Canon EFマウントの安い神レンズまとめ – コスパ最高の撒き餌レンズを用途別に紹介
Canonカメラユーザーなら一度は聞いたことがある「神レンズ」という言葉。これは価格以上の性能でユーザーを唸らせる伝説的なレンズの愛称です。本記事では、キヤノンEFマウント(一眼レフ用)で安いのに高性能と評判の“神レンズ”を徹底紹介します。初心者からプロの写真家・動画クリエイターまで、ユーザータイプ別・さらにポートレート・風景・旅行など用途別にもおすすめレンズを厳選。コスパに優れたEFレンズや撒き餌レンズと呼ばれるモデルを中心に、2025年現在の価格帯や特徴も交えて解説していきます。
目次
神レンズとは?総合力で評価される理由
「神レンズ」とは、その総合的な性能が飛び抜けて優秀で、多くのユーザーから絶賛されているレンズの俗称です。具体的には、下記のようなポイントで極めて評価が高いレンズが「神」と称されます。
- 画質 – 解像力や描写力がずば抜けて高く、写真の隅々までシャープ。
- ボケの美しさ – 絞り開放時のボケ味が柔らかく滑らかで被写体が際立つ。
- コストパフォーマンス – 性能に対して価格が安く、「安かろう良かろう」を体現するコスパの高いレンズ。
もちろん全てを兼ね備えている必要はありませんが、「こんなに安いのに写りが凄い!」「使い勝手が抜群に良い」といった期待以上の満足感を与えてくれるレンズが「神レンズ」と呼ばれます。特にメーカー純正なのに破格の値段で買える高性能レンズは「撒き餌レンズ」とも呼ばれ、初心者をレンズ沼に引き込む定番の神レンズとなっています。Canonの場合、EF50mm F1.8 STM(単焦点標準レンズ)、EF40mm F2.8 STMやEF-S24mm F2.8 STM(パンケーキ型単焦点)などが撒き餌レンズの代表格です。本記事ではこうしたEFマウントの安い神レンズを厳選し、用途や使用者に応じたおすすめポイントを紹介します。
ユーザータイプ別おすすめのCanon EF神レンズ
初心者におすすめの神レンズ
一眼レフ初心者の多くは、購入時に付属するキットレンズ(標準ズームレンズ)から撮影を始めます。しかし「神レンズ」と呼ばれる高性能レンズを1本追加するだけで、写真の仕上がりが劇的に向上します。初心者にとって手を出しやすい価格帯で、撮影の幅を一気に広げてくれる撒き餌レンズは以下の通りです。
- EF50mm F1.8 STM – 実売新品価格約18,000円・中古約10,000円と驚くほど安い定番単焦点レンズ。「撒き餌レンズ」の王様とも呼ばれ、価格からは想像できない高い描写力と美しいボケを備えます。明るいF1.8で室内や夜景でもシャッター速度を稼げ、背景を大きくぼかしたポートレート撮影も可能です。小型軽量(約160g)で持ち運びやすく、まさにコスパ最高のEFレンズとして初心者に最初におすすめしたい一本です。
- EF-S24mm F2.8 STM – APS-C機(EOS Kissシリーズなど)ユーザーにぜひ試してほしい薄型パンケーキレンズ。35mm判換算で約38mm相当の画角はスナップに使いやすく、開放F2.8から十分シャープな描写が得られます。厚さわずか約22.8mm・重さ約125gという超コンパクト設計で、カメラに付けっぱなしでもかさばりません。新品実売で20,000円弱、中古なら15,000円前後と手頃です。(フルサイズ機なら同様に薄型軽量のEF40mm F2.8 STM(約130g)がおすすめです)日常の持ち歩き用としても最適な一枚です。
- EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM – 遠くの被写体を撮りたい初心者には、APS-C専用の望遠ズームである本レンズが入門に最適です。88-400mm相当の焦点距離レンジをカバーし、野鳥や運動会など被写体を大きく引き寄せられます。STM駆動で動画撮影時のAFも静か、手ブレ補正も搭載され初心者でも扱いやすい設計。新品価格約30,000円でしたが現在生産終了のため中古入手が中心で、程度にもよりますが15,000円前後から購入可能です。手頃な価格ながら望遠撮影の楽しさを存分に味わえるコスパ抜群のEFレンズです。
プロ向け神レンズ(コスパ重視)
プロやハイアマチュアになると機材投資も本格的になりますが、それでも「価格以上の写り」でプロを唸らせるレンズがあります。最新のRFマウントLレンズに匹敵する描写力を持ちながら、EFマウント故に価格がこなれているモデルは狙い目の神レンズです。ここでは、プロの現場でも通用するクオリティを持ちながらコストパフォーマンスに優れたEFレンズを紹介します。
- EF135mm F2L USM – 「ポートレートの神レンズ」との呼び声高いLレンズ。開放F2から生み出されるとろけるようなボケと圧倒的な解像力で、人を撮らせたら右に出るものがありません。発売当時約8万円でしたが中古なら6~7万円程度で入手可能です。1本でプロのポートレート撮影を支える実力がありながら、この価格はプロ用として破格です。
- EF100mm F2.8 マクロ USM – プロの物撮りや接写撮影でおなじみの等倍マクロレンズ。2000年代からのロングセラーですが、描写は極めてシャープで現在でも一線級です。その分価格は抑えられており新品約60,000円・中古30,000円台と入手しやすいです。
- EF17-40mm F4L USM – プロの風景撮影や建築撮影のエントリーレンズとして定番だった広角ズーム。すでに生産終了していますが、中古3万円台と手に入りやすく、フルサイズ広角撮影の入門に最適。ズーム全域F4通しで操作しやすく、17mmの超広角では雄大な風景をワイドに表現できます。最新のEF16-35mmシリーズと比べると周辺画質などで劣るものの、F8~11に絞って使えば遜色ない描写が可能です。軽量コンパクト(約475g)で持ち出しも苦にならず、限られた予算で広角撮影を極めたい写真愛好家にうってつけの一本でしょう。
動画クリエイター向けの神レンズ
動画メインで活動するユーザーには、静止画とはまた異なる観点でレンズを選ぶ必要があります。AF音が静かでスムーズ、画角の汎用性、手ブレ補正の有無などが重要です。幸いEFマウントには、動画撮影に適した安価な名玉も存在します。ここでは、YouTube撮影やショートフィルム制作にうってつけのレンズをピックアップしました。
- EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM – Vlog撮影や自撮り動画に最適な超広角ズームです。APS-C用ですが、35mm換算16-29mm相当のダイナミックな画角で手持ち撮影時も余裕の構図が取れます。STM駆動によりAF駆動音が静かで、内蔵ISが歩き撮り時のブレを軽減。重さ約240gと軽量なので小型ジンバルにも載せやすく、旅先での風景紹介や室内紹介動画など幅広く活躍します。
- EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USM – APS-C機で動画制作するならぜひ揃えたい高倍率ズーム。29-216mm相当をカバーするためレンズ交換なしで様々な画角が得られ、ドキュメンタリー風の撮影でも機動力を発揮します。Nano USM採用でAFは高速かつ静粛、ピント送りも滑らか。手ブレ補正も搭載し、歩き撮りや望遠側の手持ち撮影でも安心です。新品価格は約50,000円ですが、キットレンズとして流通していることもあり中古なら30,000円台で見つかることも。一つでオールマイティーに撮れる動画向け神レンズです。
用途別で見る安いEF神レンズのおすすめ
ポートレート向けおすすめレンズ
人物写真(ポートレート)では、背景をぼかして被写体を際立たせるために明るい開放F値のレンズが重宝します。また焦点距離50mm~85mm程度の中望遠域が歪みも少なく人気です(上級者には135mm F2Lなどの長焦点レンズも愛用されます)。以下にコストパフォーマンスに優れたポートレート向けレンズを紹介します。
- EF50mm F1.8 STM – フルサイズ機で標準画角となる50mmは、被写体と背景のバランスが良く初心者にも扱いやすいポートレート入門レンズです。APS-C機では80mm相当のやや望遠となり、被写体に少し距離を取ったバストアップ肖像に適しています。いずれの場合もF1.8の大きなボケで背景を柔らかくぼかせるため、人物が浮き立つ印象的な写真に仕上がります。安価であるため初めてのポートレート用単焦点として最適です。
- EF85mm F1.8 USM – プロからアマチュアまで幅広く愛用される定番ポートレートレンズ。フルサイズでは人物の表情や上半身を自然な遠近感で切り取れる画角、APS-Cでは約136mm相当となりステージ上の人物など少し離れた被写体の撮影にも向きます。開放F1.8時の背景のボケは柔らかく、美しい円形絞りによる点光源のボケも滑らかです。USM高速AFにより一瞬の表情も逃さず捉えられます。新品価格は4万円前後で、この性能を考えれば非常にお買い得と言えるでしょう。
風景撮影向けおすすめレンズ
広大な風景を高画質に収めるには、広角域をカバーするレンズが必要です。近年高性能な広角ズームは高額ですが、旧モデルやAPS-C専用レンズには安価で良質な掘り出し物があります。風景写真では絞り込んで撮ることが多いため、開放F値が多少暗くても問題ありません。以下にコストパフォーマンスに優れた風景向けレンズを紹介します。
- EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM – 風景用としてまず押さえたいのが、APS-Cユーザー向けの超広角ズームです。16mm相当の超広角から27mm相当の広角までを1本でカバーでき、山岳風景から都市の街並みまでダイナミックに切り取れます。新品が3万円台という破格ながら、軽量設計と手ブレ補正も備え登山のお供にも最適。F8前後に絞れば隅々までシャープに写り、初心者から上級者まで満足できる風景撮影用の神レンズです。
- EF17-40mm F4L USM – フルサイズ対応の広角ズームでは、中古価格の安さで群を抜くのがこのLレンズです。生産終了品となりましたが、中古なら3~4万円台で入手可能で、超広角17mmを含む本格的な風景撮影を手軽に始められます。ズーム全域F4通しで扱いやすく、17mmの画角では雄大な風景をワイドに表現可能。最新の16-35mmシリーズに比べ周辺の画質こそ劣るものの、適切に絞れば遜色ない描写が得られます。約475gと軽量コンパクトなため山歩きでの携行も容易。低予算で広角撮影に挑戦したい人にうってつけの一本でしょう。
旅行に便利なおすすめレンズ
旅行ではレンズ交換の手間を減らし、機材を軽量にまとめたいものです。そこで役立つのが高倍率の標準ズームやパンケーキレンズ。1本で広角から望遠まで対応できるズームや、カメラに付けっぱなしにしても負担にならない薄型レンズが旅のお供に最適です。
- 高倍率ズーム: EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USM / EF24-105mm F4L IS USM – APS-C機ではEF-S18-135mm(35mm換算29-216mm相当)が1本で広角から望遠までカバーし、手ブレ補正付きで旅行中のあらゆるシーンに対応できます。フルサイズ機にはEF24-105mm F4L IS USMが相応で、24-105mmの便利なズーム域とLレンズの高画質を両立。いずれもレンズ交換の手間を減らせるため、旅先でレンズ1本に絞りたい場合にうってつけの万能神レンズです。
- パンケーキ単焦点レンズ (EF40mm F2.8 STM / EF-S24mm F2.8 STM) – 荷物を極限まで減らしたいバックパッカーや街歩き撮影には、パンケーキレンズが最高の選択です。EF40mm(フルサイズ対応)およびEF-S24mm(APS-C専用)は、どちらも厚さ約2.2cmの超薄型設計でカメラに装着していても鞄のスペースを取りません。EF40mmはフルサイズ機で少し寄りの標準画角(40mm)、APS-C機では約64mm相当の準望遠としてスナップから簡易ポートレートまで幅広く使用可能。一方EF-S24mmはAPS-C機で約38mm相当の自然な画角となり風景から室内スナップまでオールマイティです。重量はいずれも約130g前後とスマホ並みの軽さで画質もシャープ。旅先でカメラを首から下げて長時間歩いても負担にならず、気軽に高画質撮影が楽しめる旅行の強い味方です。
マクロ撮影向けおすすめレンズ
花や昆虫、料理や製品のクローズアップなど、マクロ撮影には被写体に近寄って等倍(実物大)撮影ができる専用レンズが必要です。Canon EFマウントには比較的手頃な純正マクロレンズが存在し、マクロ入門にもぴったりです。なお、APS-C専用ではEF-S60mm F2.8マクロ USMというコンパクトなレンズも存在します。
- EF100mm F2.8 マクロ USM – フルサイズ対応マクロとして長年支持されてきた銘玉です。約30cmまで寄って1倍撮影でき、センサーいっぱいに被写体を写し出せます。シャープネスは折り紙付きで、細密描写が求められる商品撮影でも活躍。手ブレ補正こそありませんが、その分価格は安価で新品約60,000円・中古3~4万円台と手に入れやすいのが魅力です。ピントリングの操作も滑らかで微調整しやすく、初めてのマクロレンズにも安心。さらに100mmの中望遠としてポートレートに流用することも可能で、一石二鳥のコスパ優秀レンズと言えます。
野生動物・野鳥撮影向けおすすめレンズ
野鳥や野生動物を撮るには超望遠レンズが理想ですが、プロ用の600mmや400mmクラスは数十万円と高価です。そこで、初心者~中級者には比較的安価に手に入る望遠ズームレンズでチャレンジするのがおすすめです。以下に手頃な望遠ズームレンズを紹介します。(フルサイズ機ならEF70-300mm F4-5.6 IS II USMもコスパ良好)
- EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM – 手軽に400mm相当(APS-C使用時)までの望遠撮影を体験できる入門ズームです。小型軽量の割に望遠端では被写体をしっかり捉えられ、野鳥観察や動物園での撮影にも最適。生産終了品ですが中古での入手は容易で、価格は1.5万円前後と格安です。明るい日中に使えば解像感も高く、初めての野鳥撮影入門レンズとして申し分ない性能を発揮します。
室内撮影向けおすすめレンズ
室内での撮影(発表会や室内スポーツ、インドアポートレートなど)は、照明が十分でないことが多く明るいレンズや手ブレ補正付きレンズが役立ちます。また、広い室内で離れた被写体を撮る場合には中望遠レンズ(例: EF85mm F1.8 USM)の明るさが効果的です。
- EF50mm F1.8 STM – 低予算で室内撮影の画質を上げたいなら、やはりこのレンズが強力です。開放F1.8の明るさにより、家庭内の何気ない一コマからパーティーシーンまで、照明が暗めの場所でもノンフラッシュで撮影が楽しめます。背景ボケを活かして室内ポートレートを撮れば被写体が浮き立ち、雰囲気のある一枚に。STM駆動のAFは静かに合致するため、赤ちゃんやペットの自然な姿を室内で撮る際にも重宝します。手頃な価格ゆえ気軽に持ち出せ、一家に一本は持っておきたい神レンズです。
動画撮影向けおすすめレンズ
動画用途でレンズを選ぶ際は、撮影スタイルに合わせた特性を持つものを組み合わせると効果的です。例えば、自撮り主体なのか風景中心なのかで必要な画角が異なりますし、手持ちか三脚かで手ブレ補正の有無も重要になります。以下では、動画撮影シーン別に有用なレンズを挙げます。
- 超広角ズーム: EF-S10-18mm IS STM – 自撮りや旅Vlogなど、カメラを手に持って歩きながら撮る場合に重宝する一本です。画角が非常に広いため腕を伸ばして撮っても自分と背景をしっかりフレーム内に収められ、臨場感ある映像になります。STM駆動のAFは動画サーボAFでもスムーズにピントを追従し、内蔵の手ブレ補正と相まって歩行シーンでも安定した映像が得られます。
- 標準ズーム: EF-S18-135mm IS USM / EF24-105mm F4L IS USM – シーンに応じて焦点距離を柔軟に変えたい動画撮影では、高倍率の標準ズームが重宝します。APS-C機ならEF-S18-135mm(Nano USM)が、フルサイズ機ならEF24-105mm F4L IS(初代モデル)がコスパに優れた選択肢です。いずれも広角から中望遠までシームレスに画角を変えられるため、風景のパン撮影から被写体へのクローズアップまで1本でこなせます。特にEF-S18-135mmは前述の通り電動パワーズームに対応しており、ズーミングを多用する映像表現にも最適です。両レンズとも手ブレ補正を搭載し、手持ち撮影でもブレを抑えて安定したカットが得られます。
- 明るい単焦点: EF50mm F1.8 STM – 映像に映画のようなボケ味を加えたいなら、この明るい単焦点レンズが活躍します。開放F1.8で被写界深度を浅くできるため、インタビュー映像で背景をぼかして被写体を際立たせたり、商品レビュー動画で対象物だけにフォーカスした印象的な絵作りが可能です。STMモーターのおかげでAF駆動音も静かで、フォーカス送りも滑らかに行えます。軽量でジンバル等にも載せやすく、低予算で映像表現の幅を広げられる神レンズとして映像初心者から上級者までおすすめです。
まとめ: 安くても妥協しないEFレンズで写真・動画を楽しもう
以上、“Canon神レンズ”と称される安価なEFマウントレンズをユーザータイプ別・用途別に紹介しました。いずれも価格以上の満足感を得られる製品ばかりで、「高いLレンズでないと良い写真が撮れない」ということは決してありません。2025年現在、ミラーレス移行に伴いEFレンズは中古品が豊富で新品価格も下がり気味です。また、EOS Rシリーズなどミラーレス機でもマウントアダプター経由でこれらEF神レンズを引き続き活用できます。ぜひ本記事を参考に、ご自身の目的やスタイルに合ったコスパ最高のEFレンズを手に入れてみてください。写真・動画ライフを楽しみましょう。



