Nikon Z5IICが10月23日発売!Z5IIと徹底比較|約2万円の価格差とファインダーなしの実力
ニコンは2026年9月28日、フルサイズミラーレスカメラ「Nikon Z5IIC」の国内発売を正式発表しました。発売日は10月23日、予約受付は10月2日から開始されています。ニコンダイレクトでのボディ価格は238,700円(税込)で、上位機種にあたるZ5IIの258,500円(税込)と比較すると、価格差は19,800円です。
Z5IICの最大の特徴は、電子ビューファインダー(EVF)を搭載していないことです。カメラ上部のファインダー部分をなくし、背面モニターを中心に撮影するスタイルを採用しました。さらに、Z5IIが備えるSDカードのダブルスロットをシングルスロットへ変更し、背面液晶の解像度も抑えています。
しかし、有効約2450万画素のフルサイズセンサー、EXPEED 7画像処理エンジン、10種類の被写体検出、5軸ボディ内手振れ補正、4K60p動画など、撮影の中核となる機能は充実しています。単純に性能を削った廉価版という説明だけでは、このカメラの特徴を十分に理解できません。
では、約2万円安いZ5IICと、ファインダーやダブルスロットを備えたZ5IIでは、どちらが購入する価値の高いカメラなのでしょうか。価格差がわずか19,800円ならZ5IIを選んだほうがよいのでしょうか。それとも、ファインダーを必要としない人にとっては、Z5IICの小型で平らなボディに実用的な魅力があるのでしょうか。
この記事では、Z5IICの発売情報を整理したうえで、Z5IIとの仕様、画質、AF、連写、手振れ補正、ファインダー、液晶、記録メディア、動画性能、携帯性、価格を比較します。さらに、旅行、スナップ、人物、野鳥、スポーツ、動画撮影など、撮影目的によってどちらが適しているかを詳しく検証します。
Nikon Z5IICの発売日・価格・主な仕様
10月23日発売、ボディ価格は238,700円
Nikon Z5IICは2026年9月28日に国内発売が発表され、10月23日に発売予定のフルサイズミラーレスカメラです。予約受付は10月2日10時から開始されています。国内販売価格はオープンプライスですが、ニコンダイレクトではボディ単体が238,700円(税込)で案内されています。
比較対象となるZ5IIのニコンダイレクト価格は258,500円(税込)です。同じ販売元の価格で比較すると、Z5IICは19,800円安くなります。割合では約7.7%の価格差です。フルサイズカメラの購入費用として考えると、この金額でファインダーやダブルスロットなどの機能を追加できることになります。
| 項目 | Z5IIC | Z5II |
|---|---|---|
| 国内発表 | 2026年9月28日 | 2025年4月 |
| 発売日 | 2026年10月23日 | 2025年4月25日 |
| ニコンダイレクト価格 | 238,700円 | 258,500円 |
| 価格差 | 19,800円 | |
| 主な特徴 | EVFなし・小型形状 | EVFあり・ダブルスロット |
ここで重要なのは、Z5IICがZ5IIより大幅に安いモデルではないということです。ボディ単体で約24万円という価格は、フルサイズミラーレスとして決して低額ではありません。約2万円を節約するために失う機能と、その代わりに得られる形状や携帯性の違いを確認することが、購入判断の中心となります。
既存記事では、Z5IICのファインダーを使わない撮影スタイルを詳しく紹介しています。Nikon Z5IICはファインダーなしでも使いやすい?背面モニター撮影を活かす使い方も参考になります。
2450万画素フルサイズセンサーとEXPEED 7を搭載
Z5IICには、有効約2450万画素のフルサイズCMOSセンサーとEXPEED 7画像処理エンジンが採用されています。撮像素子の大きさは35.9×23.9mmで、ニコンのFXフォーマットに対応します。APS-C機より広い撮像面積を持ち、大きなボケや高感度撮影を活用できる構成です。
静止画の常用ISO感度はISO100〜64000です。最高感度だけで実際の画質を判断することはできませんが、暗い室内や夕暮れなど、シャッタースピードを確保しにくい場面でも幅広い感度設定を利用できます。
画像処理エンジンのEXPEED 7は、ニコンの上位機種にも採用されている世代の処理技術です。被写体検出、AF制御、画像処理などを担い、Z5IICでも10種類の被写体検出に対応しています。人物、犬、猫、鳥、魚、車、バイク、自転車、列車、飛行機を認識対象として選択できます。
また、ニコンZマウント用の交換レンズを使用できるため、24-50mmの小型標準ズームから大口径単焦点、超望遠ズームまで、用途に応じてレンズを選択できます。マウントアダプターを使用すれば、一部機能制限を伴うものの、対応するFマウント用レンズも利用できます。
カメラの撮像素子や画角の違いについて考える場合には、OM SYSTEM PENのセンサーと撮影機能も参考になります。センサーサイズが異なる製品と比較すると、同じ焦点距離でも画角や撮影システム全体の大きさが変わることが分かります。
ファインダーをなくしたフラットなボディデザイン
Z5IICの外観で最も特徴的なのは、カメラ上部のファインダー部分がないことです。一般的なフルサイズミラーレスでは、ボディ中央にEVFを収納する大きな出っ張りがありますが、Z5IICでは上面が平らに近い形状となっています。
本体寸法は約134.0×80.5×72.0mmで、Z5IIの約134.0×100.5×72.0mmと比較すると、高さが20mm低くなっています。幅と奥行きはほぼ同じなので、カメラ全体が均等に小さくなったというより、ファインダー部分の高さを削った設計です。
重量はバッテリーとメモリーカードを含めて約620gで、Z5IIの約700gより80g軽くなっています。本体のみの重量でもZ5IICが約538g、Z5IIが約620gです。
80gという重量差は、レンズを装着した総重量に対して必ずしも大きくありません。しかし、バッグへ収納するときには、高さが20mm低いことに実用的な意味があります。比較的小さな標準ズームや単焦点レンズと組み合わせる場合、ファインダー部が引っ掛かりにくくなり、平らな形状を活かした持ち歩き方ができます。
ただし、EVFを省略した代わりに、カメラを目元に構えて撮影する選択肢はなくなります。これは単なる小型化ではなく、撮影方法そのものを変える設計です。
ファインダーを通して撮影する意味については、ファインダー越しとは?カメラで見える世界と写真表現の意味で詳しく解説しています。
Nikon Z5IICとZ5IIのスペックを徹底比較
画素数・AF・連写・手振れ補正の違い
Z5IICとZ5IIを比較すると、センサーの有効画素数はどちらも約2450万画素であり、画像処理エンジンもEXPEED 7です。写真の解像度を重視する場合、Z5IICを選んだからといって画素数が減少するわけではありません。
AFについても、Z5IICは人物や動物、乗り物など10種類の被写体検出に対応しています。従来の普及価格帯のカメラと比べると、被写体認識を利用した撮影機能は充実しています。
連写性能では、Z5IICはJPEGで高速連続撮影(拡張)を使用すると約14コマ/秒に対応します。サイレントモードでは約15コマ/秒、ハイスピードフレームキャプチャー+では最大約30コマ/秒の撮影が可能です。ただし、すべての記録方式で同じ連写速度になるわけではありません。
ボディ内手振れ補正は5軸方式で、レンズ内手振れ補正に対応する製品との組み合わせも利用できます。手持ちで風景や夜景を撮影する場合、ブレを抑えられることは実用上の大きな利点です。
| 項目 | Z5IIC | Z5II |
|---|---|---|
| センサー | フルサイズCMOS | フルサイズCMOS |
| 有効画素数 | 約2450万画素 | 約2450万画素 |
| 画像処理エンジン | EXPEED 7 | EXPEED 7 |
| 常用ISO感度 | 100〜64000 | 100〜64000 |
| 被写体検出 | 10種類 | 9種類 |
| 高速連続撮影(拡張) | 約14コマ/秒 | 約14コマ/秒 |
| ボディ内手振れ補正 | 5軸 | 5軸 |
Z5IICで新たに魚の被写体認識が追加された点も注目されます。水族館などで魚を撮影する用途を考えると、Z5IIとまったく同じ機能に限定されているわけではありません。
実際の画質を比較するには、同じレンズ、同じ撮影条件、同じRAW現像設定で確認する必要があります。公開仕様に基づく判断では、両機種は静止画の主要な撮影性能が近く、購入判断を左右するのは画素数よりも操作系や装備の違いです。
ファインダーを省略したZ5IICの撮影方法については、Nikon Z5IICの背面モニター撮影を活かす使い方で詳しく紹介しています。
電子ファインダーと背面モニターの違い
両機種の最も大きな違いは電子ファインダーです。Z5IIは約369万ドットのEVFを備えていますが、Z5IICにはEVFがありません。Z5IICでは、構図、ピント、露出、撮影結果などを背面モニターで確認します。
背面モニターは両機種とも3.2型のバリアングル式ですが、解像度が異なります。Z5IICは約104万ドット、Z5IIは約210万ドットです。Z5IIのほうが表示する情報の細かさに余裕があり、画像の拡大確認や細部の確認にも利点があります。
| 項目 | Z5IIC | Z5II |
|---|---|---|
| 電子ファインダー | 非搭載 | 約369万ドット |
| 背面モニター | 3.2型バリアングル | 3.2型バリアングル |
| モニター解像度 | 約104万ドット | 約210万ドット |
| タッチ操作 | 対応 | 対応 |
| ファインダー撮影 | 不可 | 可能 |
ファインダーの有無は、撮影する場所によって重要度が変わります。晴天の屋外では背面モニターが反射や周囲の明るさによって見づらくなる場合があります。EVFなら周囲の光を遮りながら構図を確認できるため、屋外での撮影が多い人にはZ5IIが有利です。
一方、腰の高さや頭上から撮影する場合には、バリアングルモニターが役立ちます。この使い方では、ファインダーを備えていても使用しない場面があります。普段からモニターを見て撮影する人にとっては、Z5IICの操作方法に大きな違和感が生じないことも考えられます。
ただし、Z5IIでも背面モニターを利用した撮影は可能です。Z5IICだけがローアングルやハイアングルに対応しているわけではありません。Z5IIはファインダーとモニターを選択でき、Z5IICではモニター中心の撮影に限定されるという違いです。
EVFと光学ファインダーの役割については、ファインダー越しとは?EVFとOVFの違いも参考になります。
SDカードスロットと記録機能の違い
電子ファインダーと並んで重要なのが、SDカードスロットの数です。Z5IIはSDカードのダブルスロットを搭載しています。一方、Z5IICはシングルスロットです。
Z5IIでは2枚のカードを装着でき、順次記録、バックアップ記録、RAWとJPEGの振り分け記録、カード間コピーなどに対応します。撮影した画像を同時に2枚のカードへ記録できることは、データ保全を重視する撮影で重要です。
例えば、結婚式、学校行事、イベント、報道など、撮り直しのできない撮影では、記録媒体の故障が重大な問題になります。バックアップ記録を利用できれば、一方のカードに問題が起きた場合にも別のカードにデータが残る構成を作れます。
Z5IICではカードが1枚だけなので、撮影時に2枚のカードへ同時保存することはできません。カードが破損した場合に備えた運用を考える必要があります。
| 記録機能 | Z5IIC | Z5II |
|---|---|---|
| SDカードスロット数 | 1 | 2 |
| UHS-II | 対応 | 対応 |
| 2枚への同時バックアップ | 不可 | 可能 |
| RAW/JPEG振り分け | 不可 | 可能 |
| カード間コピー | 不可 | 可能 |
ダブルスロットが必要かどうかは撮影目的によって変わります。旅行中のスナップや趣味の写真撮影ではシングルスロットでも運用できますが、仕事で大量の写真を撮影する場合や、失敗が許されない撮影では、ダブルスロットの重要性が高まります。
そして、この違いは後から設定変更やファームウェア更新で追加できるものではありません。Z5IICの購入後にダブルスロットが必要になった場合、カメラ本体の買い替えを検討することになります。
写真を確実に記録するためのカメラ選びという観点では、OM SYSTEM PENの記録性能と仕様も参考になります。記録メディアの仕様は、カメラの撮影性能とは別に確認すべき項目です。
約2万円の価格差は妥当なのか
EVFとダブルスロットだけで19,800円の価値はあるか
Z5IICが238,700円、Z5IIが258,500円という価格設定であれば、差額は19,800円です。この差額をどう評価するかが、購入判断の中心になります。
Z5IIで追加される主な装備は、約369万ドットのEVF、ダブルSDカードスロット、約210万ドットの高精細モニターです。また、ボディが大きく重くなる代わりに、ファインダーを利用した伝統的な撮影スタイルにも対応します。
19,800円という価格差をカメラ全体の購入費用から考えると、極端に大きな金額ではありません。例えば、購入後に約5年間使用すると仮定すれば、差額は年間3,960円、月額330円相当です。長期間使うカメラだからこそ、購入時の価格差だけでなく、その期間に必要となる機能を考える意味があります。
一方、EVFを一切使用せず、バックアップ記録も必要としない人にとっては、使わない機能のために19,800円を追加することになります。しかも、Z5IIは80g重く、高さも20mm大きいため、装備の追加には携帯性の負担も伴います。
結局、価格差を評価する基準は、ファインダーとダブルスロットを使うかどうかです。どちらか一方でも必要性が高ければ、Z5IIの追加費用には意味があります。両方とも使用しないなら、Z5IICの軽さや形状を選ぶ理由が生まれます。
EVFが撮影にもたらす価値については、ファインダー越しとは?カメラで見える世界と写真表現の意味で詳しく解説しています。
差額をレンズ購入費用へ回すという考え方
カメラを購入するときには、ボディ価格だけでなく、レンズを含めた総額を考える必要があります。Z5IICとZ5IIの差額19,800円を、交換レンズや記録媒体、予備バッテリーなどの購入費用に充てることもできます。
フルサイズカメラの写真表現を大きく変えるのは、センサーの性能だけではありません。焦点距離や開放F値が異なるレンズを使用すれば、撮影できる被写体や表現の範囲が変わります。
例えば、標準ズームだけを使用している場合、明るい単焦点レンズを追加すると、暗い場所での撮影や背景をぼかした人物撮影を楽しめます。また、望遠ズームを追加すれば、遠くの被写体を大きく撮影できるようになります。
ただし、19,800円で購入できるニコンZマウント用レンズには選択肢の制約があります。高性能なS-Lineレンズや大口径ズームを購入する場合には、さらに多くの予算が必要です。差額だけで必ず希望するレンズを購入できるという意味ではありません。
それでも、すでに使用するレンズが決まっていて、EVFを必要としない人であれば、Z5IICを選んで予算を確保する考え方には合理性があります。
カメラの購入で本体とレンズをどのように組み合わせるかについては、Nikon Z5IICの撮影スタイルとレンズの選び方も参考になります。
中古価格と将来の買い替えまで考える
新しいカメラを購入するときには、購入後の価値についても考える必要があります。Z5IICは2026年10月23日発売予定の新製品であり、長期間使用された中古市場の相場はまだ形成されていません。
一方、Z5IIは2025年4月発売のモデルです。新品だけでなく中古品を探すことができるため、価格によっては新品Z5IICとの比較が変わります。
例えば、中古Z5IIが新品Z5IICに近い価格で販売されていれば、ファインダーとダブルスロットを備えたZ5IIを選ぶという考え方があります。反対に、新品保証を重視する場合には、Z5IICのほうが条件に合うこともあります。
中古品を比較するときには、価格だけでなく、シャッターの使用状況、外観、センサー、端子、液晶、バッテリー、保証などを確認する必要があります。価格差が小さいからといって、中古品が必ず有利になるわけではありません。
また、ファインダーのないZ5IICがどの程度の中古価格を維持するかは、購入者の需要によって変わります。独特な形状を評価する人が多ければ一定の人気を得ることが考えられますが、購入者の多くがEVFを必要とする場合には、中古市場での需要にも違いが生じます。
長期間使用するカメラとして選ぶ場合には、購入時の数万円だけでなく、買い替えまでの使用年数や必要な機能を考慮することが重要です。
カメラを持ち歩く用途と装備のバランスについては、OM SYSTEM PENの特徴と小型カメラの選び方でも詳しく紹介しています。
撮影目的別にZ5IICとZ5IIを比較
旅行・街歩き・日常スナップではどちらが便利か
旅行や街歩きでは、カメラを持ち歩く負担の小ささが重要です。撮影する予定がなくてもバッグに入れておき、気になった風景や人物を見つけたときに取り出せるカメラは、実際に撮影する機会を増やします。
Z5IICはZ5IIより80g軽く、高さも20mm低いため、携帯性を重視する用途に適しています。特に薄型の単焦点レンズや小型の標準ズームと組み合わせる場合、ファインダーの出っ張りがない形状が役立ちます。
また、スナップ撮影では、カメラを目元まで持ち上げず、腰の高さや胸元で構図を決めることがあります。Z5IICはバリアングルモニターを中心に使うため、このような撮影スタイルと相性があります。
ただし、晴天の屋外で頻繁に撮影する場合には、Z5IIのEVFが役立ちます。モニターが日光で見づらい状況でも、EVFなら被写体を確認しやすくなります。また、ファインダーをのぞくことでカメラを顔に近づけ、安定した姿勢で撮影しやすい利点もあります。
旅行や街歩きではZ5IICの軽さと形状が魅力ですが、屋外撮影の頻度や構え方によってはZ5IIを選ぶ理由も十分にあります。
モニター中心のスナップ撮影については、Nikon Z5IICはファインダーなしでも使いやすい?で具体的に解説しています。
野鳥・鉄道・スポーツではファインダーの価値が高い
野鳥、鉄道、スポーツなど、動く被写体を追い続ける撮影では、ファインダーの有無が操作性に大きく影響します。望遠レンズを使用して遠くの被写体を撮影する場合、狭い画角の中へ被写体を収め続ける必要があります。
Z5IIではカメラを目元に構え、EVFを見ながら被写体を追尾できます。カメラを顔に近づけることで構えが安定し、望遠レンズで被写体を画面内に維持しやすくなります。
Z5IICでも被写体認識AFや高速連写を使用できますが、背面モニターを見ながら動く被写体を追いかけることになります。特に大型の望遠レンズを装着した場合には、カメラを顔に近づけて構える撮影方法を選べないことが制約になります。
もちろん、三脚や一脚を利用する場合など、モニター撮影が適する状況もあります。しかし、手持ちの超望遠撮影を中心に考えると、Z5IIのファインダーには実用的な意味があります。
連写性能の数字が近くても、動体撮影での使いやすさが同じになるわけではありません。カメラ本体のAF性能だけでなく、被写体を見失わずに追尾できるかという操作性も重要です。
ファインダーを利用する撮影の特徴は、ファインダー越しとは?EVFとOVFの違いでも詳しく紹介しています。
人物・動画・自撮りではモニターの使い方が重要
人物撮影や動画制作では、撮影する内容によってファインダーの重要度が変わります。三脚を使用して人物を撮影したり、カメラを固定して動画を撮影したりする場合には、背面モニターを中心に操作することが一般的です。
Z5IICとZ5IIはどちらもバリアングルモニターを備えているため、画面を横へ開いて向きを調整できます。ローアングル、ハイアングル、カメラ前方からの画面確認など、撮影位置を自由に変えられます。
動画では両機種とも4K UHD 60pなどに対応します。ただし、4K60pでは撮像範囲がDXに固定されます。フルサイズセンサーを搭載していても、すべての動画記録方式でフルサイズ全域を使用できるわけではありません。
動画撮影を中心に考えると、Z5IICの軽さやファインダーのない形状には魅力があります。一方、Z5IIは背面モニターが約210万ドットで、Z5IICの約104万ドットより高精細です。撮影中の画面確認を重視するなら、この違いにも意味があります。
また、動画撮影では外部マイクや三脚、ジンバルなどの周辺機器を使用することがあります。カメラ本体の価格差だけでなく、撮影システム全体の構成を考える必要があります。
動画と静止画を兼用する小型カメラの考え方については、OM SYSTEM PENの動画機能と小型ボディの特徴も参考になります。
Z5IICは初心者向けなのか、それとも上級者にも使えるのか
シーンモードの追加で初めてのフルサイズを意識
ニコンはZ5IICを、初めてカメラを使用する人にも撮影を楽しんでもらうための製品として紹介しています。特徴の一つが、フルサイズミラーレスとして初めて搭載されたシーンモードです。
シーンモードでは、人物、風景、ペット、料理、夜景など、15種類の撮影場面を選択できます。撮影したい被写体や場面に応じて、ホワイトバランスやピクチャーコントロールなど複数の設定が自動的に調整されます。
初心者にとっては、絞り値、シャッタースピード、ISO感度などをすべて理解してから撮影を始める必要がないことが利点です。撮影シーンを選ぶことで、複雑な設定を意識せず写真を撮影できます。
また、ニコンやクリエイターが作成したイメージングレシピをカメラへ登録し、専用ボタンから呼び出す機能も備えています。色や雰囲気を選びながら撮影できるため、スマホで写真のフィルターを選ぶことに慣れている人にも分かりやすい構成です。
ただし、初心者向けの機能を備えていることと、上級者が使用できないことは別です。Z5IICはフルサイズセンサー、RAW記録、マニュアル露出、交換レンズなどにも対応しています。基本性能を活用すれば、撮影技術に応じて表現を広げられます。
モニターを活かした操作方法については、Nikon Z5IICの背面モニター撮影を活かす使い方でも解説しています。
ファインダーなしは初心者にとって欠点なのか
カメラを初めて購入する人の中には、スマホの画面を見て撮影することに慣れており、ファインダーを使った経験がない人もいます。その場合、Z5IICのモニター中心の操作は、従来の一眼カメラより分かりやすく感じられることがあります。
しかし、ファインダーは単に古いカメラの操作方法を残した装備ではありません。周囲の光を遮って構図を確認できること、目元にカメラを構えて姿勢を安定させられること、動く被写体を追いやすいことなど、実用上の価値があります。
初心者の段階ではファインダーを使わなくても、撮影に慣れてから利用したくなることがあります。特に望遠レンズを追加し、野鳥やスポーツなどを撮影するようになった場合、ファインダーが必要になる人もいます。
ここでZ5IIの価値が生まれます。Z5IIなら、最初は背面モニターを中心に使い、必要に応じてファインダー撮影へ移行できます。Z5IICでは、後からファインダーを追加して同じ撮影方法へ変更することはできません。
したがって、ファインダーを使ったことがないから不要だと判断する方法には注意が必要です。撮影経験の有無だけでなく、これからどのような写真を撮りたいかも購入判断に関係します。
ファインダーを使う意味を理解するには、ファインダー越しとは?カメラで見える世界と写真表現の意味が参考になります。
どちらを買うべきかを撮影スタイル別に整理
購入判断をまとめると、Z5IICは軽さ、平らなボディ形状、モニター中心の操作を重視する人に適しています。一方、Z5IIはファインダー撮影やデータのバックアップ、幅広い撮影方法への対応を重視する人に適しています。
| 重視する条件 | 選択の方向性 |
|---|---|
| 日常スナップと持ち歩きやすさ | Z5IIC |
| 平らなボディデザイン | Z5IIC |
| スマホに近いモニター操作 | Z5IIC |
| 明るい屋外での撮影 | Z5II |
| 野鳥・鉄道・スポーツの望遠撮影 | Z5II |
| 撮影データのバックアップ | Z5II |
| 高精細な背面モニター | Z5II |
| 購入価格を少しでも抑える | Z5IIC |
| 今後の撮影用途を幅広く残す | Z5II |
特に重要なのは、Z5IIがZ5IICの主要な撮影スタイルにも対応できることです。Z5IIでも背面モニターを使って撮影できるため、Z5IICのようなモニター中心の撮影を選べます。そのうえで、必要な場合にはEVFを利用できます。
一方、Z5IICのフラットなボディと軽さは、Z5IIでは得られない特徴です。ファインダーの出っ張りがないデザインそのものを評価する人にとっては、単なる価格差以上の魅力があります。
最終的な判断を分けるのは、約2万円を支払って機能の選択肢を増やすか、必要のない装備を省いて携帯性を重視するかという考え方です。
ファインダーを搭載しながら小型化を追求した別のカメラについては、OM SYSTEM PENは何が変わった?も参考になります。
まとめ
Nikon Z5IICは、2026年10月23日に国内発売されるフルサイズミラーレスカメラです。ニコンダイレクトでのボディ価格は238,700円(税込)で、Z5IIの258,500円(税込)より19,800円安く設定されています。
最大の違いは電子ファインダーの有無です。Z5IICはEVFを搭載せず、3.2型バリアングルモニターを中心に撮影する設計です。カメラ上部が平らになり、高さはZ5IIより20mm低く、重量も80g軽くなっています。
一方、Z5IIは約369万ドットの電子ファインダー、SDカードのダブルスロット、約210万ドットの高精細背面モニターを備えています。Z5IICでは背面モニターが約104万ドットとなり、SDカードもシングルスロットです。
撮影の中核となる性能では、両機種とも有効約2450万画素のフルサイズセンサーとEXPEED 7を採用し、5軸ボディ内手振れ補正、被写体認識AF、高速連写、4K動画などに対応しています。Z5IICには15種類のシーンモードや魚の被写体認識など、使いやすさを重視した機能も用意されています。
価格差19,800円をどう評価するかは、ファインダーとダブルスロットを必要とするかどうかで変わります。屋外での撮影、望遠レンズによる動体撮影、失敗できない仕事の撮影では、Z5IIの装備が大きな意味を持ちます。
反対に、日常スナップや旅行で持ち歩きやすさを重視し、背面モニターだけで十分に撮影できる人にとっては、Z5IICの軽さやフラットな外観が魅力になります。使わない機能のために追加費用を支払う必要がないという考え方です。
ただし、両機種の価格差は約2万円です。ファインダーやダブルスロットを後から必要とする可能性を考えるなら、Z5IIのほうが撮影方法の選択肢を多く残せます。Z5IICは、あえてEVFを持たないカメラを選び、その形状と撮影スタイルを積極的に活用する人に適した製品です。
結論として、機能の充実度と価格差の小ささを重視するならZ5II、ファインダーを必要とせず、小型で平らなフルサイズカメラを求めるならZ5IICが選択肢になります。Z5IICの発売によって、ニコンのフルサイズミラーレスは、従来型のファインダー撮影とモニター中心の撮影という、異なる使い方を選べるラインアップになりました。



