります。公式作例のISO1600をそのまま固定するのではなく、被写体を止めるために必要なシャッタースピードを先に決める方法が合理的です。写真に写った魚の目やヒレの細部を確認し、被写体ブレがあるなら速度を上げ、暗すぎるならISO感度を調整します。フルサイズ機の暗所性能についてはスマホとミラーレスの暗所撮影の違いでも解説しています。

露出補正をマイナスにすると水槽の暗さを残しやすい

水族館では黒い背景と明るい魚が組み合わさることが多く、カメラが画面全体を明るくしようとすると、水槽の暗い雰囲気が失われる場合があります。Real Sound Techの実写レポートでも、露出が明るくなりすぎることへの対策として、マイナス2/3段やマイナス1段程度の露出補正が紹介されています。この調整は水槽の黒を深く見せ、照明に照らされた魚の色を強調する効果が期待できます。ただし、すべての水槽でマイナス補正が必要というわけではなく、魚自体が暗い場合には露出不足になることもあります。撮影した写真を再生し、魚の色と背景の暗さを確認しながら補正量を決めます。

シャッター優先モードで露出補正をマイナスにすると、ISO感度などの自動制御によって記録される明るさが変わります。絞り優先モードならシャッタースピードが速くなる場合もありますが、ISOオートが作動している状態では必ず速度が上がるとは限りません。したがって、露出補正とシャッタースピードを別々に確認することが重要です。青い水槽では背景の色を残したい場合もあるため、魚の色だけを基準に明るく調整すると水の青さが薄くなることがあります。露出とISO感度の考え方は高感度撮影でノイズを抑える方法で詳しく紹介しています。

水槽のガラス越しで失敗しない撮影方法

ガラスの反射は撮影位置とレンズの向きで減らす

水族館撮影では、魚認識AFとは別にガラスの反射という問題があります。水槽のガラスには館内の照明、背後の展示、ほかの来館者、自分自身などが映り込みます。魚にピントが合っていても、こうした反射が画面に重なると写真の見栄えが悪くなり、場合によっては魚の細部が見えにくくなります。まず撮影位置を左右へ少し移動し、反射する照明が画面から外れる位置を探します。レンズを水槽に対して大きく斜めに向けると反射が減ることもありますが、ガラス越しに写る像がゆがんだり、写り方が変化したりする場合があるため、位置と角度を組み合わせて調整します。

ガラスへレンズを近づける方法もありますが、館内の規則や展示物の保護が優先です。レンズやフードを水槽に強く押し付けたり、展示面を汚したりする使い方は避けます。ガラスへ近づかなくても、暗い服装を選ぶ、明るい照明を背負わない位置へ移動する、カメラと水槽の間に強い光が入らない構図を選ぶといった方法で反射を減らせます。魚の撮影ではAF性能ばかりを確認しがちですが、反射の少ない場所を選ぶことも写真の鮮明さを左右します。水族館のような暗い室内でのカメラ選びは室内撮影に向くミラーレスとレンズの選び方とも関係します。

青い水槽ではホワイトバランスをどこに合わせるかが重要

水族館の照明は青、緑、紫などの色を使って演出されることが多く、通常の屋内照明とは異なる色環境になっています。ホワイトバランスをオートにすると、カメラが照明の青さを補正しようとして、実際に見た水槽の印象と異なる色になることがあります。青く照らされたクラゲや熱帯魚を幻想的に写したいなら、撮影時に水槽の青さを残す設定が適しています。一方、魚の身体の色を正確に記録することが目的なら、青い照明の影響を減らしたい場合もあります。どちらの仕上がりを目指すかによって、ホワイトバランスの選び方は変わります。

Z5IICではホワイトバランスの設定や色温度調整を利用できるため、同じ水槽を設定を変えて撮影する方法が考えられます。色温度を変えたときは魚の色だけでなく、背景の水や岩の色がどう変わるかも確認します。照明自体が強い青色や紫色の場合には、ホワイトバランスだけで自然光下の色を再現することは難しくなります。RAWで記録しておけば撮影後にホワイトバランスを調整しやすくなりますが、照明によって記録されなかった色情報まで完全に復元できるわけではありません。色の再現と撮影時の設定を考える場合はNikon Zfの色づくりと撮影機能も参考になります。

水槽の照明による縞や色の変化にも注意する

水槽の照明にはLEDが使われることもあり、撮影時のシャッタースピードやシャッター方式によって画像に明暗の縞が現れる場合があります。特に電子シャッターで撮影した写真に帯状の明暗が出た場合は、照明の点滅周期とセンサーの読み出し方式が関係している可能性があります。Z5IICには静止画のフリッカー低減や高周波フリッカー低減などの機能が用意されていますが、すべての照明で必ず縞を除去できるわけではありません。魚を撮る場合はブレを止めるシャッタースピードが必要なので、縞を消すためだけに大幅に速度を落とすと被写体ブレが増えることもあります。

撮影した写真に縞がある場合は、まずシャッター方式を変更した写真を比較し、次にフリッカー低減機能を確認する方法があります。照明の種類によっては特定のシャッタースピードで縞が目立ちにくくなることもあるため、同じ水槽で数枚テストすると判断しやすくなります。また、魚が青い照明から白い照明の場所へ移動すると、明るさと色が急に変わることがあります。水族館では魚の動きだけでなく照明の変化も撮影条件の一部になるため、明るさの安定している場所を選ぶ工夫が必要です。撮影環境に応じたISO感度の調整は高感度撮影と露出の基本で解説しています。

水族館撮影に向くNIKKOR Zレンズを比較する

24-50mm F4-6.3は水槽全体と近くの魚を撮り分けられる

Z5IICの24-50mmレンズキットに付属するNIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3は、小型軽量を重視した標準ズームです。24mm側では水槽全体や展示空間を広く写し、50mm側では近くの魚を比較的大きく写せます。水族館では撮影できる位置が限られるため、同じ場所から画角を変更できるズームレンズには実用的な利点があります。大きな水槽を背景に来館者のシルエットを撮る場合は広角側を使い、手前を泳ぐ魚だけを写したい場合は望遠側へ変更する方法が考えられます。水槽との距離によっては50mmでも魚を十分に大きく写せないため、撮影対象の大きさも考える必要があります。

このレンズの開放F値は24mm側でF4、50mm側でF6.3です。ズームするとレンズが暗くなるため、暗い水槽でシャッタースピードを維持するにはISO感度が高くなることがあります。一方、明るい照明が当たる水槽ではF6.3でも撮影できる場合があり、ニコン公式の魚作例でも同じF6.3という絞り値が使われています。ズームレンズの役割は明るさだけではなく、水槽の大きさや魚との距離に合わせて構図を整えられることです。Z5IIC本体の携帯性とキットレンズの特徴についてはZ5IICの背面モニターと小型ボディの使い方でも詳しく説明しています。

40mm F2なら暗い水槽でもシャッタースピードを確保しやすい

NIKKOR Z 40mm f/2は、軽量で持ち歩きやすい標準単焦点レンズです。開放F値がF2なので、F6.3のズームレンズ望遠端と比較すると約3段以上多くの光を取り込めます。同じ明るさの水槽で同じシャッタースピードを使用する場合、ISO感度を大幅に下げられる可能性があります。例えばF6.3でISO6400が必要な場面でも、F2ならISO640前後に近い感度で同じシャッタースピードを使える計算になります。実際には露出や撮影条件によって数値が変わりますが、大口径単焦点レンズが暗い水槽で有利になる理由を理解できます。

Real Sound Techの実写レポートでも、24-50mmのキットズームと40mm F2の単焦点が使用されています。レポートでは水族館以外のスナップも含めて40mm単焦点が多用されており、軽いフルサイズ機と明るいレンズの組み合わせが紹介されています。ただし、40mmは焦点距離を変更できないため、奥の小さな魚を大きく写す用途には向かない場合があります。また、F2では被写界深度が浅くなるので、魚が斜めを向いたときには頭と尾びれの両方を鮮明に写しにくくなることもあります。単焦点レンズの明るさと表現の関係はNikon Zfと40mm F2の組み合わせでも取り上げています。

遠い魚には望遠ズーム、近い魚には明るい標準レンズを考える

水族館の魚を大きく写したい場合、単に暗所性能の高いカメラを選ぶだけでは解決できないことがあります。大きな水槽の奥を泳ぐ魚は24-50mmでは小さく写るため、望遠側まで使えるズームレンズが必要になる場合があります。一方、すぐ近くを泳ぐ魚では標準レンズでも大きく写すことができ、望遠レンズを使用すると画面から被写体がはみ出すこともあります。水族館は展示によって魚との距離が大きく異なるので、撮影したい魚の種類と水槽の大きさを基準に焦点距離を考えると選びやすくなります。

大きな水槽の一部を切り取るなら中望遠域が便利ですが、暗い場所で開放F値の大きい望遠ズームを使用するとISO感度が高くなります。反対にF2.8通しのズームレンズなどは光量を確保しやすいものの、レンズが大きく重くなる場合があります。Z5IICは電子ファインダーを持たず、背面モニターで撮影するため、重い望遠レンズを使用するときは両手でしっかり支える必要があります。撮影可能な場所が狭い場合には、周囲の来館者へ配慮しながら機材を扱うことも重要です。Zマウントのズームレンズ選びについてはニコンZ用タムロン20-40mm F2.8と純正ズームの比較で詳しく紹介しています。

水族館らしい写真を残す構図と撮影の工夫

魚の目だけでなく泳ぐ方向と背景の余白を意識する

魚を大きく写せた写真が、必ずしも印象的な水族館写真になるとは限りません。魚が泳ぐ方向の前方に余白を残すと、これから進む方向が感じられる構図になります。例えば右へ泳ぐ魚なら画面の右側に少し空間を残し、背後に水草や岩を配置すると、水槽の奥行きが伝わりやすくなります。魚を画面の中央へ置いた写真もよいですが、身体の形や周囲の空間を考えて配置すると、水槽の中にいる雰囲気を表現できます。魚の種類によって特徴的なヒレや模様があるため、どの部分を見せたいかによって構図も変わります。

ピントの基準は魚の目に置くことが多くなりますが、すべての魚で目が見えやすいとは限りません。横向きに泳ぐ魚なら顔の位置を確認し、正面を向いた魚なら目と口の形を生かした構図を考えます。小魚が群れで泳いでいる場合は、1匹だけを鮮明に写す方法と、複数の魚を一緒に写す方法の両方があります。被写界深度を浅くすると主役を強調できますが、群れ全体を鮮明に見せたい場合は絞りを少し小さくすることも必要です。レンズによるボケとフルサイズの表現についてはNikon Zfの画質と単焦点レンズの使い方も参考になります。

クラゲや大水槽は魚認識に頼らず光と形を優先する

水族館の被写体は魚だけではありません。クラゲ、サンゴ、イソギンチャク、大きな水槽の景観など、光と形を生かして撮りたい展示もあります。クラゲは魚とは異なる生き物なので、Z5IICの魚認識AFが必ず適切に働く対象と考えるべきではありません。こうした場合はシングルポイントAFなどを使ってピントを合わせる位置を決め、形や透明感を優先して構図を作ります。特にライトアップされたクラゲは、背景を暗く残しながら傘の輪郭を鮮明に写すことで幻想的な雰囲気を表現できます。

大きな水槽では、魚を1匹だけ追うより、水槽全体の青い光や泳ぐ魚の集まりを写した方が印象的な写真になる場合があります。広角レンズで水槽を大きく写し、手前に人物のシルエットを入れると、水族館のスケールを表現できます。この場合は魚を止めるシャッタースピードより、背景と人物の位置関係を優先することもあります。被写体がほとんど動かない場面では、ボディ内手振れ補正を利用してシャッタースピードを遅くし、ISO感度を抑える方法も有効です。ファインダーを使わない構図づくりについてはZ5IICのローアングルとハイアングル撮影で解説しています。

撮影マナーと写真の選別まで考える

水族館では撮影できる場所や方法が施設によって異なります。フラッシュの使用を制限している展示や、動画撮影、三脚、一脚の使用について個別に規則がある施設もあります。魚やほかの生き物への影響を避けるため、撮影前に施設の案内を確認することが重要です。また、ガラスにカメラを強く押し当てる行為や、ほかの来館者の前を長時間ふさぐ行為にも注意が必要です。撮影に夢中になるほど周囲の状況を見落としやすくなるため、機材の大きさと撮影位置には配慮が求められます。

撮影後は、連写で残した画像の中から魚の目にピントが合った写真を選び、次に身体の形と背景との重なりを確認します。カクレクマノミのような小魚では、同じ構図でもわずかなタイミングの違いでヒレの形や目の位置が変わります。暗い水槽の写真はノイズが目立つことがありますが、ノイズを強く除去すると魚の鱗や細かな模様が失われる場合もあります。RAWで記録した場合は暗部と色の調整を行い、魚の質感を残しながら仕上げることが重要です。高感度撮影の画像処理とノイズの関係は高感度撮影でのノイズと画質の考え方で詳しく説明しています。

まとめ

Nikon Z5IICが水族館撮影で注目される最大の理由は、ニコンで初めて採用された魚認識AFです。2026年10月17日に公開されたReal Sound Techの実写紹介では、カクレクマノミ、金魚、テッポウウオなどが撮影され、魚認識AFの実用性と、水槽内の小魚を撮影する難しさが紹介されています。また、ニコン公式の魚作例には75mm、1/400秒、F6.3、ISO1600という撮影データが掲載されており、魚を鮮明に記録するための露出設定を考える参考になります。実写で確認された内容とメーカーが公表する機能を合わせると、魚認識AFは暗い水族館での撮影を助ける一方、ピント合わせだけですべての問題が解決する機能ではないことが分かります。

実際に水族館で撮影する際は、魚認識AFとAF-Cを組み合わせ、泳ぐ魚には1/250秒から1/500秒程度を出発点としてシャッタースピードを設定します。水槽の暗さを生かしたい場合には露出補正を調整し、ガラスの反射が目立つ場合は撮影位置と角度を変えます。キットの24-50mm F4-6.3は水槽全体と魚を撮り分ける用途に便利で、40mm F2の単焦点は暗い水槽で光量を確保したい場合に向いています。プリキャプチャーを利用すれば、動き出す直前など通常のシャッター操作では残しにくい瞬間も狙えます。

魚の種類や水槽の明るさによって必要な設定は変わるため、撮影対象に合わせてAFエリア、シャッタースピード、レンズを選ぶことが大切です。カクレクマノミの素早い動きと金魚のゆったりした泳ぎでは、同じ設定で最良の結果になるとは限りません。魚認識AFを活用しながら、水槽の光、ガラスの反射、魚の泳ぐ方向を意識して撮影することで、単に魚を記録する写真から、水族館の空気感まで伝わる写真へと表現を広げられます。

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